つい人の顔色をうかがってしまう人がやめたほうがいい言動
自分なりの意見や本心はあるのに、相手と会話をしているうちにだんだんとそれを抑えてしまうことってありますよね。相手の表情や口調の変化を読み取ってしまい、それに合わせて言いたいことを言えなくなってしまう……。そんな自分に嫌気がさす人も少なくありません。
そこで今回は、「つい人の顔色をうかがってしまう人がやめたほうがいい言動」その心理をご紹介いたします。
■共感、同調を促す「そうですね」
人の顔色をうかがう人は、相手の心理状況に共感したり同調する能力が高いため、言いたいことを言えなくなってしまうことが少なくありません。しかしそれは、相手の気持ちを推し量るがゆえの行動。悪いことではありません。共感的コミュニケーションは、関係性を良好にする上で欠かせないものです。
しかし、常に相手に対して共感的であると、主体性のない人間だと思われてしまう恐れが。そうならないように、「そうですね」といった相づちをやめるようにしましょう。一度考える習慣をつければ、不用意な同調はなくなるはずです。
■自分に非がなくても謝罪する「すいません」
謝罪の言葉は本来、自分が悪いと感じたときに表出すれば誠実さを伝えることができます。しかし中には、自分に非がなくても「すいません」と謝る人も少なくありません。しかしそのような発言は控えましょう。
相手の顔色をうかがい、自分で自分を痛めつけて満足しているケースが少なくありません。自分に対して罰を与えようとする感情のことを、心理学では自罰感情といいます。この自罰感情が強い人は不安や心理的葛藤、ストレスなど自分を罰することで解消しようとします。謝りさえすればいいという発想でいると、その場しのぎにしかならないでしょう。
■自分を抑圧する「それでいいよ」
心理的防衛機制の中には、抑圧というものがあります。これは自分を脅かす願望や衝動を意識から締め出して、意識下に押し留めることを指します。そして無意識下の中で、それら欲求を保持している状態のことを言います。
あなたに疑問や質問が投げかけられた際に、相手の顔色をうかがっていると「それでいいよ」と投げやりな反応を返していませんか。これは一種の抑圧行動であり、それがいいと明言するのを避け、それでいいと自分の欲求を抑えてしまうクセがついてしまっているのです。自分さえ我慢すれば良い、そんな発想になる前に生産的な言動へ変えましょう。
■相手に決定責任を委ねる「○○さんに任せる」
相手の顔色をうかがうタイプの人は、自尊感情が低く自己決定とそこから生じる責任を回避したいという心理が働きがちです。そのため、決定権があるにも関わらず相手の顔色をうかがい、それを自ら放棄することが少なくありません。これを防衛機制のうち回避(逃避)と言います。
向き合わなければならない不安やストレスを一時的に解消することができますが、逃避は問題を先送りにしているだけなので逃避傾向が強いと現実生活に問題が生じることがあります。でも「○○さんに任せる」と言って、誰かに委ねるのはNG。意見を表現しなければ、その後どのような結果になったとしても文句や反論できなくなってしまうのですから。
相手の顔色をうかがうと聞くと、少しネガティブなイメージを持つかもしれません。でも実は、社会生活を送るうえでは非常に大切な要素でもあるのです。集団の中で生きる上では、相手に気を遣ったり空気を読んだり、ときとして自分を抑えたりすることも必要になってきます。顔色をうかがえる人は、そういった配慮がとても上手なのです。ただ、それが口癖になってしまうのはNG。相手に譲りつつも、きちんと自分の意見を言えるようでありたいものですね。(脇田尚揮)
認定心理士。Ameba公式No.1占い師として雑誌やTVなどに取り上げられ、現在テレビ東京「なないろ日和」にてレギュラーコーナー担当。また、自身が監修したアプリ 「マル見え心理テスト」はTBS 「王様のブランチ」 などでも紹介され、120万DL。著書『生まれた日はすべてを知っている。』(河出 書房新社)。