春は心も体も揺らぎがち。季節の変わり目の不調やPMSの対処法【医師監修】

季節の変わり目はPMSが関係? メンタルと向き合うために気を付けたいことQ&A


「なんだか気分が落ち込むな」「ちょっとやる気が出ない……」そう春や季節の変わり目にメンタルが不安になってしまうことはありませんか? 自分のメンタルの揺れ具合にさらに気持ちが疲れてしまったり、またストレスに自分でも気がついていないこともあるかも。

実は、春は特にメンタルに不調を感じやすい季節。今回はこれから迎える春に向けて、産婦人科医の尾西芳子先生に「メンタルを整える上で重要なこと」を教えてもらいました。しっかりセルフケアを行うことで、今よりも気持ちがずっと楽になるかもしれませんよ!

Q1.春や季節の変わり目にはメンタルが不安定になりやすいのには何か理由があるのでしょうか?


「春や季節の変わり目は、気候や気圧、気温の変動が激しくなりやすいもの。そのため、交感神経や副交感神経といった『自律神経』がバランスを崩しやすくなり、その結果メンタルにも影響が出やすくなり、不安定になりやすくなります。『ある程度の不安定さは季節のせいだから、気にしすぎない』くらいに思っておくとラクになれるかもしれません。

また、初春には花粉も飛んでいます。花粉をキャッチすると身体の中で免疫機能が過剰に活動してしまい、身体のだるさや眠気が引き起こされます。また身体症状だけでなく、メンタルにも影響が出てきます

さらに、春や季節の変わり目にはPMSも悪化しやすいため、生理前はできる限りスケジュールを詰め込みすぎずに、心身ともにいつもよりケアすることを心がけて」。

 

Q2.春や季節の変わり目にメンタルを整える上で重要なことは?


「交感神経や副交感神経といった自律神経がバランスを崩すことが原因。なので、まずはそのバランスを取り戻すことが大切です。難しいことではなく、基本中の基本を改めて行うことが重要。

・3食規則正しく食べること
・有酸素運動をすること
・ゆっくり入浴すること

などがおすすめです。時間がないとどうしても後回しにしてしまいがちですが、特別なケアをプラスするよりもまずは日常でできることから始めてみましょう。

さらに今は日中は暖かいのに朝晩は冷え込むなど、1日の中で気温の変化が激しい時期です。寒さ、暑さは気づかないうちに身体にとってストレスになってしまいますので、羽織りものを持ち歩くなど体温調整しやすい服装にすることも重要です。花粉症の症状がある人は、花粉対策も忘れずに」。

 

Q3.摂った方がいい食材や栄養素はありますか?


「一般的なPMSの対策として、『カルシウム、ビタミンB、たんぱく質』などをしっかり摂取することが良いことが明らかになっているため、生理前はこれらを多く含む食材をしっかり食べるようにしましょう。

▼たとえばこんな食材がおすすめ

カルシウム:チーズ、小魚、大豆など
ビタミンB6:まぐろ、カツオ、バナナ、肉類など
たんぱく質:大豆など

特に「大豆」は、タンパク質、カルシウム、鉄、B1、マグネシウムを含む強い味方なので、毎日の食事に積極的に取り入れて。また、体をあたためてくれる根菜スープもいいですね

さらに、特に春の季節の変わり目は花粉症により体内でヒスタミンが増加し、むくみやすい状態となっています。むくみは頭痛や乳房痛だけでなく、イライラなどの精神症状とも関係しているというデータがあり、むくみ対策を行うことが重要です。むくみ対策には、カリウムやγ(ガンマ)トコフェロールといったミネラルやビタミンをしっかり摂って。

▼たとえばこんな食材がおすすめ

カリウム:納豆、ほうれん草など
γ-トコフェロール:大豆油、コーン油など」。

 

生活環境の変化や気温・花粉の影響など、何かと体調不良になりやすい要素がそろっている今の季節。しっかり自分をケアして、新年度の始まりに臨んでみて!

教えてくれたのは…
産婦人科医 尾西芳子先生
神戸大学国際文化学部卒業後、山口大学医学部編入学、卒業後、慈恵医大病院で初期研修、その後、日赤医療センター、済生会中津病院、育良クリニックなどを経てパークサイド広尾レディースクリニック、高輪台レディースクリニックなど都内クリニック院長を歴任。現在は2人の子供を育てながら、都内クリニックにて勤務。すべての女性のかかりつけ医でありたいとの思いで診察を行う。わかりやすい解説で雑誌、テレビのコメンテーター、ドラマの医療監修なども行っている。

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