【望月ミネタロウ『ちいさこべえ』×菊池亜希子ムック『マッシュ』発売記念】緊急対談(1)ふたりが語る制作秘話

望月ミネタロウ先生の最新刊『ちいさこべえ』(第4集、完結)が3月30日に、菊池亜希子さんが編集長を務める雑誌『菊池亜希子ムック マッシュ Vol.7』が3月24日に発売決定! それを記念して、漫画家×女優の異色(!?)な座談会が開かれました。初顔合わせの第1回は、人見知りという望月先生が、『菊池亜希子ムック マッシュ』を見つめながら、少し照れくさそうに、しかし真剣に感じたことを話してくださいました!

本を読み合う望月ミネタロウ先生と菊池亜希子さん
本を読み合う望月ミネタロウ先生と菊池亜希子さん

 

望月ミネタロウ先生(以下、望月) 菊池さんは自分から『マッシュ』を作りたいと言ったの?

菊池亜希子さん(以下、菊池) 以前『PS』という雑誌で連載を持っていて、その雑誌が休刊になってしまったときに、編集長が「雑誌を作ってみない?」と言ってくださったのがきっかけです。「書籍じゃなくて雑誌なんだ!」と驚きました。それから3年半ほど経ちますが、この本には私の日々のすべてが詰まっています。突然なんですけど、私、モーニング娘。の『What is LOVE?』(作詞・作曲/つんく♂)という曲が好きなんです。この中の “たったひとりを納得させられないで 世界中 口説けるの”という意味の歌詞が特に好きで……この曲を聴くと、私が作っている『マッシュ』も多くの人に向けて作っているけれど、今、目の前で一緒に作っている人たちを納得させられないで、読者のみなさんに伝わるものはできない!と、やる気が出るんです。

望月 読者はどういう子たちが多いんですか?

菊池 世代はバラバラです。でも、真っすぐに雑誌を受け取ってくれている人が多いような気がします。私自身、雑誌で育ってきたからわかるんですが、たくさん写真がある中で、なぜかたった一枚の写真に影響されることがあると思うんです。『マッシュ』は、そういう写真を載せたい、そういうページを作りたいと常々思っています。作られた世界だけど、その中に“本当”のことが写し出されていてほしい。“本当”って人によって捉え方が違うし、どういうことなのかはずっと模索していますが、そのときのその瞬間が正直に切り取られているといいなと思います。

望月 最初に『マッシュ』を見たとき、単純にかわいいなとかキレイだなと思ったのですが、中を見たら、大福の特集とか渋いですよね。でも、僕みたいなおじさんが本屋で『マッシュ』を読んでいたら……嫌ですよね。

菊池 とんでもないです。本屋さんでそんな方を見かけたら、お眼鏡にかなった! と思います(笑)。両親がフォーク世代で、小さいころから染みるようにフォークソングを聴いてきたせいもあって、年がかなり上の方の横にいるほうがしっくりくるんです。若い男の子の横にいるよりも、おさまりがいいように出来ています。

望月 じゃあ次の表紙は、おじさんとかどうですかね?(笑)

菊池 それ、いいですね! テーマ「おじさん」みたいな。

望月 レトロな服も菊池さんが着るとシンプルに見えるんですね。浮ついたものにならない、そこがすごい。雑誌もとても丁寧に作っているのが伝わります。

菊池 形に残るから最後まで諦められなくて、ギリギリで大直しをしてしまうこともあるんです。一緒に作っている人たちは……きっと大変です。

望月 僕も、締め切りは守れない……です(笑)。単行本化にあたって加筆修正もします。そんなに多くないですけどね。

編集部スタッフ 先生は、ほぼ直します……(小声)。