先日9月22日に、世界の放送業界で最も権威と歴史のある賞のひとつ第65回エミー賞が発表されました。その中で、今回最多となる主要3部門(作品賞、監督賞、主演男優賞)を含めた合計11部門を受賞する快挙をあげた作品が『恋するリベラーチェ』なんです!
(華やかな1970 年代ショウビズ世界の舞台裏とは…)
レディ・ガガやエルヴィス・プレスリーよりも前に、20世紀の世界で最も稼ぐエンターテイナーのひとりと呼ばれた天才ピアニスト、リベラーチェの晩年を描いた伝記ドラマ。
1977年夏、ラスベガスで出会ったリベラーチェと青年スコット・ソーソンは、年齢や住む世界を超えてお互いにひかれ合い、恋におちる。リベラーチェは、整形とダイエット食品でスコットを理想的な姿に変貌させ、幸福で満ち足りた日々を送っていた。しかし、そんな二人の関係に亀裂が生じ始め……。
1970年代のアメリカは、まだ“同性愛”ということが今の世の中よりも受け入れられていなかったころ。当時、決して明かされることのなかった彼の私生活と、生前に必死に隠そうとした同性愛者であるという事実に基づいて製作された本作。このディープなストーリーを、マイケル・ダグラスとマット・デイモンが熱演しています。
男性同士のキスシーンやベットインのシーンって「どうなの!?」と思う女性もいるかもしれませんが、この名優ふたりだからこそ成功していると言えるでしょう。お互いに必要とするあまりに苦悩する愛憎劇は共感できるところもあり、また圧倒されます。
さらに主役を演じるマイケル・ダグラスは、咽頭癌を克服した後の主演映画。硬派な彼が「よくこの役を引き受けたなぁ…」と思うほどですが、スクリーンのダグラスからは心底この役を楽しんでいるのが伝わり、スターの孤独や愚かさ、そしてかわいらしい魅力が存分に引き出されています。まさにエミー賞主演男優賞受賞も納得の演技!
また日本人の矢田弘さんが、マット・デイモンが演じたスコットが整形手術を受けて顔が変化した様子を表現してエミー賞特殊メイク賞を受賞したというところも注目のポイントです。
みどころ満載の『恋するリベラーチェ』は11月1日から全国公開予定ですが、なんと10月17日から開幕する東京国際映画祭でも特別招待作品として出品されています。気になる人はまずこちらをチェックしてみてはいかがでしょうか?(西村真樹)
『恋するリベラーチェ』
配給:東北新社
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11月1日(金)より、新宿ピカデリーほか全国ロードショー
公式サイト:http://liberace.jp/