【行動心理学】失恋から立ち直るための心理テクニック

【行動心理学】失恋から立ち直るための心理テクニック

(c)shutterstock.com

この世の中にたくさんある“痛み”の中で、トップクラスに苦しいものと言えばやはり“失恋”でしょう。愛する人から受け入れてもらえなかった時の痛みは、まさにそれこそ人生の絶望と感じる人も少なくありません。そこで今回は、行動心理学の観点から「失恋から立ち直るための心理テクニック」についてご紹介いたします。

■没頭できる好きな趣味をみつけて予定を詰める

失恋すると、その事実をなかなか受け入れられず、しばらく悩んでふさぎ込んでしまうのが通常ですよね。しかし、独り悶々と考えていても現実は変わらず、ただいたずらに心を痛める結果になってしまいます。そこで、自分の趣味や好きなことを見つけて、没頭する中で癒しを見つけてみましょう。初めは立ち直るのに苦労するかもしれません。でも、音楽や映画、あるいはお酒の力などを借りて何とか心の中を整理していけるように。ある程度気力が戻ったら、スケジュールを自分のやりたいことや好きなことで埋めてみましょう。行動するうちに失恋で悩むの物理的なスペースがなくなり、自分の中に新たなエネルギーの息吹を感じてくるはず。

■あらゆるグチを吐き出して次の恋を見つけると宣言する

好きな異性から断られた後は、言いようのない孤独にさらされますよね。独りで家にこもっていると「どうせ私なんて……」「もう恋なんてしない!」といったネガティブな思考でいっぱいになってしまいます。そこで、友達にグチを聞いてもらいましょう。そして散々吐き出した後には、必ず「すぐに次の出会いを見つける!」、「新しい彼をゲットする!」と口に出して宣言しましょう。そう言っているうちに、本当に新たな恋がやってくるはずです。これを心理学では“宣言効果”といいます。公表することで、次の恋の成就に近づくのです。

■出会いがある環境へ自ら繰り出す

恋をすると人はとても情熱的になりますよね。しかしその分、失恋をするとその反動もかなりのもの。受け止めきれない想いは、次の恋を見つけることで忘れるようにしましょう。何とか無理をしてでも、新しい恋人を見つけに飛び出して行くのです。例えば、合コンや出会い系のパーティーにとにかく顔を出したり、男友達と飲んだり、親しい女友達に「男の子を紹介して!」とお願いするのもアリ。そうしているうちに意識が別の方向に向いていくはず。行動から心を再構築していくのです。

■失恋を「運がよかった」と自分勝手に解釈する

失恋は確かにつらいもの。でも、失恋の結果だけを見るのではなく、発想を転換することで自分の心を整理するという方法も検討してみてください。物事には必ず“表”と“裏”の両面があります。そのため、事実を自分の都合のいいように捉えて解釈することで、受け止め方をコントロールしてみましょう。例えば、失恋したときには好きな相手から「振られた」と考えるよりも、さらに素敵な恋のために「自分が振った」と考えることで、自分の中の自己イメージを好転させられるでしょう。そうやって思い込んでいるうちに、それは事実へと変わっていくはず。

おわりに

失恋にまつわる名言で、芥川龍之介氏が残した名言があります。彼曰く「われわれを恋愛から救うのは理性よりも多忙である」とのこと。人は時間があったりヒマだと、往々にして自分のことに意識が向きすぎてしまい悩みの種をつくり出してしまいます。多少忙しいくらいの方が、余計なことを考えることなく心の健康を保つことができるということなのでしょうね。もしもあなたが失恋したとしたら、行動から変えてみてはいかがでしょう。(脇田尚揮)

脇田尚揮
認定心理士。Ameba公式No.1占い師として雑誌やTVなどに取り上げられ、テレビ東京「なないろ日和」にてレギュラーコーナー担当。また、自身が監修したアプリ 「マル見え心理テスト」はTBS 「王様のブランチ」 などでも紹介され、120万DL。著書『生まれた日はすべてを知っている。』(河出書房新社)。