周りに「暗黙のルール」ってある?
「暗黙のルール」って、あらゆるところにありますよね。
初めてルールを知ったとき、「何それ…?」と戸惑った経験があるという人は多いはず。働き方に対する価値観がどんどん変化している令和の今、職場の「暗黙ルール」はどのように思われているんでしょうか?
ここでは、パーソルキャリア株式会社が運営する調査機関『Job総研』が、「はたらく現場での疑問」を収集する『Job weeQ』を通じて、全国の20〜50代の社会人を対象に実施した、「職場の暗黙ルール」に関する調査と、Q&Aを募集した調査をご紹介していきます。
Q. 職場で納得いかない暗黙ルールはありますか?
まずは、「職場で納得いかない暗黙ルールはありますか」という質問の結果をチェックしていきます。約9割もの人が「ある」と回答していることがわかります。ほとんどの人が「暗黙ルール」に悩まされているようですが、具体的にはいったいどんな「暗黙ルール」があるのでしょうか?
Q. 職場で納得いかない暗黙ルールは?
続いて、「納得いかない職場の暗黙ルールの内容」についての質問の結果がこちらです。上位3つには、「上司の言うことが正しい」(40.2%)、「新人が〇〇をして当たり前」(29.5%)、「休日でも連絡を返す」(28.7%)がランクインしています。特に「上司の言うことが正しい」は、ダントツで多くの票を集めていることがわかりますよね。上司との関わり方に頭を悩ませている人が多いようです。
納得いかない「職場の暗黙ルール」で最も共感を集めたのは…
1位の「上司の考えに意見が言えない雰囲気があること」は40.2%と、2位の「新人は定時より早めに出勤すること」(20.5%)に大差をつけ、圧倒的に多くの回答を集めていることがわかります。
それでは、1位と2位の疑問について詳しく見ていきましょう。
1位「上司の考えに意見が言えない雰囲気があること」
最も注目を集めたQ&Aとなったのは、「上司の考えに意見が言えない雰囲気があること」で、合計155件もの回答が集まりました。その回答は、大まかに「上司に従う」「上司の考えの背景を知る」「上司を尊重し誠実に意見を伝える」「周囲の意見を知る」の4つのタイプに分かれていたそうです。
上司に意見を言えない雰囲気については賛否があるものの、「会社の意思決定に基づいた指示なのかもしれない」という考えや、「上司・部下の関係性を崩してしまうかも」というデメリットから、「上司に従う」という声が顕著に見られたとのことでした。この暗黙ルールを覆すのはなかなか難しいと考えている人は多い様子。上司も部下も、お互いに歩み寄って、うまくコミュニケーションをとっていきたいところですね。
☆「上司の考えに意見が言えない雰囲気があること」に対する回答コメント
〈上司に従う派〉
・直属の上司は、上位上司からそのように対応するよう言われているのですから、直属の上司は板挟みで辛いと思います。むしろ寄り添うような態度の方がその上司に嫌われないため、ゆくゆく自分にとって良い方向に進むと思います。
・上司の判断に従います。失敗しても責任は当該上司がとることになるでしょうし、部下である自分には判断の権限がないからです。
・基本的には会社の方針なので従えば良いです。あなたが気付いてないメリットが上司には見えているのだと思います。どうしても納得したいなら上司やそこに近い方に、方針発表など他社員が大勢いるオフィシャルな場で確認したら良いと思います。
・上司が社内で幅を効かせているのであれば、大人しくしておくことが手の一つかもしれません。その上司も更に上から提案されている可能性があります。自分の考えが間違っている可能性もあるので、自分に足りない考えは何処かを確認することもありだと思います。
〈上司の考えの背景を知る派〉
・上司の考えの背景を把握する。その結果自分が知らなかった前提を知ることができるため、それを踏まえた上で自分の疑問が解消されない場合はそれを提案する。
・話を聞いてくれない上司はどうかと思いますが、まずは上司の意見やそう考える理由を聞いて、感情は抜きにして俯瞰で考えることが大切なのかなと思います。
・自分の考えが正しいかどうかは横に置いて、上司の描くビジョンを聞いてみるのはどうでしょうか。上位の考えが正確に伝えられていないのかも知れず、許されるのなら直属の上司ではなく、別部署や更に上位の方と会社のビジョンについて話してみると理解が深まると思います。
