【フロイト心理学】眠っている間に潜在意識を活用する方法とは
あなたは“潜在意識”という言葉を聞いたことがありますか。私たちが覚醒しているときに現れるのが顕在意識、そして眠っている時に現れるのが潜在意識です。そんな潜在意識を解明しようと、ドイツのある心理学者研究をしました。そこで今回は、フロイト心理学の見地から「眠っている間に潜在意識を活用する方法」をご紹介いたします。
■私たちが意識しているのは“氷山の一角” 意識と無意識の関係
ドイツの精神分析学者フロイトは、人間の意識を「意識」と「無意識」に分けました。そして、意識は氷山の一角に過ぎず、大半の無意識(潜在意識)が人間の行動や発言をコントロールしていると提唱したのです。そのため人のすべての行動には、必ず心理的な裏付けがあると考えました。また、人間の精神のもっとも奥深いところに「エス」と呼ばれる無意識の層があると考えました。つまり、私たちは潜在意識によって無意識に生活しているというのが、フロイトが提唱する内容なのです。
■自我がエス(本能)と超自我(理性)を調整している
「エス」とは簡単にいえば、すべての人間に原始的に備わった欲望のことです。そして、精神力動的な葛藤を調整する役割をもつのが「自我」です。さらに、「超自我」とは、社会生活の中で自分の中に形成された、いわば“良心”のことを指します。自我がエスを変形させるときに、周囲や世の中に迷惑をかけないよう変性させるのがこの超自我=理性なのです。私たちが自分の欲望をコントロールできるのは、この自我のたまものといってもいいのかもしれませんね。
■眠っている時に見る夢は潜在意識からのメッセージ
私たちが寝ている時に見る夢は、一見なんの整合性もない支離滅裂なものです。しかし、そんな意味を帯びていない夢こそが、自分の潜在意識が選んだ大切なものであるとフロイトは主張します。そんな潜在意識を知るためには、“夢を分析”するのが唯一の手段なのです。夢は脳に蓄積されている沢山の記憶の中から選ばれています。そして、そんな夢の中には重要なヒントが隠されているのです。
■“無意識”に意図的にアクセスする「コイン法」
そこで、意図的に“無意識”にアクセスする方法として、「コイン法」といわれるやり方があります。まず、椅子などに腰かけてリラックスしましょう。そして、大きめの硬貨を利き手と反対の手に握りしめ、そのまま目を閉じましょう。体調にもよりますが、5分くらいするとウトウトと意識が睡眠へとシフトしていきそうになります。この状態が潜在意識にアクセスできる状態だといえます。そして、完全に睡眠に入る瞬間、脱力して握っていた硬貨が床に落ちます。その音で目を覚ましたときに、すぐ思い浮かんだ内容をメモするというのがコイン法のやり方です。その内容にあなたへの今の解決策や人生のヒントが隠されているのです。
おわりに
夢の意味を現実世界で活用できれば、危機を回避できチャンスを掴めるようになります。夢本来の意味を知って行動すると、現実世界でもシンクロニティに気づくことも増えるのだとか。シンクロニティとは心理学者ユングが提唱した「意味のある偶然の一致」とされています。夢と潜在意識は密接な関係で、顕在意識へのヒントを与えてくれていることが多いといえるのです。
(脇田尚揮)
認定心理士。Ameba公式No.1占い師として雑誌やTVなどに取り上げられ、テレビ東京「なないろ日和」にてレギュラーコーナー担当。また、自身が監修したアプリ 「マル見え心理テスト」はTBS 「王様のブランチ」 などでも紹介され、120万DL。著書『生まれた日はすべてを知っている。』(河出書房新社)。