『AneCan』専属モデルとして活躍する葛岡碧さんの誕生日記念インタビュー、2回目です。今回は29歳で印象深かったセミヌード表紙や、20歳で上京してからの激動の日々、そして『Ray』モデル時代の葛藤などをじっくり語っていただきました。
前回のインタビューはコチラ→ AneCanモデル葛岡碧、祝30歳!「笑いじわができるようになりました」
Woman Insight編集部(以下、WI) 29歳でいちばん印象的な出来事はなんですか?
葛岡碧さん(以下、葛岡) やっぱり、『AneCan』2013年9月号の、セミヌードの単独表紙です。周りからも「碧がやるとは思わなかった」と驚かれたし、反響も大きかったし……。
WI これまでは、下着の撮影も断っていた、という話を小耳に挟みましたが、それも飛び越えて突然セミヌードというのは、どんな心境の変化があったのでしょうか。
葛岡 よく考えてみたら、断る理由がなかったんです。これは嫌だって閉じこもるより、いろいろやってみないと見えないことのほうが多いし、開けていくことが多いのかな、と。実際、セミヌードをやることによって見えたものや気づけたものも、すごく大きかったです。
WI どんなものが見えたり、気づけたりしましたか?
葛岡 「無」になったんです。まったく何も着ない、何も持たない。顔もすっぴんで、本当に着飾るものが何もない。自分の顔と体だけで表現をする。それはとても「無」でした。そして、普段いかに洋服や小物に頼っていたかということを思い知りました。普段は服も着てヘアメイクもして小物も持って、表現の幅がとてつもなく広いところにいるのに、なんて狭いところでかたまっていたんだろう、と。それに改めて自分の体と向き合うこともできました。でも、セミヌードは、30歳を過ぎていたらやらなかったかもしれない。あのタイミングじゃなかったら、きっともうやることはなかったと思います。
WI もっと大きく、20代を振り返るといかがでしたか?
葛岡 時間の流れがとにかく速かったです。20歳で上京してからはとにかくずっと忙しくて、3年くらいほとんど休みがなかったんです(笑)。自分から「休みはいらない」と言っていましたし、本当に走り続けていた。最近親にその頃のことを聞く機会があったのですが「その頃の3年は実家にも帰ってこないし、たまに帰ってきたかと思えばすぐ遊びに出るし、全然家にいなくて、本当に忙しかったよね」って……。とにかく仕事しかしていなかったけど、それが夢中で楽しかったです。プライベートで思い出すことは……「当時はこんな人とつきあってたなあ」とか、それぐらいです(笑)。
WI そんな激動の20代の中で「これは自分のターニングポイントだった」というものはありますか?
葛岡 やっぱり『AneCan』に入ったこと。「葛岡碧第2章」じゃないですけど、いろんな面で、大きく変わったな、と思います。
WI 長く専属モデルを務めた『Ray』から『AneCan』へ。今思えば大きく違うことはなんですか?
葛岡 まず『Ray』で専属モデルをしていた9年間は、自分が若かったこともあるんですが、ただただ「負けない」ことを考えていました。同じような世代の同じようなタイプの子がいて「次は誰が表紙をとるんだ」というか……。私がいる間に編集長が4人か5人変わって、編集長が変わるたびに、今でいう推しメンじゃないですけど、メインのモデルが変わっていった。すごく出ていた子がまったく出なくなったり、その逆で小さくしか出なかった子がメインでバンバン出るようになったり。そのとき「この世界は残酷なんだ」と思いました。もちろん頑張りも大事なんですが、それだけじゃなくて運もあるし、そのときのファッションと自分が合っているか、というタイミングもあるし。その頃の自分は、とにかく頑張ってないとすぐに消えてしまうと思っていました。ただただ自分と戦って、負けず嫌いで、いろんな葛藤がある時期でした。今思うと、すごく良い経験をさせていただいたと思います。
WI 『AneCan』に入ってからはどうなりましたか?
葛岡 それまではとにかく人と比べてばかりだったんですが、『AneCan』では「碧らしさを出していけばいいよ、自分は自分でいいよ、もうみんな大人だから」と言われて……。「私らしさってなんだろう?」と、初心に返って考えるようになりました。『AneCan』は、全然違うキャラの全然違う人たちが集まっている。だから「他の人と比べてどうだ」ではなくて、自分をいい状態で成長させて、自分だけに集中できるようになりました。
WI どういう「自分らしさ」を伸ばしていきたい、出していきたいと思いますか?
葛岡 いろいろあるんですが……具体的に決めて出していくのはこれからかな、と思います。例えば「露出してもヘルシーに見える」とか、「碧カジュアル」とか。『AneCan』に入ってからは甘いのも辛いのも両方着させてもらったり、いろいろ打ち出してもらっている中で少しずつ「自分のキャラ」が見えてきた気がするのですが、葛岡碧第2章は、まだまだこれからです(笑)。
『AneCan』誌面を見ていても、確かに葛岡さんはありとあらゆるジャンルを着こなしている。これからさらに「自分らしさ」を伸ばしていくとしたら、いったいどんなふうに素敵になっていくのでしょう……楽しみです。
さて、次回は葛岡さんが20歳までを過ごした故郷・仙台について。葛岡さんと同じく宮城出身のWoman Insight編集部スタッフが根掘り葉掘り聞きつくし、他県の方からは「細かすぎてわからない!」と思われるかもしれないレベルで語り尽くしていただきました。(後藤香織)
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