【フロイト心理学】夢を用いて潜在意識を活かす方法

【フロイト心理学】夢を用いて潜在意識を活かす方法

(c)shutterstock.com

私たちが眠っているときに見る“夢”には、実はさまざまな意味が含まれているとされます。そんな夢が意味するところを解析し、日常生活に活かすことができれば、きっと素晴らしい発見に繋がるはず。そこで今回は、フロイト心理学の観点から「夢を用いて潜在意識を活かす方法」をご紹介いたします。

■精神分析学者フロイトの提唱する「無意識」とは

ドイツの精神分析学者フロイトは、人間のすべての行動には必ず心理的な裏付けがあると考えました。そして、そのほとんどが、「無意識(潜在意識)」であると提唱しました。そして、人間の精神のもっとも奥深いところに「エス」と呼ばれる無意識の層があると考えました。エスとは簡単に言えば、すべての人間に原始的に備わった欲望のことです。

そして、精神力動的葛藤を調整する役割をもつのが「自我」です。自我には、自分でコントロールできる自我と、コントロールできない自我があります。さらに、「超自我」というものがあるとフロイトは主張します。超自我とは、社会生活の中で自分の中に形成された、いわば良心のことを指します。自我がエスを変形させるときに、周囲や世の中に迷惑をかけないよう変性させるのがこの超自我=理性なのです。

■夢の意味と無意識の関係

私たちが寝ている時に見る夢は、一見なんの整合性もない支離滅裂なものです。しかし、そんな意味を帯びていない夢こそが、自分の無意識が選んだ大切なものであるとフロイトは主張します。人の行動や心のほとんどは、無意識に支配されています。しかし無意識は自ら自覚することはできません。そんな無意識を知るためには、夢を分析するのが唯一の手段なのです。夢は脳に蓄積されている沢山の記憶の中から選ばれています。そして、そんな夢の中には重要なヒントが隠されています。ではどうすれば、意図的に無意識にアクセスできるのでしょう。

■意図的に無意識にアクセスする「コイン法」

意図的に無意識にアクセスする方法として、「コイン法」と言われるやり方があります。まず、椅子などに腰かけてリラックスしましょう。そして、大きめの硬貨を利き手と反対の手に握りしめ、そのまま目を閉じましょう。体調にもよりますが、5分くらいするとウトウトと意識が睡眠へとシフトしていきそうになります。この状態が潜在意識にアクセスできる状態だと言えます。ここで思い浮かんだ内容やひらめいたことが、あなたにとって重要な意味を帯びているでしょう。そして、完全に睡眠に入る瞬間、脱力して握っていた硬貨が床に落ちます。その音で目を覚ましたときに、すぐ思い浮かんだ内容をメモするというのがコイン法のやり方です。

■夢を記録して分析し意味を把握して

大きく分けて、夢には「予知夢」と「雑務」に分類されます。予知夢は未来を予知する夢、過去からのメッセージや霊性によるメッセージです。一方で雑夢は、外的刺激に反応する夢、今起きている事を脳で整理するものとされます。いずれにせよ、夢占いや夢診断で判断するためには、夢を記録するところからスタートします。就寝する場所にメモとペンを置いておき、眠って夢を見たそのすぐ後に書き留めておくと分析しやすくなるでしょう。その夢の意味を現実世界で活用できれば、危機を回避できチャンスを掴めるようになるはず。夢の種類を知りながら夢占いの意味も知ると、シンクロニティも起こりはじめるのだとか。シンクロニティとはユングが提唱した「意味のある偶然の一致」とされています。

おわりに

歴史上多くの発明をした学者や、社会を変革するような功績を残している偉人は、夢にヒントを得ていたという文献が多く残っています。たとえば科学者ケクレは、2匹の蛇がお互いの尾に噛みつくその姿を夢で見て、ベンゼンの構造を思いついたという逸話もあるのだとか。昔の人たちは無意識の力を信じ、すさまじい想像力で夢からひらめきや決断のきっかけを得ていたのかもしれませんね。(脇田尚揮)

脇田尚揮
認定心理士。Ameba公式No.1占い師として雑誌やTVなどに取り上げられ、テレビ東京「なないろ日和」にてレギュラーコーナー担当。また、自身が監修したアプリ 「マル見え心理テスト」はTBS 「王様のブランチ」 などでも紹介され、120万DL。著書『生まれた日はすべてを知っている。』(河出書房新社)。