前回は、現在放送中の『HOPE~期待ゼロの新入社員~』(フジテレビ系/毎週日曜21時~)と、その原作となった韓国のドラマ『ミセン-未生-』の共通点と違いについて紹介しましたが、今回は、両作品の注目の俳優について、そのキャラクターとともに紹介します。
★中島裕翔主演ドラマ「HOPE」と原作「ミセン」、共通点と相違点から見る見所3つ
◆韓国版・主人公の上司はベテラン俳優、イ・ソンミン。回が増すごと気になる存在に
まずは、韓国版。主人公の上司の“オ・サンジン課長”を演じるイ・ソンミンさんは、韓国で数多くのドラマや映画に出ているベテラン俳優です。2014年には、東野圭吾さん原作の映画『さまよう刃』の中で、主人公の犯人を執拗に追う刑事の役を演じています。
そんなイ・ソンミンさんは、『ミセン』の中では、ちょっとおっかない上司でありながら、部下の細かい変化に気づく繊細さがあり、最初はそれほど気になるキャラクターではなくても、最後にはすっかりソンミンさんに気持ちをもっていかれた視聴者も続出しました。仕事でヨレヨレになりながらも、信念を持って突き進む姿には胸が熱くなること間違いなしです。ちなみに、彼の日本で気になる俳優は北野武さんだそうです。
◆三課の潤滑油!主人公・一之瀬のよき先輩は、舞台で活躍してきた名俳優
日本版の主人公の一之瀬(中島裕翔さん)の先輩である“安芸公助”を演じる山内圭哉さんは、長らく舞台で活躍してきましたが、昨今はNHKの朝ドラ『あさが来た』や『民王』など、ドラマでの活躍が続いています。
安芸は、おっかない課長と新人の一之瀬をつなぐ営業参加の潤滑油のような存在。いつも温厚な語り口ですが、正義感に反する出来事があったときには怒るギャップにもどっきりします。韓国版の主任のキャラクターに忠実ではありますが、日本版の一之瀬が安芸主任を頼っているからか、存在感がより強く感じられます。
(『ミセン』での“安芸”役は、キム・デミョンさん[写真右])
◆同期の紅一点ながら、誰とも恋愛関係ナシは韓国の現代女性の傾向を意識?
同期の中で紅一点の“アン・ヨンイ”(カン・ソラさん)は、優秀でクールで、しかも容姿端麗。日本の会社だと、どんなに優秀な女性でも、というよりも優秀だからこそ、冷淡でつっけんどんな態度をとると、社内で浮いてしまいそうだし、そんなキャラクターはデフォルメされ、変わった人としてコミカルに描かれがちですが、アンさんは、無理して笑ったり、気が利く私を演じたりせず、飾らないからこそナチュラルなところが魅力でしょう。
登場人物の中の誰かと安易に恋愛関係に陥らないのも、昨今の「別に女性の視聴者が必ずしも恋愛要素を求めているわけではない」という傾向にも合致しています。
◆前作の「可愛い年下男子」から変化!“カメレオン俳優”瀬戸康史に注目
一之瀬の同期で、メガネに七三で優秀な“桐明”。彼を演じている瀬戸康史さんは、その前のクールの『私結婚できないんじゃなくて、しないんです』(TBS系)では、桐明とは真逆の、妖精のようにかわいい年下の“フェアリー男子”を演じ、新たなファンを獲得していました。そんな彼のカメレオン俳優っぷりには、注目せずにはいられません。
桐明は、真面目だけれど、悔しさなど、ネガティブな感情も隠さずに出す人物ですが、韓国版では、そんな中にも、彼の人間らしさや優しさがふと垣間見える場面もありましたので、日本版でも、そんなギャップを最終話までに見せてくれるのではないでしょうか。
(『ミセン』での“桐明”役は、カン・ハヌルさん[写真左])
日本版も韓国版も、同じ役をベースにしながらも、演じる俳優や脚本、演出によって、違いのあるキャラクターになっているので、両作品をじっくりと見比べてみるのも楽しいかもしれませんね。(西森路代)
★中島裕翔主演ドラマ「HOPE」と原作「ミセン」、共通点と相違点から見る見所3つ
韓国ドラマ『ミセン-未生-』
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