そもそも、「結婚=幸せ」なの?独身歴46年の女編集長が語る、婚活、結婚、幸福。

ときに人は「結婚してないなんて不幸」「●●歳までにアレしなきゃ」とか、あくまで他の人のものさしで計った「幸せ」の基準に振り回されたり、焦ってしまうことがあります。
あの人は結婚して子どももいる、家も買ったみたい。でも私は彼氏もいないし……人生どうしよう!? なんて、焦れば焦るほどうまくいかなかったりする。

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でも、そもそも、結婚って絶対的な幸せなんだろうか。
なんとなく「結婚するのが当たり前、結婚してこそ一人前」なんて刷り込まれているけれど、じゃあそれを裏返した「結婚していないと不幸」なんてことは、本当にそうなんだろうか。
たとえば、今の私は独身だけれど趣味や仕事でじゅうぶん満たされて、楽しくて幸せ。一方で、結婚生活がうまくいかず、旦那さんの愚痴をずっと言っている人がいる。もちろん、幸せの尺度は人それぞれだけれど……果たして、結婚していない人が不幸で、結婚している人が幸せなのでしょうか。

 

これまで、独身女性が気になる「仕事と恋愛の両立」「本気で婚活をしてわかったこと」など、多岐にわだる話題について、独身歴45年・自分らしく自由に自立して生きる女性のためのメディア、「OTONA SALONE」編集長を務め、自身の体当たり婚活経験を赤裸々に書いた「40代編集長の婚活記」を連載する浅見悦子さんにうかがってきました。

そんな浅見さんへのインタビュー、最終回の今回は、婚活、結婚、人生、そして幸せとは何か。総まとめをしていただきました。

 

◆Q.婚活をし始めて、変わったことはありますか?


これまで私は、ひとりの世界で十分楽しかったから、それでよかったんです。もっとこの人と一緒にいたい、24時間365日いてみたい、と思った相手もいなかった。

でも、婚活をしていろんな人と出会っているうちに、デートをもっと重ねたら、そういう相手が出てくる可能性もあるんじゃないかと思いました。たとえば私はこれまで好きな芸能人のDVDをひとりで見ていたらじゅうぶん楽しかったけど、もしかしたらそれを誰かとふたりで見て、一緒にわいわい言ってくれたらもっと楽しいかもしれない。今ひとりでしていることをふたりでしても、楽しいこともあるのかも、と思えるようになりました。
そして、嬉しいと思うことの範囲が広がりました。これまでも、よっぽどの高級フレンチでもなければ、たいていのお店は別にひとりでも行ける。でも、ここにふたりで来たから楽しいかもって思ったこともあったんです。

それに、若干高飛車な発言かもしれませんが(笑)、あるデートで、とてもジェントルマンな方とお会いしたんです。エスコートがスマートで、レディファーストが徹底している。ドアはもちろんさっと開けてくれて、食事のときもすべて取り分けてくれて、飲み物の注文もしてくれて……。人生でレディ扱いされたことがほとんどなかったので、「あっ、レディファーストってこういうことなんだ……!」と、嬉しくなってしまいました(笑)。でも、もしかしたら、これまでの人生で「第一印象が微妙だからデートしない」と突っぱねてしまった人の中にそういう人がいて、この嬉しさをもっと早く知ることができた可能性はあるんですよね。だから、前回の話にもつながりますが、一発で×にしないで、多くの人とまずはデートをしてみたらいいと思います。

 

◆Q.結婚について、正直憧れや焦りを感じることはありますか?


現在46歳の私は、結婚への憧れも焦りも特にありません。コスプレが好きだから、衣装としてウエディングドレスを着てみたいと思うことはありますが、高校生のときに軽井沢かどこかでドレスを着たことはあるので、それもそこまででもないです。

私自身は焦りはないですが、「結婚したい」という気持ちが強くある方は、早く婚活を始めたほうが対象の相手は広がります。ただ、現時点でどちらでもいいなら、特にそんなに焦ることはないと思います。
実際、結婚や婚活以外でも、何に関しても今しかできないことはたくさんあります。たとえばかわいいビキニを着てナイトプールに行ってみることもそうでしょうし、何よりミニスカートも今しか履けないですよ(笑)! 脚が太かろうがなんだろうが、肌がパーンと張っている20代じゃないとなかなかミニスカートは履けない。ロングスカートを履いてる場合じゃないですよ(笑)。

新しいものを常に取り入れる気持ちや、それを怖がらない気持ち、挑戦する気持ちがあるなら、婚活は何歳になっても始められます。婚活をしてみた結果、結局結婚しなくても、婚活してみること自体が楽しいかもしれない。実際私は楽しかったし、いい経験になりました。

 

◆Q.ふと将来について、急に不安になることはありませんか?


