自分も相手も大切にする|「アサーティブコミュニケーション」で、恋人との関係をもっと幸せに♡
違う人間同士、良好な関係を保ちたいと思っていてもすれ違ってしまうことってありますよね。もちろん友人や同僚とも起こり得ることだけど、より親密な関係を築く恋人同士なら猶更。「直してほしいところを指摘したらキレて話を聞いてくれない」「ささいなことで喧嘩をしてしまった」などなど、コミュニケーションに関するトラブルにお悩みの方は少なくないはず。
そこで今回は、家族やパートナーシップの課題を解決するプロ・あつたゆかさんに聞いた、「カップルのコミュニケーションを円滑にする方法」をご紹介します♡
あつたゆか さん
株式会社すきだよ代表取締役。「誰もが大切な人とずっと幸せでいられる社会をつくる」をビジョンに、家族・パートナーシップに関する社会課題を解決し、ふたりらしい生き方を支援する。8万人以上の夫婦・カップが利用する対話ツール「ふたり会議」や、結婚とキャリアのプロが人生設計から結婚後までサポートする婚活サービス「LASIKU」を運営中。企業・自治体向けに、共働きでのキャリア形成・夫婦間のコミュニケーション講座・ライフプラン研修も提供している。TBS・フジテレビ・アベマTVほか、日経ウーマン・日経新聞などメディア掲載多数。著書に「家庭も仕事もうまくいく!共働きのすごい対話術」など。
そもそもコミュニケーションとは?
仲は良いのに、大事なことはなかなか話し合えない。それは、コミュニケーションには「会話」「対話」「議論」「討論」となどの種類があり、難易度がそれぞれ異なるため。コミュニケーションと聞くと「今度のデートはどこへ行く?」といったたわいもない「会話」をイメージするかもしれませんが、関係を良好に保つためには、お互いの価値観を相互理解するための「対話」が重要なんです。
〈 4つのコミュニケーション 〉
• 会話|たわいもない会話
• 対話|結論を出すことが目的でなく、お互いの価値観を話し合って相互理解すること
• 議論|何か問題があった時に、一つの結論を模索すること
• 討論|「~すべき」という考えと考えを戦わせるコミュニケーション
カップル間・夫婦間は近い関係だからこそ、自分を受け入れてほしいという期待が生まれたり、甘えが出たり、無意識にパートナーとのコミュニケーションを軽視している人も多いはず。実はアドラー心理学でも、職場の同僚や友人以上に難しい人間関係だとされています。
鍵は“アサーティブなコミュニケーション”
コミュニケーションと一口に言っても、自己主張のタイプは様々。一般的には、非主張的、攻撃的、アサーティブの3つ自己主張タイプがあります。
〈 3つの自己主張タイプ 〉
• 非主張的 |自分の気持ちを伝えることを我慢してしまう or 遠回しにしか伝えられない「私はOKじゃない/あなたはOK」のスタイル
• 攻撃的 |自分の主張は伝えられるが、相手を傷つけてしまう「私はOK/あなたはOKじゃない」スタイル
• アサーティブ |自分も相手も大切にする「私はOK/あなたもOK」のスタイル
目指したいのはもちろん、アサーティブなコミュニケーション。これを実現させるためには、次の3つを意識することが大切です。
①“I(アイ)”メッセージを使う
「あなたはいつも○○だよね」と言われると、責められているような気持ちになりやすいもの。要望や不満を伝える際は、「I(私)」にフォーカスした表現に変えてみましょう。
×「あなたは家事をしてくれない」
〇「私はこの家事を手伝ってほしい」
②怒りの「なんで?」を使わない
理由を知りたいからではなく、怒りの表現として「なんで○○しないの?(あなたはするべきなのに)」という言葉が出そうなときは、いったん深呼吸。本当に理由が知りたいなら、「(背景を知りたいから)理由を教えてくれるかな?」と冷静に質問するのが◎です。
×「なんでこんなことするの?」
〇「私は〇〇が悲しかったんだけど、理由があるなら教えてもらえると嬉しい」
③「普通〇〇でしょ」は使わない
「普通はこう」「これが常識」というイメージは、そもそも自分の思い込みかもしれません。別の家に生まれ、別の環境で育った二人が良い関係を続けていくために、「普通」をいったん手放してお互いの要望にフォーカスしたすり合わせをしてみましょう。
×「男だから、女だから、今どきは〇〇が普通」
〇「私はこうしたい。あなたはどう?」
また、愛情表現(ラブランゲージ)も人それぞれで感じ方が異なります。言葉で「好き」と伝えられることを好む人、行動によるサービスを好む人、贈り物を好む人、一緒に過ごす時間が何より大切と感じる人、身体的なふれあいを愛情表現と感じる人…など。パートナーと自分が、お互いにどんなことをラブランゲージと感じるのか、話し合ってみるのも良さそうですね。
自分の気持ちも伝えるけど、相手を責める言葉は使わない。そんな“自分も相手も大切にするコミュニケーション”を心掛けられたら、これまで以上にふたりの時間が素敵なものになるはず♡ 現在進行形で恋人がいるという方も、今はお休み中という方も、ぜひ試してみてはいかがでしょうか。もちろん、恋人にだけではなく同僚や友達にも使えるコミュニケーション術なので、普段の生活から積極的に取り入れてみるのも良さそうです。(平田真碧)