「青春=CanCamでした!」Vol.1高橋メアリージュン
CanCam創刊40周年を記念して、歴代のOGモデルをクローズアップするスペシャル連載がスタート! 専属モデル時代から今日までの軌跡を振り返りつつ、今だから話せる撮影裏話や実践中の美の秘訣、人生を前向きに生きるコツなど、女性として輝き続ける彼女たちのリアルなメッセージをお届けします。
トップバッターは、女優として躍進を続けている高橋メアリージュンさんが登場。
CanCamモデル時代の愛称は「メアリー」。
2004年にCanCamモデルとしてデビューして以来、約8年間にわたり読者からも先輩モデルからも、関わった人全員から愛される存在。
CanCam時代のスタッフによると、人一倍努力家で撮影後の写真を見返してポージングをチェックしたり、プライベートでもダンスやギター、殺陣(!!)の練習など新しいことに積極的に挑戦。家族思い、仲間思い、スタッフ思いで、メアリーをひと言で表すなら「いいやつ」。当時から家族仲がいいことでも有名で、雑誌の企画でご実家を取材させてもらったことも。
CanCam卒業後は、数々の舞台やドラマ、映画に出演。愛されキャラからクールでタフな女性像まで幅広い役柄を演じ、唯一無二の存在感を放っているメアリー。そんな高橋メアリージュンさんに、あの頃のこと…、そして女優として活躍する「今」について聞きました!
15才でモデルの世界へ。エビちゃんから「ジェニファー」と呼ばれ(笑)
――CanCamの撮影に初参加したときのことは覚えてる?
「もちろん! スタッフも全員覚えてます。BAGの企画で、友里(蛯原友里)ちゃんとマイミ(大桑マイミ)ちゃん、直(徳澤直子)ちゃんが一緒でした。現場ではカメラマンさん(屋山和樹さん)がやさしくて、ポーズとかテーマに合う表情とか、すごく丁寧に指導して下さって、順調に撮影ができてひと安心。友里ちゃんが、『ジェニファー!』って気さくに呼んでくれて(笑)、それがすごくうれしかったことも印象的。『ジェニファーじゃなくてメアリーです、メアリーっていいます!』って何度もやり取りしましたね(笑笑)。友里ちゃんはとても自然体で飾らなくて、私の名前をジェニファーって信じ切っていたから、間違えて呼ばれてもうれしさしかなかったな」
ちなみに、当時のCanCamスタッフによると、先輩モデルだったエビちゃんこと蛯原友里さんは、メアリージュンさんのことを妹のようにかわいがっていて、撮影で一緒になると「本当にメアリーはかわいいっ♡かわいいな~」と、メアリージュンさんの頭をやさしくなでていたんだとか。そんなふうに、自然と周りから可愛いがられていた彼女。メアリーのいる撮影現場はいつも明るい! 抜群の愛されキャラでした。
――専属モデル時代、印象に残ってる出来事は?
「そうだなぁ…覚えていることが多すぎて全部と言えば全部なんだけど…。ドキッとしたことで思い出したのが、朝の集合のときのエピソード。撮影の詳細が書かれている予定表に、〝○○時に編集部集合〟って書いてあったのですが、初めての集合のときはCanCam編集部がビルの何階に入っているのかわからなくて、建物の前でスタッフさんが通りかかるのを待っていたんです。でも早朝すぎてなかなか人が通らず…そうしたら、かわいい声の女性が『CanCamの撮影ですか?』って話しかけてきてくれて、『はい!そうなんです!』と答えた瞬間、その人がもえ(押切もえ)ちゃんだと気づいてびっくり。それが初対面だったのですが、とにかくきれいでスタイルが良くて、面倒見までいいもえちゃんに感動しました」
当時のCanCamはモデルの人数も多く、街が動き出す早朝からロケ撮影がスタート。朝5時に編集部に集合し、ヘア&メイクスタートというのはざら。特に、新人モデルの入り時間は早かったので、起きるモデルも迎えるスタッフもまさに体力勝負。メアリーも連日の早朝集合に苦労したのでは?と思いきや…
―― 早朝集合でヒヤッとした思い出はある?
「遅刻したことは一度もないです。早起きは全然苦にならなかったから、いつも集合時間の30分前には現場に入っていました。ある日、集合の20分前にスタジオに着きそうというときにスタッフさんから電話があって『メアリーに何かあったのかと思って心配した!』と言われたこともあるくらい(笑)。いつも到着は早めでした」
―― 親しくしていたCanCamモデルは?
「気さくなモデルばかりだったので、すぐに打ち解けられました。優(山田 優)ちゃん、茉希(西山茉希)、しづか(近藤しづか)…etc. とにかくみんな明るくてユーモアたっぷり、雰囲気もチームワークも良かったですね。仕事場だけど学校みたいで、CanCamの現場は本当に楽しい居場所でした。私はプライベートでは長女なのですが、CanCamでは妹キャラ。それがすごく新鮮で心地よかったし、共通の趣味(ダンス)があるしづかとは、今でもよく会ってお互いを刺激しています! 」
ダンスが得意なメアリージュンさんと近藤しづかさん。CanCamのテレビCMやファッションショーなどでもキレのいいダンスを披露する機会が多かった当時。そんな二人は現在、SDGsへの取り組みにも積極的で、インスタグラムでも発信中。そんなふうに今でも関係性が続いているのは、濃厚で濃密な青春時代を共にした証なのかも。
CanCamはコンプレックスを肯定してくれた場所
―― CanCamスタッフからの言葉で印象に残っているのは?
「自分でコンプレックスだと決めつけていた体のパーツを肯定してもらえたこと。モデルになりたての頃の私は、厚めの唇やボリュームのあるお尻など、顔や体の中で目立っていると思っていたパーツをなかなか好きになれなくて。でも『メアリーの唇はすごく魅力的!口角がきれいで印象に残る』『ヒップラインがきれいだから後ろ姿もかっこいい!』って、CanCamスタッフが教えてくれて、むしろ自信になりました。個性を尊重してくれたことで、気になっていたパーツを自分の魅力と捉えられたこと、今も感謝しています。
CanCam時代のお仕事を通して、モデル仲間やカメラマンさん、ヘアメイクさんやスタイリストさんからも自信につながるメッセージをたくさんもらえて、コンプレックスが自分の強みに変わりました。あと、友里ちゃんが『メアリーは、ずっと、そのままでいてね』ってよく言ってくれて、自分を無理に変えたりしなくていいんだ、って思えました」
―― CanCamモデル時代、つらいと思ったことは?
「う~ん、つらい思い出はないんですよ、本当に! 忙しいとうれしかったし、現場はとにかく刺激的で楽しさの方がはるかに勝っていて、当時は仕事よりも遊びに行きたい!と思ったことはないですね。滋賀から通っていた頃の撮影期間は実家を離れなくてはいけないので、それは少し寂しかったですけど、海外に比べれば滋賀⇔東京は近い!と思ってました(メアリーはアメリカ留学の経験あり)。ただ、今思い返すと人付き合いの悪いモデルだったかも…とは思っていて、それは今も記憶にあります」
17年前にCanCam専属モデルとしてデビューしたメアリージュンさん。17年という時間が経過していることを感じさせないくらい、語ってくれるエピソードのひとつひとつが鮮明。当時からいかに、目の前の仕事に真摯に向き合っていたかが伝わってきました。モデルから女優へとフィールドが変わっても、彼女の真摯な姿が多くの人を魅了しているに違いありません。
★次回は、「付き合いが悪かった!?」 メアリーのCanCamモデル時代のエピソードや撮影中のドラマのお話も伺います。お楽しみに。