将来について考えると、やっぱり健康面については、いつなんの病気になるかは誰にもわからないから、そこに不安を感じることはあります。もちろん健康診断や人間ドックにはしっかり行っていますが、人間の細胞は日々劣化してしまうし、がん細胞は誰の体にもあって、どのタイミングで活発になるかはわからない。……でも、寝たきりになるんじゃなくて、ずっと元気だったのに、ある日突然コロッと死ぬ、という、いわゆるピンピンコロリに憧れます(笑)。

実際、ひとり暮らしだと、急に倒れて誰にも発見されなかったらどうしよう……と心配になることはあります。だから、最終的には、そういう不安を持つ、私たちのような人が入れる施設を作りたいんです。今の施設ってだいたい、少しボケてきた頃に入るとか、子どもがお見舞いしやすいところにするとか、入居者自身が積極的に選ぶわけではないパターンが多いじゃないですか。そうじゃなくて、家を買うときのように自分でパンフレットを見て熟考して、「私はここがいい!」と自分で決めたい。できれば、作りたい(笑)。

 

◆Q.「結婚=幸せ」、「結婚していない=不幸」という風潮について、どう思いますか?


先ほども言ったように、私は婚活をすること自体は楽しかったです。

でも、今世の中にある「結婚=絶対的な幸せ」という風潮は、本当にそうなのかな? と疑問に思います。
もちろん、結婚することが幸せな人はいます。実際にそう思う人が多いのかもしれません。でも、それと同様に、結婚しないことが幸せな人もいます。今結婚している人も、うまくいっていなくていやいや一緒にいて、実は離婚したほうが幸せな人もいる。それだけの話です。

私は、「結婚していないこと=不幸だ」と思われる世の中を変えていきたいんです。「こうなるのが当たり前」とか「普通はそうだよ」と世の中で言われていることは、必ずしもそうじゃないはず。自分に合った幸せを自分で見つければいい。幸せの尺度は人によって違います。人生を自分で決めて選んできたなら、他人にどうこう言われても、幸せだと思うんです。

昔取材したアーティストさんに言われて、心に残っていることがあります。「CDが100万枚売れることが幸せな人もいるけれど、僕たちは自分が好きな音楽を作れて、それをサポートしてくれる人が周りにいて、その音楽をいいと思ってくれる人が何人がいれば幸せだ。幸せの尺度は人それぞれだ」と言っていて、あぁ、わかる、と思ったんですよね。

今の私は、結婚して、多くの人に「おめでとう」と言われることが幸せだと思っているわけじゃない。自分が心地いいと思いながら生きている毎日の積み重ねがあれば、それが幸せなんです。
もちろん「絶対に結婚しない」と決めているわけではなく、結婚のことは否定も肯定もしません。したかったらすればいいし、したくないならしなくてもいい。それだけです。私自身、結婚が心地いいと思えるようになったり、この人と一緒にいたら今より楽しいかもと思えたら、そのときに結婚するんだと思います。

 

 

浅見さんへのインタビューを通して感じたことは、幸せの道はひとつではない、という、当たり前だけど、忘れがちなこと。世の中で多数派だとされている「当たり前」を持っていなければ幸せではない。あれがなければ幸せではない。そうやって私たちは、つい焦ってしまいがちです。けれど、焦ったときほど、私たちは本当に大事なことを見失ってしまっているのではないでしょうか。

今の毎日を楽しんで、人生を大切に生きる。出会いがなければ、浅見さんのように一度婚活をしてみる。多くの人に会ううちに、自分ひとりでかたくなに思い込んでいた思い込みから解放され、前に進むこともあるでしょう。もしかしたら、「私はやっぱりこれはいらないんだ」と、いらないものがわかるかもしれません。
この連載を読んだ方が、何かを行動に起こそうと思ってみたり、肩に入り過ぎていた力が抜けたり、不要な心配が抜ければ幸いです。

幸せの形は人それぞれで良いのです。あなたの人生を生きるのは、あなただけ。幸せは既製品ではなく、あなたが見つけ出し作る、あなた専用のあつらえものなのです。

 

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OTONA SALONE編集長・婚活コラムニスト 浅見悦子

40代からの「自分らしく自由に自立して生きる」女性webメディアOTONA SALONEを2016年に立ち上げ、現職に。自らカラダを張りまくって40代女性の本音とリアルとガチなファッション、美容、婚活、仕事、女性の生き方の記事を執筆中。
婚活歴1年半、美容・健康編集者歴22年、元『S Cawaii!』編集長。
1972年生まれ。恋人いない歴8年超の独身街道まっしぐら。

★オトナサローネ https://otonasalone.jp/
★浅見さんの人気連載「40代編集長の婚活記」はコチラ https://otonasalone.jp/tags/series-around40konkatsu/

構成/後藤香織

 

 

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