「ちょっとそれは時代はずれじゃない…?」
思わずそう思ってしまった習慣や考え方に直面したことはありませんか?
そこで今回は、株式会社ライズ・スクウェアが男女500人を対象に行った調査をもとに、「職場で古いと感じる価値観」について見ていきます!
職場で「その価値観古くない…?」と感じたことはありますか?
「よくある(40.6%)」「たまにある(52.6%)」が合わせて93.2%にのぼりました。
ちなみに「全くない(2.4%)」はかなり少なく、職場で価値観の古さを感じることは多くの人にとって「あるある」だと判明。
職場で古いと感じる価値観第一位はコレ。
「職場でどのような価値観を古いと感じるか」を聞いたところ、1位は「長時間労働が評価される(11.2%)」でした。次いで2位「紙資料を重視する(9.2%)」、3位「男女で仕事の内容が違う(8.6%)」がランクイン。
効率軽視やプライベート軽視の価値観について、古いと感じている人が多数。また、紙資料重視や対面主義など、テクノロジーの活用が進まない点にも不満を感じている人が多そうです。
それではそれぞれの項目について皆さんの声と共に見ていきましょう!
<1位 長時間労働が評価される>
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「残業している人ほど頑張っている」という雰囲気があり、定時で帰ることに少し気まずさを感じることです(30代 男性)
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仕事の効率が悪いだけなのに、残業をしている人が頑張っていると思われる(40代 女性)
現代では成果や効率を重視する人も多く、同じ仕事量をより短時間で完了できる人が評価されるべきという価値観が一般的になりつつあります。そのため、労働時間の長さで評価されると古いと感じる人も。
工夫や努力の結果、効率良く仕事を終えられるようになったのに、「工夫せず効率が悪いために残業している人」よりも評価が低くなってしまうので、納得がいかない事は当然です。
<2位 紙資料を重視する>
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重要な通達は必ず紙面で配布されていること(30代 男性)
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「コピーをして保管」「スキャンしたのに紙を保管」など、保管用に紙資料を作成。パソコンで共有できるのに、メモをよこせという上司がいる(50代以上 女性)
災害やシステム障害の発生時など、「資料を紙で残しておいて良かった」と感じる場面も一定以上あります。
ただ最近では「デジタル化やクラウド共有できる資料は、極力紙資料を使わない」という考えが一般的。紙資料がメインだと、「情報の検索・共有のスピードが落ちる」「手書きでミスが発生する」「保管に場所を取る」などの無駄が発生することもあり、その不便さが不満を引き起こしていることもありそうです。
<3位 男女で仕事の内容が違う>
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来客へのお茶出しは女性の仕事。飲み会で偉い人の隣に若い女性社員を座らせる(20代 女性)
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女性だけ掃除があって、男性は掃除なし(40代 女性)
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女性蔑視。女性が何年経っても役職につかない(50代以上 男性)
現代の価値観では、性別に関係なく能力や適性で仕事を任せることが当然とされています。
しかし古い価値観が残る職場では、女性が「お茶出し」「掃除」など本質的でない雑用を押し付けられたり、管理職への昇進が阻まれたりすることも。女性が昇進しにくいという環境も含め、女性のモチベーションを下げてしまう環境であることが伺えますね。
<4位 対面での仕事が基本>
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リモートワークをしていると、仕事をしていないと思われること(30代 男性)
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テレワークが普及しても、重要な打ち合わせは面直でやりたがる人がいること。ソフトウェア担当部署なら、テレワーク+カメラONで十分(40代 女性)
リモートワークが浸透しているものの、対面での仕事を基本としている会社も多いとわかりました。
職種によっては対面での業務が大切になることもありますが、一律にリモートワークを禁止されると、社員に移動の負担がかかり、モチベーション低下につながることも。
また制度としてリモートワークはできるものの、「リモートワークしているとサボっていると思われる」という不満を抱える声も聞こえてきました。リモートワーク実施者への風当たりが強いと、制度を利用しずらく結果出社せざるを得ませんよね…。
<5位 業務時間外で交流をはかる>
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飲み会をすればコミュニケーションを取りやすくなり、仕事がスムーズに進むと考えているところ(40代 女性)
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昭和世代の上司や社員が飲み会を呼び掛けること。20代・30代の社員はプライベートまで職場の人間と関わりたくないというスタンスが当たり前なのに、半強制的に出席させ、指導やダメ出しをする。昔は職場でのコミュニケーションのひとつであり、若手が仕事を覚えるための前向きな機会ではありましたが、今は「老害」でしかない(50代以上 女性)
「ワークライフバランス」という言葉が浸透し、仕事とプライベートの切り替えを大切にしている人も多くなっています。プライベート重視派は、勤務時間外で給料の発生しない食事会やイベントを回避したいと考えることが多く、強制参加だと「古い」と感じやすくなります。
「仕事第一」「上司・同僚との人間関係が第一」という考え方は万人に通用せず、プライベート重視への配慮が求められているのかもしれません。
<6位 始業時間より早く出勤する>
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「新人は早く出社して下準備とか情報収集をすべきじゃない?」という発言(20代 女性)
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時間外に来て、仕事の準備をすること(40代 男性)
職場によっては、「新人は朝早く来て勉強をする」「始業時間前に掃除や準備をする」といった行動が美徳とされます。
朝早く出社するのは、確かにやる気を感じることもできる行動。しかし、実際に仕事の成果につながっているのかが考慮されず、ただ「早く来る人=やる気があって偉い」という評価になるのは確かに納得できません。
評価基準が「姿勢」や「上司から見て、やる気を感じるか」になっていることで、実際の成果が無視されやすく、不公平感や不満につながりやすいのですね。
<7位 仕事は見て覚える>
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「先輩の仕事姿を見て、どう動くべきか見て学べ」と言われたとき、価値観が古いなぁと感じた(30代 女性)
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職人系の仕事なのでやっぱり「仕事は見て覚えろ」「良いところを見て盗め」といつも言われました。でも昔に比べたら、最近は「見て覚えろ」とはあまり言わなくなってきてると思います。今後はそれでいいと思いますし、私も後輩には一切言いません(50代以上 男性)
OJT(On-the-Job Training)の一環として、自発的に見て学ぶ姿勢も大切ではあります。しかし「見て盗め」という一辺倒の指導・教育は非効率で古いと感じている人も。
現代ではマニュアル化や計画的な教育研修システムが重視される傾向にあるので、体系的なシステムがないと「人材育成に消極的な会社なのかな?」と思われてしまう事もありそうです。
職場で古い考えに直面したらどうする?
