PMSみんなどうしてる?対処法を産婦人科医・内山心美先生にASK!
生理前の心や体調の不調、つらいけど我慢して過ごしているという人も多いですよね。また、最近 PMSってよく聞くけどどんな症状のこと?と疑問に思っている人もいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで株式会社ツムラが10代から40代女性を対象に行ったPMS(月経前症候群)に関する調査や産婦人科医の内山心美先生のコメントを元に、PMSやPMSの対処法についてチェックしていきましょう。
みんなの生理前の不調、どのような症状?
「思春期以降は性ホルモン(特にアンドロゲン)の増加によりニキビの訴えは多くなります。また不規則な生活、偏った食生活にも陥りやすいことから過食が上位になっている可能性があります。
30代から40代は、10代から20代に比べ子育て中の方も多く、仕事、家事、育児に追われてストレスが増え焦燥感、不機嫌(イライラ)が高まる傾向かと思います。」(「のぞみ女性クリニック」院長 産婦人科医 内山心美さん)
PMSの症状が重くなるのはどんな時?
症状がひどくなるシーンを聞くと、「寝不足の時」や「ストレスやプレッシャーを感じる時」 が多く、次いで台風などによる低気圧、雨、梅雨時期、季節の変わり目など「天候が変化する時」が挙げられました。
「気候の変化でPMSの症状が悪化するのは、体内の水が停滞する「水毒(すいどく)」の状態かも。
女性特有の不調の一つであるPMSは、月経周期と密接に関連することから、性ホルモンの関与があることは異論がないとされていますが、気圧の変化により片頭痛が誘発されたり、雨続きにより水毒の状況となり、PMSの症状が悪化する可能性が考えられます。水毒とは漢方医学的考えで、体内の水分代謝が悪くなり、体のいろいろな部位にとどまったり偏在することで、むくみ、倦怠感、拍動性頭痛、頭重感、立ちくらみ、悪心嘔吐などさまざまな症状を引き起こします。」(「のぞみ女性クリニック」院長 産婦人科医 内山心美さん)
PMSの症状が出たとき、どう対処してる?
PMSのとき、どのように対処するかと聞いてみたところ「早めに就寝する」「家で静かに過ごす」「ひたすら我慢するなど、積極的な治療ではなく、なんとかやり過ごす選択をする女性が多いようで す。
また、PMSの症状があるにもかかわらず、63.9%の女性が「PMSの対処法や治療法を知らない」と答えており、対処法や治療法を知らないことから、 寝る・我慢するなどひたすら耐えているというのが、PMSへの対処の実態となっているようです。
PMSに伴う症状で婦人科を受診したことがある?
PMSに伴う症状での婦人科の受診経験を聞くと、9割が「受診したことはない」と答えました。
受診しない理由を聞くと、約半数が「PMSは病院へ行くほどの症状ではないと思う」3割強が「症状が治まると受 診するほどのことではないと思う」と答え、PMSは病院に行くほどの病気ではないという意識が強いようです。また、「一 時的なことだと思えば我慢できる」と我慢してしまう女性も少なくないようです。
PMSで婦人科を受診した女性の意見は?
婦人科を受診した女性に頻度を聞くと、6割が「定期的に受診」 しています。
婦人科を受診してよ かったと思うことを聞くと、PMSの「症状が楽になった」 「悩みが軽くなった」「我慢する以外の選択肢を持てた」「理解することができ不安感が軽くなった」など、肉体的なツラさの緩和に加え、気持ち的にも前向きに改善されている様子がうかがえます。
また、受診経験がある女性は88.3%が「今後も受診したい」と答え、婦人科を受診することがPMS症状への対策に有用である、と実感していることがうかがえます。
産婦人科医・内山心美先生に聞く!PMS対処法
日本には、「月経に関するトラブルは我慢するもの」と考えてしまう風潮が少なくありません。そのせいか、PMSの症状がある女性の6割が「対処法を知らない」と答え、婦人科を受診する女性は1割以下しかいません。
PMSによるイライラや焦燥感が強くなると、家族や職場の人間関係にも摩擦が生じ、場合によっては、退職や離別につながる恐れもあります。早めに婦人科などのお医者さんを受診することもお勧めします。
プレコンセプションケア(Preconception Care)という言葉があります。プレコンセプションケアとは、将来の妊娠を考えながら、 本人・パートナーが自分たちの生活や健康に向き合うということで、WHOなど世界レベルでその重要性が叫ばれています。
受診するタイミングは、PMSの症状が出ている間に限らずいつでも大丈夫です。月経とそのときの症状を記録した「症状日記」 をつけて持参いただくとよりスムーズです。診察内容は問診が基本で、必要に応じ経腟超音波断層法などの内診をする場合もあるので、月経中は避けたほうが無難かもしれません。内診に抵抗がある場合など、不安があれば医師やスタッフにご相談ください。
問診では、「症状日記」から月経周期との関係性を確認し、疾患への理解を深める「生活指導」や、漢方薬やピルなどを処方する「薬物療法」が行われます。また、自分だけで悩まず、PMSについてパートナーを含めた家族に対し理解を求めサポートしてもらうよう、アドバイスも行いますので、まずは、医師に相談してみるという選択肢をとってみることをお勧めします。
つらいPMS、我慢しないで
PMSの症状が出ても、対処法がわからなかったり病院に行くほどではないと多くの人が我慢しがちということがわかりました。婦人科を受診した多くの人が、身体的な辛さに加え心も前向きになっているようです。仕方がないことと我慢しないで、PMSの症状でつらいときは医師に相談してみてくださいね。
昭和大学産婦人科学教室、各関連病院勤務、北里大学東洋医学研究所漢方研修生、昭和大学江東豊洲病院助教など を経て現職。「予防医学」「未病」の考えのもと、女性に関するさまざまな病気、トラブルを最小限にして笑顔で過ごしていただくこ とを願い、2020年9月に産婦人科、漢方内科の「のぞみ女性クリニック」を開業。
日本産科婦人科学会 専門医 指導医、日 本東洋医学会 漢方専門医、日本女性医学学会 女性ヘルスケア専門医、女性ヘルスケアアドバイザー
のぞみ女性クリニック 東京都墨田区業平1-20-2 Twill Narihira 1F
情報提供元/株式会社ツムラ