【行動心理学】「形」から入って目標を達成することの有用性と方法
世間的には形から入ることをよしとされていませんが、心理学的に見ると形から入ることには、さまざまなメリットがあります。もしもあなたが、何か習慣づけたいことや取り入れたい価値観があるときに、効率よく身につけるためにはどのような方法があるのでしょう。そこで今回は、行動心理学の観点から「“形” から入って目標を達成することの有用性と方法」をご紹介いたします。
■自分がどう変わればいいかを探る
習慣を身につけたいと思うとき、自分が何を実践してどう変わればいいのかわからないということがあるかもしれません。たとえば、何度も挑戦しているのに合格できない資格を取得をしたいという場合、目的のために勉強をしなければなりませんよね。そのとき、問題集や参考書などを求めて書店に向かい、計画を立てるのが通常です。しかし、これまで自信が無くて結果を出せなかったり、そもそもやり方が分からなかったという事実もその裏にあるはずです。そのため。自分がどう変わればいいかをまず探る必要があると言えます。
■あえて形から入ることで前提条件をクリアする
形から入ろうとしても、「鶏が先か、卵が先か」の問答になってしまうケースも少なくありません。自信があれば本番で力を発揮することもできていたであろうし、計画通りに正しく学習できて、結果欲しいものを手に入れることもできていた、と。そんなときこそ、どう変わるべきかを分析し「形から入る」ことをお勧めします。形から入るとは、悩みの根底にある前提条件をクリアするための用意のことを指すのです。
■本当にお気に入りのもので環境を整える
たとえば、自分に自信がないというときは、筆記用具やチェアなど環境づくりに気を遣ったりするという方法が考えられます。もちろんセンスによる部分もありますが、自分が好きなモノや香り、音楽を流すだけで、いつもとは違った自分になれる気がするものです。そういった形が仕上がった後に、学習に向かうようにしてみると気分がいいコンディションで取り組めます。そうなると、それら環境を整えるだけで“快”の方向にスイッチが入り、勉強をするという習慣が自然と身についていくはずです。
■“拡張自我”を応用して自他ともに印象を改善
心理学においては、私たちは自分周辺のものを自らの一部として認識している、という「拡張自我」という理論があります。そのため、自分が身につけるものや使用するものも自分の一部とみなし、自信がつくというわけです。営業が不得意なビジネスマンが、身なりを整えることで自他ともに印象が改善され、営業成績を伸ばすのも同じ理屈です。このように、学習に取り組む前提段階でつまずきがある場合は、思い切って形から入った方が上手くいく場合もあります。自分のモチベーションを高めて行動に移せるなら、多少の自己投資は安いものかもしれません。
おわりに
形から入るうえで大切なことは、モチベーションに繋がるようなものを取り入れるという点です。自分が好きなモノや魅力的に感じる要素が無ければ、あまり意味はありません。好きなスーツを身にまとったり、お気に入りのデスク&チェアでワークに取り組んだり、気分が上がる曲を流したりしてみましょう。形から入ることが“儀式”になり、すぐに物事に取り組めたり、ストレスなく習慣化できるはずです。(脇田尚揮)
認定心理士。Ameba公式No.1占い師として雑誌やTVなどに取り上げられ、テレビ東京「なないろ日和」にてレギュラーコーナー担当。また、自身が監修したアプリ 「マル見え心理テスト」はTBS 「王様のブランチ」 などでも紹介され、120万DL。著書『生まれた日はすべてを知っている。』(河出書房新社)。