結局どっちがやせるの?「カロリー制限vs糖質制限」ダイエットのメリット・デメリット
ダイエットの王道といえばカロリー制限。でも最近は、カロリーではなく糖質を減らすことによるダイエット法も注目されていますよね。ダイエットを始める際に「どっちを実践した方がいいのかな?」と迷ってしまう人も多いのではないでしょうか。
迷ったときはプロに相談するのが一番♪ というわけで今回は、食事や運動を記録するだけでカロリー・糖質・栄養バランス等をアドバイスしてくれる、話題のダイエットアプリ『カロリーママ』の開発担当者、管理栄養士の吉松智美さんにお話を伺いました。
カロリー制限と糖質制限、2大ダイエット法の特徴とメリット・デメリットをご紹介します!
Contents
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カロリー制限vs糖質制限!それぞれの特徴は?
そもそもカロリー制限ダイエットと糖質制限ダイエットは、それぞれどんな特徴があり、どんなところが違うのでしょうか?
カロリー制限ダイエットとは
カロリー制限ダイエットとは、「食べ物から摂取するカロリーを減らす」ことを心がけるシンプルなダイエット法です。身体の中に入ってくるカロリー(摂取カロリー)よりも、運動や代謝で使われるカロリー(消費カロリー)の方が多ければ、体重は自然に落ちていくわけです。
具体的なやり方としては、1日のカロリー収支を「摂取<消費」の範囲内に抑えます。つまり消費できるカロリー量以上に食べすぎなければOK。揚げ物が好きな人なら揚げ物をやめる、お菓子が好きな人ならお菓子をやめる……というように、自分がよく食べている高カロリー食品を減らすやり方が効果的です。
「とにかくカロリーを抑える」ことを考えればOKという、比較的シンプルで手軽なダイエット法と言えます。
糖質制限ダイエットとは
糖質制限ダイエットとはその名の通り、カロリーではなく、糖質の多い食品を制限するダイエット法です。
糖質が多いメニューといえば、ご飯などの主食。糖質制限ダイエットは、主食を抜く、または減らすだけのダイエットなので、こちらも考え方はシンプルです(きつめの糖質制限をする場合は糖質の多い野菜や果物も減らす必要がありますが、一般のケースでは主食を意識するだけで大丈夫です)。
「糖質の多いメニューを減らそう」とすると、「主食を減らす」ことになり、主食が減れば必然的に摂取カロリーが下がります。カロリーを意識しなくても必然的に摂取カロリーが減るのが、糖質制限ダイエットの仕組みです。
2つのダイエット法の違いは「何を減らすか」
それぞれの名前が表しているとおり、カロリー制限ダイエットでは「カロリーが多い食べ物を減らすこと」、糖質制限ダイエットでは「糖質を多く含む食べ物を減らすこと」を考える必要があるわけですね。
ではさらに一歩踏み込んで、それぞれの具体的なメリットとデメリットを、吉松さんのダイエット指導の経験をもとに比較して頂きました。
カロリー制限ダイエットのメリット・デメリット
カロリー制限ダイエットのメリットとデメリットは、次のとおりです。
メリット1「シンプルで手軽」
カロリー制限ダイエット最大のメリットは、シンプルで分かりやすいこと。「高カロリー食品を避ける」「いつもより食事の量を減らす」というパッと見て分かりやすい方法で、食事全体を低カロリーに抑えます。あまり難しいことを考えなくても実践しやすいダイエットです。
細かくカロリー計算したい人も、最近はアプリが強い味方になってくれるので安心です。食べたものを入力するだけであっという間にカロリーを算出してくれるアプリがあるので、計算が苦手な人でも気軽に始められます。
メリット2「お金がかからない」
糖質制限ダイエットの場合は、主食が減る分、おかずが増えます。そのため、いつもよりも食費がかかってしまうことがあります。例えば外食でステーキを食べるときに、ご飯を食べない分、いつもなら150gのところを200gにするので、余分にお金がかかります。一方カロリー制限ダイエットの場合は、そのようにおかずの量が増えることがないので、糖質制限ダイエットに比べてお金がかからないメリットがあります。
デメリット「リバウンドのリスクがやや高い」
つい食べすぎてしまう食べ物というのは、好物であることが多いもの。カロリー制限ダイエットでは好物を我慢する機会も多く、ややストレスが溜まりやすいのです。
また揚げ物を始めとする高カロリーな食事は腹持ちが良く、低カロリーで消化が早い食事はそのぶん早くお腹が空きやすいという傾向があります。カロリー制限ダイエットでは、我慢しすぎるとストレスが爆発してしまい、ドカ食いに走るケースも少なくありません。ややリバウンドのリスクが高いダイエット法と言えます。
