普通の大学生から専属モデルに…学んだこと
2021年に雑誌CanCamは創刊40周年を迎えました！ それを記念して、CanCam.jpでは歴代のOGモデルを直撃。専属モデル時代から今日までの軌跡を振り返りつつ、今だから話せる撮影裏話や最近のプライベートの様子など、大人の女性として輝き続ける彼女たちのリアルなメッセージを配信中♡ これまでにも、女優として大活躍の高橋メアリージュンさんや、西山茉希さんの知られざる葛藤など、さまざまなお話を伺ってきました。
連載第3弾は、現役大学生と専属モデルの2足のわらじを履き、持ち前のバイタリティで多くの海外撮影を経験した平山美春さんが登場！
大学在学中に実姉の勧めで受けた芸能事務所のオーディションに合格。2006年から2013年の約7年間専属モデルとして活躍し、上品な雰囲気と高身長を武器にCanCamのお姉さんスタイルを担当。ファッションのみならず、特技の英語やフランス語を生かし国内外への取材撮影も多くこなした平山さん。行動的で努力家の一面がある一方、性格はマイペースのおっとりさんで、現場でも女神のような存在だった♡
専属モデル卒業後は、高校3年間を過ごしたフランス・パリに再留学。アート系のインターンを経て帰国した後、日本で芸術系の大学に編入し二級建築士の資格を取得。2019年に結婚し、現在は実業家であるご主人の仕事をサポート。「小売業が注目する若手富裕層」という切り口で、インタビューを受ける話題のセレブリティでもあります。大人の女性へと輝きを増す平山さんに、これまでのこと、今のこと…今後の目標について聞きました。
ぶっつけ本番のファッション撮影。初日は、緊張しすぎてガチガチに…
――今だから話せる、CanCam時代の撮影秘話を教えてください！
「初めての現場はバッグ企画の撮影だったのですが、いざバッグを持ってカメラの前に立った瞬間まったく動けなくなってしまって…頭が真っ白。撮影直前までは、カメラの前に行けばなんとかなる！ と、妙な自信があったのですが…カメラと向き合った瞬間にそのまま動けなくなりました。結局…ずっと同じポージングをしたまま静止状態。もう、どうしたらいいのかわからなくて…」
ポージングのレッスンを受けることなく、オーディション後（1か月くらい）すぐにCanCamの撮影が決定。雑誌に掲載されるのは1カットだけ、と聞いていたため、当日までパシャっと1枚だけ記念写真を撮るイメージで挑んだのだそう…!!
戸惑いの連続から、エビちゃんのひと言で前向きに♡
ーー初めて撮影したときの感想は？
「（西山）茉希ちゃんと一緒の撮影だったので、編集者さんに『マキちゃんのポージングをよく見てて』と言われたものの、何もかも初めての私からすると、どこをどう見ればいいのかさえわからなくて（笑）戸惑いました。ワンポーズだけだし、ぶっつけ本番でもきっとできる！と思っていたけど、撮影が始まってみたら、茉希ちゃんが動きながらポーズを決めていてびっくり。ただ止まってポーズをとればいいと思っていたので焦りました。モデルとして撮られるということは、ポーズのバリエーションとかスピード感とか…いろんなことが求められるし必要なのだと知りました」
ポージングに悩む新人モデル…その突破口になったのは、憧れの先輩からの助言。撮影後に相談にのってくれた先輩モデルの言葉に励まされて。
「（専属モデルになって）1,２か月くらい経ってもまったく動けなくて…とても落ち込んでいたときに先輩モデルの蛯原友里ちゃんにすごく親切にしてもらったんです。撮影後の雑談中にポージングができなくて悩んでいることを話したら、『ポージングはパターン化させてやっていくと初めのうちはやりやすいよ』と教えてくれて、『脚はこんな風に動かすと長く見えるからやってみて』など、コツをたくさん教えてくれました。完璧に見える友里ちゃんが『私もまだまだ悩むことがあって、今でも試行錯誤しているよ』と話してくれて、私も焦らずに頑張っていこう、と気持ちが少しラクになりました」
高校3年間をフランスで過ごした平山さん。帰国後は関西の大学に進学し、学生と専属モデルを両立する生活に。オーディションを受けるまでは、関西と東京を行き来する日々はまったく想像していなかったそう。
「関西に住んでいると、プロのモデルはとても遠い世界の人。自分がそうなれるとも、なりたいとも思ったことがなかったので、CanCamモデルになっていなかったら東京にも出てこなかったと思います。大学を卒業したらそのまま関西で就職するつもりで、東京で生活する自分はまったく想像していませんでした」
そう語る平山さん。専属モデルに抜擢されたことで180度人生が変わり、新たなステージへと進むことに。
ーーCanCam時代でいちばん辛かった時期は？
「大阪から東京に通っていた１，２年目は、自分でもCanCamの問題児だった自覚がありますね…。ストレスでつい食べすぎて、体重がちょっとずつ増加した頃。周りから、もう少し体を絞ったほうがいいよ、と言われたりもしてました。もともと骨格がしっかりしているので体が大きく見えがちで…体重が増えると見た目にすぐ表れていたのだと思います。当時は専属モデルが15名ほどいて、ほかのモデルと一緒に撮影する機会も多かったので、なかなか痩せられない自分と他のモデルを比較して落ち込んだりもしましたね」
ーーどうやって克服したの？
「大学卒業後、東京で一人暮らしをするようになって自炊を始めたのが大きな転機。健康管理を自分でしないといけないので食事に気をつけるようになって、（ちょうどCanCamモデル3年目くらいに）コントロールできるようになりました。体重がベストの数値よりオーバーしたら、栄養バランスは変えずに食事量を減らしてみたり、ジムでトレーニングをしたり。自分の体型や体質と向き合っていくうちに、太りやすいパターンとか効果的な運動法がわかるようになりました。私の場合は、有酸素運動を続けると体型や体重がキープしやすいので、今でもジムには定期的に通っています。でも30代になってみて…20代とは体質も代謝も変わり、体型を維持することの難しさを実感してます。食べないだけでは痩せられないし健康的な美しさからも遠ざかってしまうので、今は筋肉量をもう少し増やしたいと思ってます」
ーーCanCamモデル時代の思い出は？
「CanCam時代は、ファッションや美容の撮影のほかに国内外への出張もたくさん行かせてもらって、貴重な経験をたくさんしたな、と思います。当時住んでいた自宅マンションを取材してもらったこともあります。モデル仲間やスタッフとも仲が良くて、現場のムードも和気あいあいとしていたし、忙しいときでも笑いが絶えなかったですね。専属モデル全員で出かけた（西山）茉希ちゃんの卒業旅行も楽しかったし、名古屋や大阪でファッションショーをするときに大勢で新幹線移動したのもいい思い出!! モデルとして、とても内容の濃い時間を過ごしました。プロのモデル業を心から楽しめるようになったのも、当時の編集長やスタッフ、先輩モデルからのアドバイスがあったから。それは今でも私の生きるヒントになっています」
遠くの存在だと思っていたモデルの道を、一歩ずつ着実に進んでいった平山さん。次回は、人生のターニングポイントとなったCanCam時代のエピソードや卒業後の次なるステップについて迫ります。
