スター・ウォーズ最新作「ローグ・ワン」敏腕女性プロデューサーに独占インタビュー!

2016年12月16日は、世界中のスター・ウォーズ・ファンが待ち望んだ日。社会現象を巻き起こした前作『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』から1年。いよいよ最新作『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』が公開になります。

その陰には、ある女性プロデューサーの存在がありました。

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映画『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』撮影中のキャスリーン・ケネディさん(中央)。(C) 2016 Lucasfilm Ltd. 

 

■何にも似ていない新しいスター・ウォーズ、新しいヒロイン

ジョージ・ルーカス氏のアイディアから誕生した『ローグ・ワン』ですが、ルーカス氏の絶大なる信頼を得て、前作からこの作品のプロデューサーとなった女性の存在を見逃すわけにはいきません。

彼女の名前は、キャスリーン・ケネディさん。20代で映画『E.T.』の製作に携わり、その後『インディ・ジョーンズ』『バック・トゥ・ザ・フューチャー』などのシリーズをプロデュース。2012年にルーカスフィルム社長に任命され、スター・ウォーズ・シリーズのプロデューサーに。

世界的メガヒット作品を多く生み出してきたキャスリーンさんですが、過去のヒットの手法をなぞったり、守りに入るようなことは、一切なし。最新作『ローグ・ワン』は、新しいチャレンジにあふれた作品です。

「アイスランド、モルディブなど、美しい自然を最大限に生かして、未来の惑星を描きました。そして監督(ギャレス・エドワーズ氏)が手持ちカメラにこだわって、リアルな映像をつくり出したことも、新しい挑戦でした。何より注目してほしいのは、シリーズのどの作品にもなかった、新タイプの女性を中心に描いた作品であること。人間味にあふれ、家族を思い、心を打つ作品になっています」

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        (C)2016 Lucasfilm Ltd.

 

新しいことに挑戦し続けるのは、ヒット作品をつくることだけが目的ではありません。

「大きなプレッシャーを乗り越えるのも、関わるスタッフの幸せのためにも、“挑戦し続ける”ことしかない。それが私の考えです。映画製作では、想定外のことはたくさん起こるし、次々とピンチを切り抜けていかなくちゃならない。そして、働くみんなが家族といられる時間をもてるように、長時間労働になったりしないように、考えながら進めていく。難しいことだけれど、私はそれが楽しくてたまらない。映画製作の醍醐味といってもいいでしょう」

 

■スター・ウォーズ最新作のプロデュサーが影響を受けたのは、宮崎駿作品!

“これまでのスター・ウォーズと違う”は、『ローグ・ワン』を観た人の多くが感じるところ。そこには、意外にも日本との関わりが……。

「今回のようなタイプのヒロインは、どの作品にもなかった新しいアイディアです。それをつくる過程で、私が何かしらの影響を受けているとしたら……、宮崎駿作品かもしれません。たとえば『もののけ姫』『となりのトトロ』……。宮崎監督は、素晴らしい女性像をつくり上げてきたひとりですから。

『ローグ・ワン』のヒロインであるジン・アーソの特徴は、ダークな過去をもち、反発心のあるヒロインだということ。スター・ウォーズ・シリーズに出てきたどの女性とも、まったく違うタイプです。その中でも面白いのは、物語が進むにつれ、彼女が自分の中にある英雄的な資質に気がつくことにあります。やがて、宇宙のために自分がやるべきことを見つけていく。その変化を楽しんでください」

 

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      (C)2016 Lucasfilm Ltd.

 

     (C)2016 Lucasfilm Ltd.

 

こうしてヒロインを描きながらも、この作品が伝えたいことは、これまでのシリーズと同じく「家族の物語」。キャスリーンさん自身も、なによりも大事にしているのが、「自分自身の家族」だそう。

『ローグ・ワン』。その背景にある、キャスリーンさん自身の家族観については、12月27日発売の『Oggi』2月号で詳しく語っています。そちらもぜひご覧ください!(南 ゆかり)

キャスリーン・ケネディ Kathleen Kennedy

1953年、アメリカ・カリフォルニア州生まれ。サンディエゴ州立大学で映画製作を学んだ後、テレビ局で番組制作に携わる。ハリウッドに移り、『E.T.』(1982年)をはじめとして、スティーブン・スピルバーグ監督・製作作品のほとんどをプロデュース。2012年にルーカスフィルムの社長に任命され、スター・ウォーズ・シリーズのプロデューサーに。最新作『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリーズ』に続いて、『スター・ウォーズ エピソード8(原題)』(2017年)、『Han Solo Star Wars Anthology Film(仮題)』(2018年)、さらに『インディ・ジョーンズ5(仮題)』(2019年)のプロデュースも決まっている。

 

■映画『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリーズ』

物語の舞台は、『スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望』(1977年公開)の少し前。銀河全体を脅かす、帝国軍の究極の兵器“デス・スター”。その設計図を奪うため、極秘チーム<ロ―グ・ワン>に加わった女戦士ジン・アーソ(フェリシティ・ジョーンズ)は、97.6%生還不可能なミッションに立ち向かう。公式サイト>