社会人ともなれば、自分の親世代と同じもしくは、それよりも上の世代の方と協力して仕事をすることや、指導してもらう場面も多いですよね。しかし、それだけ年齢が異なれば互いに大切にしている価値観が異なり、モヤモヤする場面もありますよね。でも、面と向かって伝えるのも勇気がいる…。
今回は、前回に引き続き、株式会社SHIBUYA109エンタテイメントが20代の会社員457名と40代以上の会社員480名を対象した調査をもとに、若手世代と上司世代の価値観の違いを徹底深掘り!
前回の記事はこちら↓
この記事を見れば、なぜ上司世代とのコミュニケーションに納得できないポイントがあるのか? 自分の思いをどう伝えたら円満に働けるのかが見えてくるかも♡
若手世代の働く上での価値観
若手世代においてカギになるのは、どうやら「みんなで一緒に同じくらい」「周りに迷惑かけたくない」ことであるようです。
働く価値観についての設問では、多い順から1位が「集団の一人として見られたく、目立ったり一人で注目されることは避けたい」で28.4%、2位が「出世よりもライフスタイル優先で成長にも興味がない」で26.9%、3位が「必要最低限のコミュニケーションしか取りたくない」24.1%という結果に。
もう少し詳しく聞いてみると、
「昇進すると仕事もプライベートも関係なくずっと働くことになるんじゃないかと不安」「成長して手に入れたいものはプライベートの充実」
などの声があり、仕事よりもプライベートを優先したライフスタイルの実現を重視する考えの強さがうかがえました。
また、上司世代とのギャップを分析したところ「失敗は、誰かに迷惑をかける可能性があるため極力避けるべきだと思う」「同僚や先輩に対して競争心を持ったことはない」「(批判を繰り返してでも切磋琢磨しながらというよりは)同僚とはぶつかり合うことなく折り合いをつけながら仕事がしたい」「(自分ならではの武器を持つというよりは)周りの人たちができることを身に着けたい」「親近感のある先輩でありたい」といった項目について、若手世代の特徴が出ています。ここから、仕事における成長に対する意識においても上司世代とのギャップがあることが明らかになりました。
そして、こうした若手世代の働きぶりについて、上司世代は次のような印象を持っているようです。↓
上司側からすれば、若手世代の「集団での調和を重視」「ミスを恐れる傾向」「マニュアル外の動きが苦手」といった点に関しては少々気になる様子。
総合的にみると、仕事の優先度ややる気に関してはまばらでありながらも、「集団の一部であること」に重きを置きがち。また、受け身でいてもSNSで情報が入ってくる環境の影響なのか、事前準備は徹底しながらも上司からのアクション待ちやマニュアルを求める傾向が強めであることがわかりました。
上司世代の働く上での価値観
上司世代では、時代の流れの変化を認識しつつ、若手世代の意思を尊重する姿勢が見られます。
個人のワークライフバランスを重視する声も64.4%と高いうえに57.1%が「親近感のある先輩像」を目指しています。
また、若手世代に対して意見を述べる際にも「自由だとは思うんですが」「時代が違うとは思うんですが」など、時代の変化を考慮する枕詞を伴った発言が多くありました。
厳格な仕事第一主義、年功序列という考えは、上司世代においても少なくなってきているんですね。
ビジネスマナーに関するインタビュー調査では、「上司や先輩が残っていても、定時になったら退社する」「出社について、上司よりも早く出社しなくとも、始業時間に間に合えば良い」「エレベーターのボタン押しは新人ではなく近くにいる人がする」「職場の先輩・同僚や仕事関係の人への年賀状・暑中お見舞いの送付は任意だ」「会社の飲み会は自由参加だ」という質問について、むしろ若手世代よりもより一層賛同する意見が見られました。
さらに、「今はマナーを学ぶ機会にお金も時間もかけらない時代になってきているし、怒られる機会も少ない。だから、知っている世代の私たちがエレベーターのボタンを押しています。それでいいじゃない、そういう時代だと思っています。」「相手が不快になったり、自分が損しないような、最低限のマナーができていればいいと思います。」という、時代の風潮に関する声も。
若手からすれば、「上司世代は厳格なマナーやルールを意識する」という認識が強いですよね。学生の時には考えてもいなかったルールに戸惑うことも多いのが、正直なところ。こうした寛容な意見を聞くと、「完璧じゃなくても良いんだ!」と安心できますね。
そんな上司世代の気遣いが若手世代にも伝わっているのか、上司世代には優しい人が多い! と答える若手も多いよう。でも、争いごとや、目立つことを避け、周囲と歩調を合わせて…をすごく大切にする世代からすると、言い方がキツく感じてしまったり、質問をしなきゃいけないことがプレッシャーに感じたり、という水面下の衝突もまだまだあるようです。
今年度も始まってはや2ヶ月。新入社員の方は大学とは一変して歳の離れた先輩方と関わることになって、慣れない価値観に混乱してしまうことも多いはず。また、今年から部署が変わったり、後輩が増えたりと様々な変化の中で戸惑いもありますよね。
でも、今回の調査結果から、上司世代の方との間に同僚とのコミュニケーションや失敗、自主性を巡り価値観においては相違が見られたものの、ワークライフバランスを中心とした時代の変化には柔軟に対応していこうとする姿勢が見られました。この結果を糸口に、自分にとっても上司世代にとっても良いコミュニケーションがとれるといいですね。(Ami)