〈上司を尊重し誠実に意見を伝える派〉
・上司の考えには従いつつ、具体的なデータをもとに「こういう懸念があります」と話してみるといいと思います。意見を言うこと自体は大事ですが、あくまで提案の形で、上司の意向を尊重する姿勢を忘れず、信頼関係を築きながら、少しずつ自分の考えも伝えていければいいかなと思います
・疑問や自分の気持ち考えを伝えたい、貫きたいと思う意思があれば、上司が提示した利益と自分で計算した利益見込みをもって丁寧な説明を心掛けかけあう。否定的な姿勢ではなく誠実に。
〈周囲の意見を知る派〉
・1人で上司に対抗するのはストレスフルだろうから、周りに相談することが重要だと思う。とりわけ他部署の上司への相談は有効だと思う。上司同士のやり取りで事態が打開できる可能性があるかもしれない。
・疑問を抱く同僚が他にいらっしゃるなら、同じ気持ちの方で意見をディスカッションし、上司に聞いてもらうとよいと思います。ワンマンな昭和のやり方では、下の者はついていけず育っていきません。ただ、世界は日々変化しているのは事実ですし、上司にも経験や知識から考えや目標があるのでしょう。
2位「新人は定時より早めに出勤すること」
続いて2位は「新人は定時より早めに出勤すること」。こちらも、合計150件と、多くの回答を集めました。この疑問に寄せられた回答は、大きく「暗黙ルールに従う派」と「ギリギリで問題ない派」の2つに分かれていたそうです。
「暗黙ルールに従う派」では、周囲からの印象を守るために従っているという意見が特に多かったとのこと。一方で、「ギリギリで問題ない派」は、周りに迷惑をかけなければOKだけど、社会人としては早めの行動を心がけるのが得策だと考えている人が多いようです。
☆「新人は定時より早めに出勤すること」に対する回答コメントがこちら
〈暗黙ルールに従う派〉
・ルール的にはギリギリでもいいと思いますが、よほどバリューを出していない限りは不要なところで反感買うのももったいないと思って新人の頃は少し早く行ってました。
・新人はやはり目立ちやすいので、今日は早い、遅いみたいなのがあると、今日は寝坊したのかなとか余計な心配かけるような行動はマイナスになるかもしれません。
・新人は良くも悪くもよく見られる。仕事ぶりが分からない時点で時間にルーズだとその程度のレベルと烙印を押される可能性がある。早めに出社して周りの人物を知ったり、偉い人に挨拶できたらラッキーと思うくらいの感覚で早く行くべき。
・自身の考えを貫くメリットと、職場の暗黙ルールに従うメリットを天秤にかけますね。自身を貫いて得をする場面はあまり無いと思うので、世渡り的に暗黙ルールに従っておきます。
・新入社員は、一人前の仕事を覚えてから会社に貢献するまでに時間が掛かると思います。厳しく見られるのは仕方無いと思います。ギリギリより少し早く出社して、しかも評価される様になれば周りの見方は変わって来ますよ。
〈ギリギリで問題ない派〉
・出社時間に業務が始められるようにすれば良いのでは?それが認められない会社でわざわざはたらく必要がないかと思います。
・新人ベテラン関係なくギリギリで周りに迷惑をかけていない、自分の稼動がスムーズにいくのであれば良いと思う。
・ギリギリでも問題ないと思います。ただ、遅延証明書が出ないくらいの数分遅れで遅刻してしまうと電車遅延などの理由が使えないので、それくらいの余裕は持って出社した方が安全かなと思います。
・転職前、新人のうちは始業前の30分前に出社するのが暗黙ルールでした。 自分は上司の機嫌が悪くなるので30分前に出社していましたが、気にしないのであればギリギリでも問題ないかと思います。
・ギリギリでも問題ないと思います。メンタル強く持ってそういうキャラづけしてしまえば意外と不評を買わないんじゃないでしょうか。
共感できる「暗黙ルール」は登場していましたか? 近頃、働き方はどんどん変わってきているので、もしかしたら、今は当たり前のようになっている暗黙ルールでも、徐々に変化してくるかもしれませんね。
情報提供元/Job総研(パーソナルキャリア株式会社) 写真/(c)Shutterstock.com
あわせて読みたい