「会話が続かない」から卒業!聞き上手がやっている「相槌」と「質問」のコツ
「会話が続かない」ことってありますよね。
それはもしかしたら話す内容や相手とのフィーリングが合わない……のかもしれませんが、でも、どんな人と話しても「楽しそうに会話を盛り上げる人」もいる。
「そういう人は会話の天才なんだよ」と思うかもしれませんが、実はそんなことはありません。会話やコミュニケーションは、きちんと練習していけば着実にうまくなっていきます。
今回は、日本マナーOJTインストラクター協会代表や、マナースクール「グレース」の主宰を務め、対人関係のマナーについて知り尽くしたプロ中のプロ、笹西真理さんが語る「会話で重要な、【相槌】と【質問】のコツ」についてご紹介します。
【相槌のコツ】
コミュニケーション上手な方は相槌がうまい、と言われますが、この「相槌」には5種類あるんです。
相槌が重要と聞いて、単に「うんうん」とうなずいているだけの人もいらっしゃるかもしれませんが、それだけでは足りません。これを知っておけば会話を盛り上げやすい5種類の相槌をご紹介します。
◆「相槌」には5種類ある
1.単純相槌
これはそのまま「うんうん」「へ~」「そうなんですね」などの一言。会話にリズムを作ってくれます。
2.反復相槌
これは「映画に行ったんだよ」に対し、「映画行ったんですね」といった具合に返すいわゆる「オウム返し」です。相手の言った言葉をそのまま繰り返し、理解度を示すことで相手を話しやすくさせる相槌です。
3.要約相槌
話がバラバラとまとまらずに、話し手も何を言いたいかわからないような状態で進んでいってしまう時に話を「整理」してあげる一言です。「それってこういうことですか?」「●●ってことですね」「△△って考えられるかな」など、うまく話をまとめる相槌です。断定せずに相手に確認してあげるとなお良いです。
4.共感・同調相槌
これは「それは心配ですね」などと自分の感情を示したり、「調子を合わせる」という言葉通り、相手の話が間違っているかな、と思っても、「なるほど」などと言いながら、話をよく聞いていく相槌です。
5.推進相槌
この「推進相槌」を使えるのがコミュニケーション上手な方の特徴です。
相手の話が停滞しているときなどに「その話、面白いね!」「もっと教えて」「その時どうしたんですか?」と言って、相手が話しやすいように促すことです。相手は「この人は自分の話に興味を持ってくれているな」と感じることが出来るのです。
相槌があまり上手くない人は、「自分では相槌をちゃんと使えている」と思っていても、最初の「単純相槌」しか使えていないという場合が多いんです。「話聞いてる?」と言われちゃうという方は自分が普段どんな相槌を入れながら話を聞いているか振り返ってみるといいかもしれません。
◆5種類の相槌を使えるようになる方法
もちろん、もともとセンスがあり、これらの5種類の相槌を適切なタイミングに無意識に使える方もいます。
でも、今はできない方も、訓練すればできるようになります。意識して使っていけば、それはそのうち習慣になり、だんだん身について、気づいたときには人に好かれる話し方になっていきます。
わりとやりやすいのは、「共感相槌」でしょうか。相槌のタイミングで、できる限り感情を入れるようにしてみてください。「それってすごく嬉しいですよね!」とか「困っちゃいますね」とか、どんなものでも構いません。
他にも上の5つの中で、これはあまり言っていないな、というものがある場合は、意識してそれを使うようにしてみましょう。
【質問のコツ】
「初対面の人となかなか話が盛り上がらない……」という方は、質問をすることが苦手、ということが多いですね。
「クローズド・クエスチョン」「オープン・クエスチョン」の使い分け、そして話を聞いたタイミングでの「相槌」が重要になってきます。
◆まずは「クローズド・クエスチョン」からスタート
「質問」には「クローズド・クエスチョン」と「オープン・クエスチョン」があります。
「クローズド・クエスチョン」は「はい、いいえ」や「AorB」で答えられるもの。
「オープン・クエスチョン」は相手に自由に答えてもらうものです。
会話のとっかかりは、いきなりどんな回答が返ってくるかわからないオープン・クエスチョンではなく、クローズド・クエスチョンから始めましょう。最初からどう返ってくるかわからない質問をいきなり投げてしまうと、相手も「え、いきなりそこ聞く?」と戸惑ってしまいます。「初対面なのに、そんな重いこと聞いちゃう?」という人、いますよね。これは質問が下手な方の特徴です。
◆できれば、「YES」で答えられるものから始める
クローズド・クエスチョンの中でもできれば「YES」で答えそうなものだといいですね。本当に「最近寒いですよね」「そうですね」くらいのことでいいんです。いきなり「NO」で始まる会話をすると、そこで話は終わってしまいます。
わかりやすい例としては、『笑っていいとも!』のタモリさんです。
観客の方が\そうですねー!/と返す何かを言う。あれは場の雰囲気を和ませるのにすごくいいんです。心理学的に、相手の話に「YES」と言うことは、相手に「YES」な感情を持つことに繋がっていきます。
◆尋問にしない
初対面の場合は、まだお互いのことを知らないから、お互いの共通点や共感ポイントがわからない状態です。だから質問をしましょう……と言われていますが、ともすれば「尋問」のようになってしまう人もいます。
例えばこんな会話ですね。
【尋問に聞こえる会話】
「趣味はなんですか」
「料理です」
「いつ作るんですか」
「仕事帰りの夜ですかね」
「何作るんですか」
「えっと……いろいろ……」
「質問」と言っても、こんな風に質問をしていると、聞かれているほうもなかなかプレッシャーになりますよね(笑)。そこでうまく、先ほどの「相槌」をバリエーション豊富に挟んでいくことがポイントになります。
【相槌を挟んだ会話】
「趣味はなんですか」
「料理です」
「料理なさるんですね! お休みの日にですか?」
「凝ったものは休日なんですけど、平日も冷蔵庫のあまりでちゃちゃっと作りますよ」
「すごい!どんな料理が得意なんですか?」
上の会話と聞いていることはほとんど同じですが、印象は全然変わりますよね。これが相槌のパワーなんです。相手の言うことを繰り返したり、感情を入れた相槌を入れ込みながら返事をしましょう。こうやって少しずつ「質問」と「相槌」をうまく使いこなせるようになると、いつしか会話上手になっていけますよ。
笹西真理
(社)日本マナーOJTインストラクター協会(JAMOI)、株式会社トゥルース代表。国際線CA、大手コンサルティング関連会社を経て現在に至る。関東・関西・九州を中心にマナー講師を束ね、年間約3000本の人財育成研修を行う。ちょっとした気くばりや相手に合わせる「ユアペース」を掲げ、「思いやりの心を行動で表す」手法を教育を通して広く伝えている。
(社)日本マナーOJTインストラクター協会 www.jamoi.jp
マナースクール Grace www.grace-school.jp
★笹西先生に聞いた「会話のコツ・基本編」はコチラ→ 好かれる話し方・嫌われる話し方、違いはコレ!プロに聞いた「会話」を楽しむ9のコツ