「スイカは野菜」って言われるけど結局野菜なの?果物なの?プロに聞いてみた
よく「スイカは実は野菜なんだよ!」と言われることがありますが、私たちの認識で言えば完全に「果物」。
実際のところ、「野菜」と「果物」って、どう分けられているのでしょうか?
意外と知らないそんな疑問を、野菜ソムリエアワードにて全国優勝経験があり、食の情報を発信し続けるWEBメディア「365マーケット 食オタMAGAZINE」の編集長を務める、野菜に関して広く深い知識を持つ野菜ソムリエ、藤田久美子さんにうかがいました。
Q.スイカは結局野菜なんですか? 果物なんですか?
「スイカはフルーツとして食べるのに、野菜と呼ばれるのはなぜ?」とは、やはりよく聞かれる質問のひとつです。
植物学上の分類では、スイカは野菜です。
【植物学上の、野菜と果物の区分】
草本性のもの(草になるもの)→野菜
木本性のもの(木になるもの)→果物
上記の法則で区分されています。スイカは種から芽が出てツルが伸びて実がなり、植物としては「草」です。そのため、植物学上は野菜に分類されています。
一方でりんごや梨、桃などは木になるので、わかりやすく「果物」ですね。
スイカの他に、「果物だと思われているけど、区分としては野菜のもの」、逆に「野菜だと思われているけど、区分としては果物のもの」は、こんなにたくさんあります。
【果物だと思われているけど、植物学上は野菜のもの】
メロン、イチゴ、パイナップル、バナナ、ドラゴンフルーツなど
「え、これも野菜!?」と思われるかもしれませんが、メロンやイチゴはスイカと同じようにツルになるので、植物学上は「野菜」です。パイナップルも草ですね。
バナナは一見木のように見えますが、実は葉が集まって幹のように見えているだけで、木のような年輪はありません。
そしてドラゴンフルーツは「サボテンの実」です。サボテンは木ではなく草に分類されるので、こちらも野菜。
これらの、普段果物として食べられているけれど、草になる野菜は「果実的野菜」と言われています。
【野菜だと思われているけど、植物学上は果物のもの】
逆に「野菜だと思われているけれど、果物」は、アボカドや青パパイヤなどが挙げられます。
他にも「ゆず」「すだち」「カボス」などはお店によってどちらの売場に置かれているか異なり迷うところですが、柑橘で木になるので「果物」。
これらの、野菜として食べられているけれど木になる果物は「野菜的果実」と言われます。
ただ、野菜・果物の分類は、上記の「植物学上」の分類以外に、「流通や消費の分野」での分類があります。おかずになるものは「野菜」、デザートして食べられるものは「果物・フルーツ」で、こちらは基本的に皆さんが普段認識しているものと同じはずです。
ただ、フルーツをサラダに混ぜておかずとして食べる「フルーツサラダ」や、野菜を混ぜ込んで作るケーキやクッキーなどもどんどん出てきており、どちらも美味しいものです。垣根を作らずに「美味しい」の幅を広げてみるのも楽しいですよ♪
365マーケット 食オタMAGAZINE編集長 藤田久美子さん
野菜ソムリエ、健康マスターエキスパート、健康経営アドバイザーの資格を持ち、食のオタクが集まり食の情報を発信し続ける「365マーケット 食オタMAGAZINE(https://media.365market.jp/)」の編集長を務める。
第5回野菜ソムリエアワードで6万人の中から優勝した経験を持ち、その知識の広さには定評がある。
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