「知性派モデル」トラウデン直美。品行方正?本当はただの頑固娘な自分について【独占インタビュー】

CanCam専属モデルの「トラちゃん」こと、トラウデン直美。モデルだけでなく、報道や情報番組でコメンテーターを務めるなど、知的な魅力たっぷりで今やメディアから引っ張りだこ。そんなトラちゃんに、実は「Not優等生」な本心を、CanCamだけに語ってもらいました。

発信する私の姿が”誰かの変わるきっかけ”になるといいな!

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――この1年で活動の幅がぐんと広がりましたね。

自分らしさをもっと発揮したいって思っていた気持ちを、やっと実現できるようになったかな。特に、SDGsの活動は、自分のポリシーに沿ったもの! モデルという職業のまま、自分の意見を発信するのは、正直リスクがあると思うけど、私は「若者は政治に参加しない」って思われている状況を変えたいの。興味があるけれど一歩踏み出せない人って、若い世代にはたくさんいると思う。そういう人に「一緒にがんばりたい」って思ってもらえる、きっかけになるとうれしいな。もちろん、発言することで、単純なタレントやモデルっていう枠じゃ収まらなくなっちゃうから、難しいところではあるけど…。

――SNSで炎上したこともありましたよね。そのときどう思った?

もうね、全員の共感は無理だなってわかっているから、炎上はまったく気にしてないよ。「あなたのことを不快にするんだったら、見ないでね〜」くらいに構えている(笑)。たしかに、私が環境問題で訴えていることは、理想論といえば理想論。でも、やっぱり私は命ある生き物みんなで、幸せになりたい。「自分がよければいい!」って、見ないフリをするんじゃなくて、将来みんなが幸せになることを考えることに、意味があると思う。思いやりを持って、楽しく生きたいの。私は、ただそれだけだなぁ。

みんなが思う〝トラちゃん〟ではなくひとりの人間として

――思いやりって、SNSの中で感じるのは難しいこともありますよね。

やっぱり、画面の向こう側には人間がいるっていうことを忘れてしまうよね。SNSだと数でまとめられがちだけど、その「数」のひとりひとりに人生があって、物語がある。でも、実態が見えづらいから、面と向かっては言わないようなキツい言葉をかけられちゃうんだと思うの。特に私は、モデルとして雑誌やTVに出ているから、「理想像」を持たれやすいと思う。世間が持っている「トラウデン直美像」から外れた言動をしたとき、人はキツい言葉をぶつけてくるのかなって。それが炎上につながるんだよね。でも、わかってほしい。私はモデルの前に、人間なの。悲しいときは泣くし、つらいときはつらい! 表に出ているからって叩かれるのは、私も嫌。芸能人だから叩かれてしょうがない、なんて意見は「しょうもないな」って思ってる。でも、炎上をきっかけに、より環境問題への思いが強くなったな。世間が持つ私のイメージとのズレについても、しっかり考えるようになったかも。

品行方正ってイメージだけど本当の私はただの頑固娘

――今年の2月には、グラビアにも挑戦。心境の変化があったの?

みんなの理想の「トラウデン直美」じゃない面もあるとわかってほしい…そう思っていたときに、ちょうど話が来て、私へのステレオタイプが少しでも和らぐといいなと思って、挑戦してみたよ。だから、何か変わったかと言われると、特に何も変わらない! 世間では私って品行方正ってイメージかもしれないけど、本当の私は、ただの頑固娘。周りの人から「真面目だね」って言われるたびに、内心「真面目じゃないし!」って思っちゃっている(笑)。環境問題について意見を発信しているのは「私はこう思うけど、どう?」っていうことをみんなに問いかけ続けているだけ。それは真面目なわけじゃないと思うな。ただ、私として考えを発信して生きているだけ

――「自分」や「人間」という存在を考え続けているんだね。

そうだね。数か月前に祖父が亡くなったことで、より拍車がかかったかも。初めて「人の死」というものを目の当たりにしたの。お葬式では、亡くなった祖父がいて、生きている私と家族がいて…。そこに「人間」という存在を猛烈に感じた。「あ、これが人間だ、死ぬから人間なんだ」って、ふと思ったの。すごく悲しかったけれど、「死」という大きな存在に圧倒されて、どこか納得している自分もいた。祖父は亡くなったけど、私の人生は続いていくという事実に直面したら、何億年と続いてきた人間の営みの一部になれたような気がした。今は、祖父の死を自分の中にゆっくり落とし込んでいるフェーズかな。

人間だから悩むことばかりです

――そうだったんですね。すべてが順調そうに見えていたけれど…。

たしかに、仕事は順調。でも、今は将来のことは考えられないの! この先、どんな進路を選ぶべきか迷っている状態。でも、悩んでいることが悪い状態だとは思わないよ。無理して明るい雰囲気に取り繕わなくてもいいかなって。人間だからそれは悩む。当分はただ静かに、自分の心の言葉をきちんと聞いてあげるつもり。散歩をしたり、ソファでただぼーっとして、しばらく悩もうと思うよ!


「変えたい」と思う世の中について、自分から学んで発信して、例え炎上しても、またそれをきっかけに物事への思いが強くなったり…全ての物事には意味があるということを体現してくれるトラちゃん。悲しいことや嬉しいこと、自分の学びたいことを全て自分に落とし込み、プラスにする力がある方だな…と尊敬の眼差しが止まりません。トラちゃんのように、自分に正直に、前向きに生きていきたいですね♡

CanCam2021年7月号「REAL VOICE」より 撮影/水野美隆(zecca) スタイリスト/伊藤舞子 ヘア&メイク/神戸春美 モデル/トラウデン直美(本誌専属) 構成/鶴見知香 WEB構成/近藤舞緒