糖質制限ダイエットのメリット・デメリット
糖質制限ダイエットのメリットとデメリットも、見てみましょう。
メリット1「我慢が少ない」
糖質制限ダイエットで意識するのは、穀類や芋類など、糖質が多い食品のみです。タンパク質や油を減らす必要性が少なく、カロリー制限ダイエットでは敬遠しがちな脂身の多い肉料理や、おやつであれば低糖質なものを選んで食べることができます。
ご飯や芋に関しても一切食べられないわけではなく、量を半分に減らしたり、3食のうち1食だけ主食を抜いたり、といったやり方で効果が出やすいのが糖質制限ダイエットの良いところ。おかずはしっかり食べられるので我慢が少なく、満足感を得やすいダイエットになり得ます。
メリット2「リバウンドしにくい」
続けやすい方法のため比較的リバウンドしにくいのが、2つめのメリットです。理想の体型に到達した後も「週2回は夕飯の主食を抜いてみよう」「同じ糖質でも、白いご飯は減らして、雑穀米を選んで食物繊維を維持しよう」といったゆるい制限を継続しやすく、習慣レベルから食生活が変わることで体型をキープしやすくなります。
デメリット「栄養のバランスが崩れがち」
糖質が多い食べ物を避けようとすると、その食品に含まれる別の栄養素まで不足してしまうことがあります。
たとえば食物繊維。厚生労働省が掲げる食物繊維の目標摂取量は成人女性で1日18g以上ですが、これを小鉢サイズの生野菜サラダだけで補おうとすると18杯分くらいの量が必要です。
では野菜以外で食物繊維を豊富に含んでいるものは何かといえば、糖質制限で避けられがちな穀類(小麦、そば、雑穀など)や芋類など。これらを控えることで食物繊維の摂取量が自然と減ってしまい、便秘に繋がりやすくなります。
糖質という特定の栄養素を控えることで、今まで自然と整えられていた栄養バランスが崩れてしまうリスクがあります。無理なく成功させるためには、不足しがちな栄養素を補う工夫が必要です。
カロリー制限vs糖質制限、迷ったときの選び方
ここでいったん、それぞれのメリットとデメリットをまとめてみましょう。
カロリー制限
メリット:シンプルで手軽、自分向けにカスタマイズしやすい
デメリット:リバウンドのリスクが高い
糖質制限
メリット:我慢が少ない、リバウンドしにくい
デメリット:栄養のバランスが崩れがち
まさに一長一短という感じで、どちらを選ぶか迷ってしまいます。自分がどちらを実践するか、どんな基準で決めれば良いのでしょうか?
管理栄養士の吉松さんいわく、「ダイエットを成功させるコツは、無理なく長く続けること」なのだそう。
「短期間でたくさん減量しようとすると、筋肉が落ちてしまいます。すると代謝量も落ちて太りやすい体質になったり、リバウンドをしたときに体脂肪が増えたりしてしまいます。身体がダイエットしていることに気づかないくらい、じわじわと、ゆるいステップを長期間に渡って続けていくことが、成功率アップ&リバウンドを防ぐコツです」
つまり迷ったときは「自分が続けやすいのはどちらか?」という基準で選ぶのがポイントです。
たとえば、カロリー制限ダイエットが向いているのは、
・日頃よく食べている、カロリーが高い食品が分かっている
・米やパンを減らすことなんて考えられない
・多少の空腹感は上手に工夫して乗り切れる
……という方。
反対に、糖質制限ダイエットが向いているのは、
・空腹感を我慢するなんて耐えられない
・米やパンを一切食べないのではなく、控えるくらいならできそう
・おかずを減らさずに、自分なりに糖質を調整したい
……という方。
より簡単にまとめると、
「複雑なことを考えるのは続かなさそう!」→ちょっと我慢するけれどシンプルなカロリー制限が向いています。
「空腹感を我慢するのは続かなさそう!」→栄養のバランスをとりながら我慢の少ない糖質制限が向いています。
自分にとってどちらが「続かなさそうか」を考え、その逆の方法を選ぶことで、ダイエットの成功率が上がります。迷ったときはぜひ参考にしてみてくださいね!
さらに次回、2つのダイエット方法について「より成功率を上げるコツ」をご紹介します。意識して摂りたい食べ物や避けたい食べ物について、具体的に教えて頂きましょう!
次回はコチラ→
※インタビュー内容は今までのダイエット指導経験に沿ったものです。
お話を伺ったのは…
吉松智美さん
大学卒業後、管理栄養士国家資格取得。病院の管理栄養士として8年間勤務ののち、株式会社リンクアンドコミュニケーションへ入社。ダイエットアプリ『カロリーママ』担当者として開発に携わる。
iOS版/Android版
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(取材・文/豊島オリカ)