相手が緊張しているときにほぐしてあげる心理テクニック
もしもあなたの前で、ガチガチに緊張している人がいたらどうしますか? きっと少しでもその緊張を解きほぐそうとするでしょう。でも、どうすればリラックスさせられるか知らなければ、なかなか難易度は高いと言えます。そこで今回は、「相手が緊張しているときにほぐしてあげる心理テクニック」についてご紹介いたします。
■リラックスさせる話題は “昔話”
相手が緊張しているとき、提案する話題として何を提案するかは意外と難しいもの。そんなとき、“昔話”は相手の緊張をほぐすうえで非常に有効です。過去の知識や経験は、多かれ少なかれ誰にでもあります。それを相手から引き出すことで、あなたに対して心を開きやすくなるのです。これを心理学においては“自己開示”と言います。もしも相手が話しづらそうにしているなら、まずはあなたから話してみましょう。「昔、私は……」と切り出せば、相手も耳を傾けてくれるはず。
■適度な“うなずき”が会話を促し緊張をほぐす
アメリカの心理学者マタラッツォは、“うなずき”に関するある心理実験を行いました。その結果、うなずく回数を増やした15分間で、20人の実験参加者のうち17人もの発言時間が長くなっていたのです。うなずくことで、あなたの話がわかりますという承認、自分もそう思うという同調、続きを話してという許可を示すことができるのです。そのため、うなずきの回数を意識して増やすことで、相手の緊張をほぐすことができるのです。
■楽しかった経験を聞き出す
緊張や不安をコントロールすることは難しいことですが、そんな時のために覚えておいて欲しい心理学のテクニックがあります。それが逆抑止性。精神科医のジョセフ・ウォルピは、人間の精神はふたつの矛盾する感情を同時に感じることはできないことを発見しました。つまり、緊張とリラックスは同時に感じられないのです。そのため、相手が緊張している場合は、緊張とは真逆のリラックスの感情に集中させて、不安をシャットアウトするように条件付けるのがポイントに。例えば、これまで「楽しかったことを教えて?」とひと言声を掛けるだけで、ポジティブなイメージが頭に浮かび、いつの間にかリラックスさせられるはず。
■相手と身体的な距離を少し詰めてみる
相手が緊張している時は、あまり近づいたりせずにそうっとしておいた方が良いと考えるときもありますよね。しかし、それは実は逆効果。緊張している時こそ、身体的な距離を詰めてみて下さい。物理的距離と心理的距離は、密接な関係があるのです。ボッサードの法則によると、人は自分の近くにいる人に無意識の内に好感を抱きやすいとされるのです。遠距離恋愛が上手くいきにくいのは、二人の間に距離があるから。だからこそ、相手の気持ちをほぐすには、近づくことが重要なのです。
おわりに
緊張をほぐすというのは、人間関係においてかなり高等テクだと言えます。好かれる人の多くは、相手の緊張をやわらげる人だという統計も出ているのだとか。たしかに、一緒にいてリラックスできたり安心感をくれる人は魅力的ですよね。そんな人になれれば、きっと周囲からも一目置かれるはず。ぜひ、あなたも人の緊張をほぐせる人を目指してみてはいかがでしょう。(脇田尚揮)
認定心理士。Ameba公式No.1占い師として雑誌やTVなどに取り上げられ、テレビ東京「なないろ日和」にてレギュラーコーナー担当。また、自身が監修したアプリ 「マル見え心理テスト」はTBS 「王様のブランチ」 などでも紹介され、120万DL。著書『生まれた日はすべてを知っている。』(河出書房新社)。