1位は「指摘する(21.2%)」、僅差の2位は「さらっと流す(20.4%)」でした。そして3位「転職を考える(19.2%)」、4位「受け入れる(18.2%)」、5位「何もしない(13.4%)」が続きます。
「指摘する」が1位ではあるものの、全体的には「さらっと流す」「受け入れる」「何もしない」など、是正に向けた働きかけをしない人が多くなりました。またこの中からは「自分ひとりで働きかけをしても…」という無力感にさいなまれている声も聞こえてきました。
職場をアップデートするために必要なことは?
最も多かった回答は「風通しのいい雰囲気をつくる(28.0%)」でした。その他、2位「質の高い研修を実施する(20.0%)」、3位「人を入れ替える(17.4%)」と答えた人も多くなっています。
「風通しのいい雰囲気」「上層部の意識改革」はソフト面の最たるものです。一方で「質の高い研修」「外部評価」が会社のシステムとして取り組むべきものと考えられています。
具体的にはどんなものを期待しているのか、こちらも詳しくチェックしてみましょう↓
<1位 風通しのいい雰囲気をつくる>
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「価値観が古い、おかしい」と認識させるために、役職が上の人に対しても、物怖じせずに意見を言えるような職場環境が必要(20代 女性)
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職場の価値観がアップデートされるためには、まず多様な意見を尊重し合える環境づくりが必要だと思います(30代 男性)
価値観が古いと感じていても、部下から上司に意見を言いづらい職場環境では、声をあげられません。価値観の問題を感じやすい若手が指摘できないことで、変化が見られない事は大きな問題かもしれません。
そのため自由または気軽に意見できる雰囲気を求める人が多数! 雰囲気を変えるのはなかなか難しいため、「面談の機会を増やす」「匿名で会議する」など、風通しのいい雰囲気をつくれるような制度の導入を提案してくれた人もいました。
<2位 質の高い研修を実施する>
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研修を行っているものの社内講師がほとんどで、外部講師を呼んでも社長や上層部と関係がある人ばかり。違う視点をもっている人の研修を取り入れたほうが良いと思う(20代 女性)
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研修などはやはり必要だと思います。今と昔じゃ指導の仕方も全然違うので、考え方をアップデートしていかないと、若い人はついてこないと思います(50代以上 男性)
内部での研修は価値観の多様性に限界を感じる人も多いからか、とくに外部講師を招いての研修や、会社外で受ける研修の重要性を唱える声も多数集まりました。
とくに上層部と考え方が近い講師による研修では、価値観の変化をもたらす効果は薄いと考えられます。そのため忖度なく固定観念を揺さぶり、社内に新たな気づきをもたらす研修を求める人が多くなっているのかもしれません。
<3位 人を入れ替える>
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どうしても田舎で価値観の古い人が多いため、世代交代を気長に待つしかないのかなと思ってしまう(20代 女性)
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私みたいな古い人間が退職していなくなり、代わりに若い人が入ってくるとアップデートされると思います(50代以上 男性)
研修を受けたり他人の意見を聞いたりしても、長年染みついた価値観を変えるのはなかなか難しいもの。人によっては「時代遅れだとしても、いい部分もあるから、自分の価値観を変える必要はない」と考えたり、意固地になったりすることもあるでしょう。
そのため古い価値観の人に発想の転換を促すのではなく、若手や外部からの人材を登用することによって、人ごと価値観を入れ替えてしまおうという意見も集まりました。
<4位 上層部が意識を変える>
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社長や役員が、今の時代に合うような価値観をもつこと(30代 女性)
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下からの意見も必要ですが、やはり上層部に危機感がないと、変化は困難(50代以上 男性)
組織の方針や文化は、経営層や各部門長など、トップの考え方に強く影響されるもの。そのためいくら若手レベルや現場レベルで変えたいと思っても、上層部の価値観が変わらなくては、根本的な変化は起こりにくくなります。
スピーディーな変化のために、トップの意識改革を求めている人も多くなりました。
<5位 外部評価を受ける>
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問題を指摘できる外部組織を入れる(30代 女性)
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外圧。私の働く会社では内部指摘しても変わらないが、同じ指摘を外部がするとすぐ変えるため。内部で変革を起こそうとする気持ちがない(40代 男性)
中立性や専門性をもつ外部からの評価は、説得力があります。また第三者視点での診断やアドバイスにより、問題・課題が客観的に明示される効果も期待できますね◎
身内からの不満には鈍感な上層部も、権威のある外部有識者やコンサルタントなどから問題を指摘されると、「自分の会社は古いのかな」と気づきやすくなる効果があるとわかりました。
今回は、職場で古いと感じる価値観について見ていきました。古い価値観がアップデートされないままだと「働きづらさ」に繋がることも多々あります。今一度、自分の環境や価値観について考えてみると、さらに理想の働き方にであえるかもしれませんね◎ (おだかれん)
情報提供元/株式会社ライズ・スクウェア