1日で800万円売り上げるMEN’S Prescious編集長が語る「○○主義」とは!?

往年の『Men’s Precious』よりも、攻めの特集を多く仕掛けて読者に受け入れられた2014年。2015年のメンズファッション業界はどんなトレンドなのか、その中でどのような攻めを考えているのか。鈴木編集長のインタビュー、最終回です。

★1回目のインタビューはコチラ→  「メンズの2014年は“○○”一辺倒」MEN’S Prescious編集長インタビュー

★2回目のインタビューはコチラ→ 編集長曰く「MEN’S Prescious世代へのメッセージは”自分の信じる道を行け。そして……”」

★3回目のインタビューはコチラ→ MEN’S Prescious編集長が断言「男の肌の曲がり角は○歳!そこが若さの分かれ道」

 

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Woman Insight編集部(以下、WI) 2015年のメンズファッション全体については、どんなトレンドなんでしょうか?

鈴木編集長(以下、鈴木) 淡いベージュやグレージュ、サンドベージュといった、サンドカラーというか、ゆるいアースカラーがトレンドですね。黒やチャコールグレー、チョコブラウンとは違って、淡いトーンです。

WI 年齢が上になってくると、むやみにサンドカラーを取り入れると全体的にくすんだ感じになりますよね。

鈴木 そうなんです。だから色のメリハリをつけたコーディネートvs.淡いグラデーションのワントーンコーディネートをやろうかなと思って、次号予告ではそういう風に作っていたのですが、やっぱり変えようかなと。

WI どう変えるんですか?

鈴木 その○○vs.××っていうのは、女性誌づくりの発想だと気づいたんです。自分がOggiの編集長のときだったら、そういう特集を作っていたと思うんですけど、メンズ誌は違うなと。新しいジェントルマンスタイルの提案をしていきたいので、来春は「青」をやろうと思っています。

WI トレンドとはまた別の提案ですね。

鈴木 そうです。ネイビーやもう少し明るいブルーも含めて「青」です。トレンドを追っている若い人は「青って去年のトレンドじゃないですか」って言うかもしれない。でもそういうことではなくて、男にとっての「青」って永遠の色だから、大人のための「青」を真剣に考える、というテーマです。それは青のグラデーションだったり、青やネイビーに白いパンツを合わせるマリンスタイルだったり、あるいはブルー小物とか、ネイビーの靴だとか。アースカラーも流れとしては存在するのでまったくやらないわけではないですが、男にとっての「青」を真剣に考えたほうがいいんじゃないかと思っています。あとは、ハイブランドを取り入れていくことは引き続きやっていきます。

WI 予告と実際の内容は変わることがありますというやつですね(笑)。

鈴木 厳選した商品だけを最高にキレイな写真で載せていくことは変わらずやっていきます。

WI 最近のファッション誌の傾向としては、多様化する読者層に向けて幅広くたくさん見せていくことが多いですが、それとは逆の方向性ですよね。

鈴木 そうですね。男性誌は特に、今みんなカタログ化しています。「スーツ100点お見せします」とか、写真はちょっと小さいけれど、とにかくたくさん載っているよという雑誌が多い。それと比べるとMEN’S Presciousは、本当に少ししか商品が載っていないです。でも、この白シャツ1枚はこんなにカッコいいんだよということを徹底的に伝えるし、その白シャツは絶対に間違いないっていうものを選んでいます。「たくさん見せました! お好きなものをどうぞ」ではないですね。「たくさん載っているけど、結局どれがいいのかわからない」ということでは意味がない。大人から見て明らかにセンスのいいものだけしか載せていないので、それに反応してくれる読者はすごく良質なセンスを持つ人たちです。その商品の良さを実際に納得して、またリピートして買いにくる、良質な消費者でもあるのです。

WI 一過性のものに飛びつくだけなく、商品についてきちんと理解して良さを確かめることができる読者が存在していることが、MEN’S Presciousの強みですね。読者の質の良さを感じるエピソードはありましたか?

鈴木 PreciousとMEN’S Presciousで実施した、とあるブランドのブリッジ企画(編注:2誌以上にまたがって行う企画のこと)ですね。雑誌が発売してから買いにくるお客さんがすごく良質ということで、先方もびっくりなさっていました。発売日から3日後くらいに芸能人のご夫婦もいらして、小一時間くらいで800万円分くらい買っていかれたそうです。

WI その方たちは今までそのブランドの上顧客だったわけじゃないんですよね。

鈴木 そうです。PreciousやMEN’S Presciousを見て買いに来て、実際に商品を見て、その商品の良さに気付いて買っていかれたようです。

WI 昨年の鈴木編集長のインタビューで、PreciousとMEN’S Presciousを読んでいるカップルが多いとおっしゃっていましたが、ブリッジ企画だとそれぞれの雑誌を読んだカップルやご夫婦で、一緒にお買い物に行かれるっていうのもいいんでしょうね。

鈴木 そうですね。2015年はそういう企画をさらに盛り上げていく予定です。
「自分のスタイルを貫く」人を応援しているMEN’S Prescious。誌面づくりにおいても、アイテム数は少なくとも、ひとつひとつの良さをきっちり伝えていく、独自のスタイルを貫こうとしているのがうかがえます。2015年もまた、良質な読者の存在を裏付ける驚きのエピソードが誕生しそうです!(安念美和子)

 

★1回目のインタビューはコチラ→  「メンズの2014年は“○○”一辺倒」MEN’S Prescious編集長インタビュー

★2回目のインタビューはコチラ→ 編集長曰く「MEN’S Prescious世代へのメッセージは”自分の信じる道を行け。そして……”」

★3回目のインタビューはコチラ→ MEN’S Prescious編集長が断言「男の肌の曲がり角は○歳!そこが若さの分かれ道」

 

【編集長インタビューシリーズ】

※CanCam編集長が語るトレンド予想。今年は空前の○○ブームが来る!

※AneCan編集長が気づいた、AneCan世代の価値観の決定的な変化。そして2015年への展望。

※Oggi編集長のビジョンは時代に合った2015年版仕事服の提案。その中身とは……

※人気の切り口は”表”と”裏”。Domani編集長が30代女性へ送る、さらなる企画とは!?

※2015年。Precious編集長が見据える、ラグジュアリー世代のファッション&美容の展望

※2015年、SAKURA編集長が提案するのは「○○だけどおしゃれ」なライフスタイル

※日本文化を伝える雑誌『和樂』編集長が語る「○○こそサイコーのインターテインメント!」

※NO.1美容誌『美的』編集長が流行を予測する”一石二鳥”アイテムの正体

 

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