大事なのはインプット!本を読んで自分の中に取り入れるための心理学的思考法

本を読んで自分の中に取り入れるための心理学的思考法

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ひとつの本はまさに“小宇宙”のようなもので、筆者の想いがたくさん詰まっています。でも、そこから読み手が自分の中に落とし込むには、さまざまなハードルがあります。効果的に本の内容を取り入れるにはどのようにすれば良いのでしょう。そこで今回は、「本を読んで自分の中に取り入れるための心理学的思考法」をご紹介いたします。

■本当に大切な内容は“2割”しかない

よく「一冊の本の中で本当に必要な箇所は2割しかない」と言われるように、占いのメッセージの中でも、あなたにとって重要なポイントは2割しかないことがほとんど。これは“パレートの法則”といいます。真に重要なものは全体の2割しかないという経済学の冪乗則と同じです。ただ漫然と本を読んでいても、トータルでは記憶に残っているものの、自分にとって一番大切なところを見落としてしまうことも少なくありません。

■本を読んだらレビューを残す

まず実践して欲しいのが、読書をする中で自分の心が動かされたフレーズを“抜き出す”という作業です。雷に打たれたような衝撃を受けた一言でも構いませんし、ハッと気づかされた単語でも構いません。そのフレーズは、いずれあなたが自分を振り返るための「フック」となってくれます。そのため、本を読んだその後に、簡単なレビューを遺す習慣をつけてみましょう。

■想起することで学びがあなたのものになる

心理学において、必要な時にその情報を思い出すことができるプロセスを “想起(そうき)”と言います。 せっかくよい書籍と出会い、それに感銘したとしても思い出すことができなければ、自己成長のきっかけをなくしてしまいます。 そこで思い出すための「フック」が必要なのです。そのためには「書く」という感覚を使った作業が何よりも大切になってきます。お勧めは手帳に記すという作業です。そうすれば、振り返り想起もしやすいはずです。

■メモとペンだけであなたの世界は広がる

もしもあなたが、素晴らしいフレーズを耳にしたり目にしたときには、迷わずメモを取ることをおすすめします。読書によって人がどこに感じ入るかは、まさに千差万別。生きてきた環境、持っている価値観、今置かれている状況によって、どんなフレーズが響くか大きく変わってきます。もしかすると、今日と明日ですら異なっているかもしれません。そんなチャンスを逃さないようにするには、すぐに書き留めておける環境「メモとペン」を常備しておくことが大切なのです。

おわりに

たくさんある本の中で出会えたフレーズや学びは、あなたにとって珠玉の言葉です。そんな宝物を自分の中に取り入れない手はありません。本を読む際には、メモ用紙と筆記用具を用意しておきましょう。すべてを書き記しておく必要はありませんが、大切なフレーズは書き漏らさずに残し、それとなく見返してみてはいかがでしょう。きっと貴重な発想を、そのときの感情と共にありありと思い返すことができるはずです。(脇田尚揮)

脇田尚揮
認定心理士。Ameba公式No.1占い師として雑誌やTVなどに取り上げられ、テレビ東京「なないろ日和」にてレギュラーコーナー担当。また、自身が監修したアプリ 「マル見え心理テスト」はTBS 「王様のブランチ」 などでも紹介され、120万DL。著書『生まれた日はすべてを知っている。』(河出書房新社)。