留意と注意の違いって何?例文で正しく理解しよう!
「留意してください」や「注意してください」は、ビジネスの現場でもよく聞く表現ですよね。では、この2つにはどのような差があるのでしょうか。留意と注意の意味や使い方の違いを解説します。また留意と注意の類義語である用心の意味もご紹介しますよ。
留意と注意の違いとは?
どちらも「気をつけてください」という意味で使う留意と注意、どのような違いがあるのでしょうか。それぞれの意味を辞書で調べてみました。
留意とは?
りゅう‐い【留意】
ある物事に心をとどめて、気をつけること。
注意とは?
ちゅう‐い【注意】
1 気をつけること。気をくばること。
2 悪いことが起こらないように警戒すること。用心すること。
3 気をつけるように傍らから言うこと。忠告。
4 ある一つの対象を選択し、認知・明瞭化しようと意識を集中する心的活動。同時に、その他のものは抑制・排斥される。
留意とは心の中にとどめておくことであり、注意とはある物事・事象に対して関心を寄せて用心をすることを言います。
留意は用心する対象が抽象的でありかつ継続的なことに用いられることが多いのも違いのひとつ。対して、注意の方は具体的かつ比較的短い時間に発生しそうなことに用いられます。
例文でわかる!留意と注意の違い
辞書的な意味ではまだよくわからないという人もいるかもしれません。例文を見てみるとより違いがはっきりしそうです。
留意の例文
「健康に留意する」「今後このようなことがないよう留意いたします」
まずは留意の例文です。
どちらもあまり切迫感はありませんよね。今実際に何らかの病気にかかっている人は「健康に留意する」とは言いません。むしろ健康でいられるようにすることを心にとどめておき、日々気をつけようというような意味でしょう。
注意の例文
「よく注意して観察する」「交通事故に注意する」「日々健康に注意する」
続いて注意の例文です。
こちらは目の前で起こっていること、起こりそうなことに対しての行動をいっているとわかります。また「健康に注意する」といった場合、留意よりも危険度が高いと判断できます。暴飲暴食を続けていてこのままだと何かしら体に病気などが現れそうだというときには注意を使います。
留意や注意の類義語は?
留意や注意の類義語にはどのような言葉があるのでしょうか。
よう‐じん【用心/要心】
1 心をくばること。気をつけること。「風邪をひかないように―する」
2 万一に備えて注意・警戒を怠らないこと。「火の―」「―の悪い家」
用心は留意や注意よりも危険度の高いことに対して使われることがあります。たとえば(2)のような火の用心など。また、万一何かが起こったらどうするかを考え、警戒をしっかりすることという意味もあります。
【まとめ】
留意と注意の意味の違いについて解説しました。どれも同じような意味に思えますが、はっきりとした違いがあります。相手に覚えておいて欲しいこと・心にとどめておいて欲しいことには「留意」を使い、心にとどめるだけでなく、実際に気をつけて欲しいことには「注意」を使うと覚えておきましょう。