「煎茶」「番茶」「玉露」って何が違うの?意外と知らない緑茶の基本【違いは何!?】

ひとくちに「緑茶」「日本茶」と言っても、本当にたくさんの種類があります。
たとえば「煎茶」「番茶」そして「玉露」。さらに「抹茶」やら「ほうじ茶」やら、日本のお茶にはさまざまなものがありますが、あなたはこの違いを聞かれたら答えることができますか?

緑茶
(c)Shutterstock.com

意外と知らない「お茶」の違いとその特徴について、静岡県100銘茶協議会会長である茶師、五代目本多茂兵衛さんにうかがいました。

 

「煎茶」「番茶」「玉露」って何が違うの?意外と知らない緑茶の基本


日本茶の種類は大きくふたつの点で分類されます。

ひとつは「栽培」。お茶の木をどう育て、どう摘むかです。
ふたつめは「製造」の方法。蒸すのか、炒るのか。その時間は?といった違いです。
そこに季節や品種が絡み、より細かな種類分けがされています。

◆煎茶

広義では、日本茶のほとんどが「煎茶」です。カフェインが多いので、仕事や勉強を頑張りたいときにおすすめです。

製法:お茶の葉を太陽の下で栽培。蒸したあと、針のような形に揉み上げます。
:渋い。いい煎茶は苦さがなく渋いです。濃厚な滋味、旨み、甘みもあります。

◆番茶

夏や秋の葉で作った大衆向けの煎茶のことです。関西ではほうじ茶を「番茶」と呼ぶこともあり、地域によって呼び方が違うので注意しましょう。
短時間で淹れられるので、食後の一杯や時間がないときにぴったりです。

製法:製法は煎茶と同じで、夏や秋の葉で作ったものです。
:渋いのが苦手な方におすすめ。香ばしい香りがします。

◆玉露

日本茶の味わいの中で、甘み、旨みの最高峰が「玉露」です。特におもてなしのときにはおすすめです。

製法:お茶の葉に覆いをかぶせ、光を当てないで栽培。蒸したあと、針のような形に揉み上げ乾燥させたものです。
:苦みがない。覆いの香り(磯っぽい、青のりのような香り)がします。

◆抹茶

茶道や抹茶スイーツなど、ファンも多い「抹茶」。実はお茶の栽培段階までは「玉露」と同じ製法で作られています。

製法:お茶の葉に覆いをかぶせ、光を当てないで栽培。蒸したあと、揉まずに乾燥させて、粉にひいたものです。
:苦みがあります。こちらも玉露同様、磯っぽい覆い香があります。

◆ほうじ茶

他の日本茶に比べるとカフェインが少なめなので、さっぱりと飲みたいときにおすすめです。

製法:蒸して乾燥させた日本茶(基本は番茶や煎茶)を高温で焙じた、二次加工のお茶です。
:香ばしいですが、葉自体は緑茶なので、漬け込むと煎茶のような味わいになります。

上記の5つはすべて緑茶であり、日本茶です。それぞれ特徴があるので、いろいろ取り揃えてシーンによって飲み分けるのも楽しいですよね。
次回はさらに「結局どう淹れたら美味しいの?」「緑茶は健康にいいって言うけど、何がどういいの?」など気になる疑問についてご紹介していきます。お楽しみに!(後藤香織)

回答してくれたのは……
五代目 本多茂兵衛さん
富士市茶手揉保存会会員、静岡県100銘茶協議会 会長、静岡県発酵茶マイスター
静岡県富士市に五代続く富士山まる茂茶園にて、製茶に勤しむ。

取材協力/茶事変 (お問い合わせ先 info@chajihen.com)
茶事変
<Change tea, Change life.>お茶が変われば、暮らしが変わる。
茶事変は、お茶のもつ可能性を拓き、お茶の楽しさ、面白さそして茶のある暮らしのゆたかさを世界中の人と分かち合っていく静岡発のプロジェクトです。碗
茶事変プロジェクトが展開するイベント、その名も「碗」。伝統を踏まえながらも、もっと自由で楽しい茶席を。茶席を今の時代に向けてリ・デザインし、一茶一皿のペアリングを創りました。茶の可能性に酔う一夜の茶席をぜひお愉しみください。
碗

 

 

★社長とCEO、偉いのどっち?「違いは何!?」シリーズ一覧はコチラ

★【超簡単派?】プロに教わる「本当に美味しい水出し緑茶」の作り方【こだわり派?】

>CanCam.jp TOPにもどる