山下美月「昔よりは失敗を恐れないように」もうダメだと思った時にリセットする方法とは?

美月の“if もしも”をのぞいてみたら…

泥臭く頑張る人を「すごい!」と
素直に認められるような世界に
なってきたことがうれしいです


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再出発はしんどい、というイメージがあるかもしれませんが、私はよくやっている方法です。「もうダメだ」と感じたときに、旅行に行って自分をリセットする。一度頭を空っぽにして日本に帰ってきてから「さあ、もう一回始めよう」みたいな改め方をよくします。仕事に取り組む楽しさとか、なぜ自分がこの道を進んでいるのかを再確認して、一回高くなってしまったハードルを下げる作業をするんです。もちろん、また失敗する不安もある。「若いうちの苦労は買ってでもしろ」という感覚とは違うのですが、失敗を経験してきたからこそ他人に優しくなれたり、新しいことに取り組める環境に感謝を忘れないでいられるという側面もあるなと思っていて。だから、昔よりは失敗を恐れないようになりました。

少し前までは「二兎を追うものは一兎をも得ず」のような、色んなことを同時にチャレンジする人がなぜか冷笑されてきたように思います。「●●のくせに」と、違う畑から来た人を排除するようなことはどこでも起こりうるけれど、でも今は、様々な生き方をする人が増えてきたし、それを応援してくれる人も増えてきた。色んな気持ちを抱えながら泥臭く死ぬ気で頑張ってる人が「やっぱり、すごい!」と素直に認められる世界になってきたことが、とてもうれしいです。頑張る人を笑わないという、本来当たり前のことに多くの人が気づき始めているのかな、と感じています。

一方で、今って「自分らしさ」を求められすぎて、絶対に個性を見つけなきゃと心が囚われてしまう生きづらさもあるはず。「自分らしさが見つからない」と感じている多くの人は、協調性があったり、自分よりも誰かの意見を尊重して生きてきた優しい人たち。そもそも、自分らしさがない人なんていないのだから、無理に言語化したり、見つける必要もないのかもしれません。自分らしさを探すことに苦しむよりも、純粋に、自分が楽しく納得する人生を生きられればそれで素敵だと思っています。

私は、周りが思う私じゃなくて、自分が思う自分の夢をちゃんと叶えていきたい。だからブラッシュアップは、ずっと重ねていくつもりです。孤独を感じるときもあるけれど、耐える。自分がいつでも成果を残せるコンディションをキープして頑張り続けて、その先に「新たな人生がまた始まった!」って思うことができたらいいな。もちろん仕事だけじゃなくて、人生の豊かさが増す方法は人それぞれ。自分の人生は自分しか生きられないし、時間は有限なので、自分に向いてないことに対して命を削る必要はそこまでないはず。でも、これを乗り越えたらもっと強い自分と出会えそうという光が見えるなら、ちょっとだけ耐えてレベルアップできたらいいのかな。自分が本当に住みやすいところを見つける作業に、たくさんの時間をかけられたらいいなと思っています。

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「もうダメだ」と感じたら、旅行に行って自分をリセットして再出発しているという美月。“自分らしさ”という言葉に囚われすぎず、住みやすいところを私たちも見つけていきたいですね。

CanCam2026年5月号「言いたいコトはやまやまですが。」より
撮影/髙木健史 スタイリスト/川瀬英里奈 ヘア&メイク/廣瀬浩介(UM) モデル/山下美月(本誌専属) 撮影協力/浜崎真衣 構成/西村真樹 WEB構成/久保 葵