最近便秘になってる人、それ「巣ごもり便秘」かも。4つの予防&改善法

気づかぬうちになっているかも!「巣ごもり便秘」にご用心!


感染症の流行の影響からテレワークや臨時休校など、外出を控える生活がはじまって早1か月が経過しました。自宅での仕事や勉強にも慣れてきた一方で、外に出られないことでできることが限られる生活にストレスも生じてきているのではないでしょうか。
 
実は外出ができず家に籠りがちになる現在の状況は、気づかぬうちに便秘になってしまう「巣ごもり便秘」の危険性があるのです! 今回は巣ごもり便秘とは何なのか、またその対策方法を帝京平成大学教授の医学博士・松井輝明先生から教えていただきました。

体調不良

巣ごもり便秘って何?


私たちが一般的に便秘と呼んでいるのは「慢性便秘」で、原因によりいくつかの種類に分かれています。ストレスや生活習慣の乱れがその原因のひとつで、これらにより大腸が痙攣し、便をスムーズに排出できなくなります。腸が痙攣していると、そこで便がつまりやすくなるため慢性的な便秘になってしまうのです。

また、運動不足も便秘の原因となります。じっとして動かない時間が長いと、大腸が動かないため便秘になり、有害菌が作り出す毒素が大腸内に増えてしまいます。つまり、なかなか家から出られない「巣ごもり」状態が続けば、運動不足やストレスにより、いつもより便秘が起こりやすくなってしまうことになるのです!

「毎日お通じはあるし、自分は便秘でないはず」と思っている人もいるかもしれませんが、そうとも言い切れません。「慢性便秘症診療ガイドライン」によると、便秘とは「本来体外に排出すべき糞便を十分量かつ快適に排出できない状態」。つまり、たとえ1日に34回排便があったとしても、残便感があればそれは便秘とみなされるということなので、外出を控えて巣ごもりをしている間に、自分では気付かぬうちに「巣ごもり便秘になっている可能性もあるのです!

便秘による弊害って?


便を留めておくと「腸内細菌」の中の悪玉菌が作り出す毒素が、腸管に悪影響を及ぼしてしまうのです。溜まった便が腸壁に押しつけられる状態が続けば、腸壁は長く毒素にさらされるので大腸がんを発症するリスクも考えられます。

便秘は体内に毒素が溜まっている証拠で「大腸劣化」のわかりやすいサインでもあるため、全身のトラブルにつながる前に対処することが大切なのです。便秘を放置したままにしていると、肌あれや集中力、免疫力の低下など、全身に様々な悪影響が出るようになり、やがて深刻な病気を引き起こす危険性があるのです。

●巣ごもり便秘を対策する4つの方法

①腸内環境の改善

腸内環境は2週間で変化を感じることができるので、いつからでも改善できます! ヨーグルトや漬物、納豆などの発酵食品を上手に取り入れましょう。食事として摂った善玉菌は、そのほとんどが定着せず便と一緒に体外へ排泄されてしまうため、継続的に摂り続けることがポイントです。また、大腸にすむビフィズス菌などの善玉菌がエサとして好む水溶性食物繊維・オリゴ糖・ラクチュロースなどを積極的に摂るとより効果的です。腸内フローラは一人ひとり異なるので、同じ菌種を2週間ずつ続けて摂取し、便通や便の色・ニオイなどの変化を観察しながら、まずは自分に合ったものを選ぶと良いそうです♪

 

②適度な運動の習慣化

外出自粛で外に出て運動することができなくても、家でできる運動を習慣化して行うと効果的です。排便時に「いきむ」ために必要な腹筋や、スクワット、お腹を刺激する「の」の字マッサージや腹式呼吸、からだをねじる運動など、適度な運動を継続して取り組みましょう!

 

③生活リズムの改善

自宅で過ごす日々で、生活リズムが乱れている方は多いと思います。便秘解消のためにはそういった生活を脱し、規則正しい生活に慣れる必要があります。まず、できるだけ規則的な生活サイクルをたもつために、同じ時間に起床するよう心がけてください。朝起きたらコップ一杯くらいの水分と朝食を必ず摂りましょう。朝食を食べることは眠っている大腸を起こして動かす意味で重要で、快適な便通をもたらす一番のポイントとも言えます。朝食後には必ずトイレに行き、排便するトイレタイムの習慣をつけましょう。

 

④ストレスを溜めない

巣ごもり状態が続き、ストレスを感じているときや不規則な生活で睡眠不足になってしまった時は交感神経が優位になりやすく、腸の動きが悪くなります。腸と脳とは連動しているので、好きな音楽を聴く、テレビ番組を見て笑うなど、自分なりのストレス解消法を見つけ、毎日少しでも気分よく過ごせる時間を持つようにすることが大切です♪

音楽を聴く

 

ずっと便秘に悩まされている方も、最近の巣ごもり生活で便秘に悩まされ始めた方も、少し頑張って生活習慣を改善すると悩みが解決するかもしれません。また、気づかぬうちに便秘になっている可能性もあるので、ずっと自宅にいてつらい時期かもしれませんが、規則正しい生活を心がけることで損することはないと思い、日々の生活を見つめなおしてみてはいかがでしょうか。(谷夏帆)

画像/(c)Shutterstock.com

 

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