「沸騰したてのお湯」、実はNG!おうちコーヒーをよりおいしくするポイント3選

まったりとおやつと共に飲んだり、作業に集中するために飲んだりと、習慣的に飲む人も多い「コーヒー」。せっかく飲むのなら、おうちでもお店に負けないくらい美味しいコーヒーを飲みたいですよね。

そこで、UCC コーヒーアカデミーの村田果穂講師に聞いた「よりおいしくコーヒーを飲むための正しいポイント」を紹介します。

 

<UCCコーヒーアカデミー専任講師  村田  果穂(むらた みほ)>

優れた抽出技術を競う「ジャパンブリュワーズカップ 2014/2015」にて準優勝した経験を持つ。ほか、世界各国で開催される、もっと優れたスペシャルティコーヒーの味わいを評価する品評会「カップオブエクセレンス」で国際審査員なども務めるなど、抽出技術はもちろん、優れた味覚・嗅覚の持ち主でもある。

 

実はNG?おうちコーヒーをおいしくするために避けたい3つのポイント

①朝一番の水道水を使う

朝食と一緒に飲む人も多く、朝は忙しいのでつい水道水をそのまま使ってしまっていたという人もいるのではないでしょうか。実はこれってNG!なぜなら、水道管に一晩溜まっていた水は、塩素が薄くなっており、殺菌作用が弱まっているので飲料用には向いていないのです。

特に、長い間旅行などで家を空けた後の水道水には要注意!バケツ1杯分程の水蛇口から流し、その後沸騰させてから使用することをおすすめします。

 

②抽出に沸騰したてのお湯を使う

無意識にやってしまっている人が多いNG行動のひとつが、沸騰したてのお湯を使って抽出すること。熱いお湯ほどコーヒーのおいしさを引き出しそうなイメージですが、実は100度近いお湯は苦味や渋味、雑味を出しやすくします。そのため、むしろおいしさを半減させてしまっているのです。

そのため、苦味・酸味・甘さをバランスよく引き出すには、92℃~96℃の沸騰から少し落ち着いた温度がコーヒー抽出には最適。正確な温度を測ることが難しい場合は、煮立ったお湯をいったんドリップポットに移し替えることで丁度良い温度に調節できます。そのほか、急須などの口先が細くなったものを代用しても〇。

移し替えるツールがない場合は、沸騰後1〜2分待つと、気泡がない穏やかなお湯の状態になり、92℃~96℃に近い温度で抽出できます。

 

③メジャースプーンの容量を知らずに使用する

コーヒーのおいしさを決めるものとして、コーヒー粉とお湯の量は重要な要素のひとつ。コーヒー粉1gの違いだけでも味わいに違いが出てしまいます。そのため、メジャースプーンできっちり測ることが大切です。

一見同じように見えるメジャースプーンもメーカーによってさまざまなサイズや容量があります。ドリッパーなどに付属していたメジャースプーンを長く使い続けている場合や使っているメジャースプーンの容量がわからない場合は、一度容量を軽量し、把握しておくと良いでしょう。

ただし、同じすりきり一杯でも、焙煎度合いによって体積が変わるということには注意が必要です。一般的に浅煎りは重く、深煎りは軽くなります。よりおいしさを突き詰めるのなら、1グラム単位や0.1g単位で測れるスケールの使ってみましょう。

 

ポイントは淹れるときだけじゃない!おいしい保存法

コーヒーのおいしさを損なう大敵は、酸素、湿気、高温、紫外線の4つ。これらからおいしさを守るためには特に、保存方法が重要になっています。

そもそもコーヒーの油脂成分が酸化することによって劣化が起こるため、酸味が強くなり、香りがなくなってしまいます。また、温度が高いほど劣化は早く、保存温度が10℃下がるとその分劣化のスピードも半分になるので、保存温度がカギになっていることがわかります。

 

<おすすめの保存方法>

コーヒーの劣化を防ぐには、遮光性があり、密封できるコーヒー保存容器を使うのがベスト。ガラスの保存容器を使う場合は、コーヒーが入っている袋のまま容器に入れ、開けた口はテープで止めることがおすすめです。コーヒーが入っている袋は元々、酸素、湿気、高温、紫外線の影響を受けない作りになっているので、そのまま利用しちゃいましょう。容器の大きさは、飲む頻度、量によって選ぶようにしてくださいね。

 

また、チャック付きポリ袋などの口が閉じられる透明な袋に入れて保存するのはなるべく避けてください。遮光性と密閉性に欠けるため、コーヒーの大敵である紫外線、湿気や酸素を遮ることが難しくなっています。

加えて、コーヒーの保存期間は、常温で、豆なら1ヶ月、粉だと7日〜10日程度です。長期間保存したい場合は、冷蔵庫より冷凍庫保存が〇。ただし解凍の際に、空気中の水分が結露してコーヒーに触れると劣化を早めるので、空気に触れない真空包装などで保管しましょう。また、電子レンジや湯煎での解凍も、熱が劣化の原因となる可能性が高いため注意が必要です。冷凍、解凍を繰り返すのもコーヒーにとって好ましくないので、使う分を小分けにして冷凍保存するのがベストです。

 

インスタントコーヒーの内蓋は少し残して使うとおいしさ長持ち!

インスタントコーヒーだと、シール等で内蓋がされていることがあります。この場合は完全に取ってしまうのではなく、口の周辺だけ残しておくようにしましょう。ちょっとの違いですが、蓋と瓶の口の間でパッキンの働きをして湿気を防いでくれます。

 

より充実したコーヒータイムを

「おいしくなると思ってやっていた……」という行動があった人も多かったのではないでしょうか。ちょっとしたことですが、少しの工夫でおいしいコーヒーが楽しめるのならやってみる価値はあり。それこそ、今回紹介したポイントを取り入れながら、自分好みのコーヒーの淹れ方を見つけるのもいいかもしれませんね。ぜひ、おうちコーヒーを楽しんでください!(岡美咲)

情報提供元/UCC上島珈琲株式会社