突然ですが「仏像を見る」ことに、どんな印象を持っていますか?
京都やら奈良やらに旅行に行ったとき、「なんとなく知ってるお寺行っとく?」という話になり、なんとなく眺めに行ったものの、周囲にはガチで仏像が好きそうな方がたくさんいて、自分は何も知らないどうしよう……と気後れしたままに、なんとなく眺めて、教科書で見たことあるなぁ、と思いながら通り過ぎる。
いやいや、仏像ってもっと面白く楽しめるんです。
20年ほど前、仏像を見ることを「見仏(けんぶつ)」と名付け、あらゆる世代に新たな視点で仏像を鑑賞する楽しみを教えてくれたのが、作家・クリエイターのいとうせいこうさんと、イラストレーターのみうらじゅんさんです。
『和樂』11月号の、いとうせいこうさんとみうらじゅんさんが語る「見仏」の魅力についての記事を読んでいたところ、「これはひょっとしてアイドルのライブと似ているのでは?」という仮説が生まれてきました。というわけで、『和樂』の記事内の名言をご紹介しつつ、アイドルのライブとの類似点を勝手に考えていきたいと思います。
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【1】「見仏って、ライブ」byみうらじゅん氏
みうら「見仏って、ライブみたいなもの」
いとう「仏像って、いつも同じように思えても、見る時間や天気によっても違うし、だれと一緒に見るかでも受け取り方は違う。まさにライブなんですよね」
はい、まずおふたりのこの発言の時点で「アイドルのライブ」との類似性がうかがえませんか?
同じ人が同じセットリストでパフォーマンスをしても、見え方は毎回違うもの。「同じライブを何回も観に行って何が楽しいの?」ということはファン以外の人にはよく言われることですが、同じことなのですよね。それこそ、同じ設備のはずのディズニーランドに何回行っても、その日の気分によって、毎回違いませんか?
アイドルのライブに行くことも、ディズニーランドに行くことも。「何回そこに行っても楽しい!」と思えるのは、きっとそこに「毎回違う、今、ここならではの一回性」を感じられるかどうか。仏像にもそれを感じることはできるのです。