どうして占いは当たるの?占いが当たると感じる心理学的理由とは
占い師は相手のことを見通して、誰も知らないあなたのことを当て、悩みの解決に助力することが仕事です。そもそもなぜ占いは当たるのでしょう。正しくは「当たったように感じる」という方がしっくりくるかもしれません。そのヒミツに迫りたいと思います! そこで今回は、「どうして占いは当たるの? 占いが当たると感じる心理学的理由」をご紹介いたします。
■誰にでも当てはまる内容を語られるとカン違いしてしまう
実は、占いが当たったかのように感じる理由として、心理学の世界においては「バーナム効果」というものが挙げられます。これは、誰にでも当てはまりそうな性格などの特徴を言われた人が、自分にズバリ当てはまっていると勘違いしてしまう現象で、人が占いにハマってしまう理由などを研究していた心理学者のバートラム・フォアの名前から「フォアラー効果」とも呼ばれます。
■占いに対してその方向へ努力した結果、一致する
また、占いの結果が良かった場合など、自分自身がその良い結果を実現しようと努力をする方向へと進んでいくため、結果的に良い未来が実現される可能性が高まると言えます。そして、良い結果が訪れた場合に「占いが当たった!」と感じるようになります。これを「予言効果」と言い、たとえ根拠のない予言や思い込みでも、人々がその予言を信じて行動することで、結果的にその通りの現実がつくられる現象のことを指します。
■自分にとって都合のいい情報だけを集めてしまう
さらに、「確証バイアス」によるものとも言えます。これは「認知バイアス」の一種で、バイアスとは、「偏り」と表現されることもあります。確証バイアスとは、自分にとって都合の良い情報だけを無意識的に集める一方で、不都合な情報を無視したり集めようとしない傾向のことを指します。そのため、当たっている部分だけを繋ぎ合わせてしまい、的中している! と思い込んでしまうのです。
■感性や経験値によるインスピレーションは否定できない
では、なぜ占い師によって鑑定内容が異なるのでしょう。それは、その人の学んだ占術の種類や占い師としての姿勢、そして経験値や感性が関わってくるためです。たくさんの人の人生を見てきた占い師は、霊感や霊視とは異なる「インスピレーション」が発達してきます。これを活かすことこそが、占い師としての腕の見せ所であり力量とも言えるのかもしれません。ある意味、占いは技術や芸術とも言える部分を持っているのです。
おわりに
このように、人が占いを信じる心理的傾向はさまざまあります。しかし、それでも占いが当たることの裏側には、暦や星の動きなど天然自然の理を学問として学び、経験則と統計学に基づいた「占術」を提供するところにあります。占い師が占い師として鑑定をするためには、人間の英知の集約となる「よるべ」が必要なのです。そのため、学問としてしっかり提供される占いは、耳を傾ける価値があるのかもしれません。
(脇田尚揮)
認定心理士。Ameba公式No.1占い師として雑誌やTVなどに取り上げられ、テレビ東京「なないろ日和」にてレギュラーコーナー担当。また、自身が監修したアプリ 「マル見え心理テスト」はTBS 「王様のブランチ」 などでも紹介され、120万DL。著書『生まれた日はすべてを知っている。』(河出書房新社)。