よく聞く「スキンケア」の都市伝説を、美容ドクターに本当かどうか聞いてみた

冬になり忙しい師走を駆け抜けた今、肌が荒れてニキビができてしまった、乾燥がひどくて何をしてもなかなか治らない……という方、かなり多いのではないでしょうか？

そんなときみなさんはスキンケア対策をすると思いますが、その対策本当に合っていますか？　実はその対策方法、間違っているかもしれませんよ。

ということで今回は、男性専門の総合美容クリニック『ゴリラクリニック』が全国の20代～40代の日本人男女330人に調査した「スキンケア（美肌）に関する都市伝説を信じているか」、また「それは本当なのか？」同院総院長の稲見文彦医師の解説も含めてご紹介します！

【伝説1】洗顔用のブラシやスクラブ洗顔は汚れが落ちて肌に良い？

一般回答は「そう思う」が39.4％、「そう思わない」が60.6％でした！　そう思わないという回答の方が多いですがどうなのでしょうか？

正解は……×

スクラブ洗顔やブラシを用いた洗顔は洗浄力や物理的な刺激が強すぎて、肌トラブルの原因となる恐れがあるためお勧めしません。低刺激の石けんや泡立てネット等を使用し、しっかりと泡立て手と肌が触れ合わない程度に「泡」で優しく洗うのが正しい洗顔方法です。また洗顔後は適切な保湿が必要なのは言うまでもありません。

【伝説2】洗顔は、1日に「朝夜2回」するのが肌に良い？

一般回答は「そう思う」が53.3％、「そう思わない」が46.7％。あまり多すぎるのもよくない気もしますが、普通は朝と夜2回すると思います。正解はどうなのでしょう。

正解は……△

オイリー肌の方と乾燥肌の方では洗う頻度も異なります。ただし「現代人は洗顔しすぎ」であることは間違いなく、「夜に洗顔し、朝はぬるま湯で洗い流す程度」といった位が丁度よいのも事実。とくに大人ニキビは洗いすぎで悪化することがあるため、洗顔回数は注意が必要です。

【伝説3】洗顔時は「お湯」よりも「水」で洗った方が肌に良い

一般回答は「そう思う」が38.8％、「そう思わない」が61.2％でした！　これも微妙な質問……水よりもお湯の方がいい気もしますが、水の方が肌が引き締まって目が覚める感覚もあります。う～ん。

正解は……△

正確には「ぬるま湯」で洗うのがベストです。冷たい水で洗うと交感神経が刺激され目覚めの効果がありますが、毛穴も収縮するため洗浄効果が劣るデメリットも。また熱いお湯で洗うと必要以上に皮脂を落としてしまうため乾燥肌の原因となります。【ぬるま湯＋泡洗顔】がベストチョイスです。

【伝説4】チョコレートを食べ過ぎると「ニキビ」ができる

一般回答は「そう思う」が55.8％、「そう思わない」が44.2％でした。これからバレンタインデーなどもあり、チョコを食べる機会が多くなると思います。出来ればチョコレートの食べ過ぎとは関係ないのが嬉しいですが、結果は……？

正解は……×

いわゆる俗説です。チョコレートの食べ過ぎとニキビの因果関係は不明です。ただし、栄養バランスを考えた規則正しい食事が、ニキビ予防にプラスに働くことは間違いないでしょう。

【伝説5】胃腸が悪いと「アゴや口周りのニキビ」が増える

一般回答は「そう思う」が63.9％、「そう思わない」が36.1％。よく「この場所にニキビができたらこの部分が悪い」などと耳にしますが実際のところどうなのでしょうか？

正解は……△

「皮膚は内臓の鏡」。皮膚症状の他に内科的な症状が見られる場合、またその二つが同時に悪くなったり良くなったりする場合は皮膚を診るだけでなく内臓疾患を疑う必要があります。暴飲暴食を避け栄養バランスの良い食生活を送ることが、ニキビ予防に繋がると同時に胃腸にも良い影響を与えるのは間違いないのですが、逆に「胃腸が悪い＝口回りにニキビができる」と言い切るのは難しく、医学的な証拠には欠けると思うので△としました。

【伝説6】ファストフードなど油分過多な食事はオイリー肌の原因になる

一般回答は「そう思う」が61.5％、「そう思わない」が38.5％でした！　食べ過ぎると体に良いわけではないことは分かりますが、直接肌と関係はあるのでしょうか？

正解は……○

たまに食べる程度であれば良いのですが、基本的にファストフードは栄養バランスが偏りがち。特に動物性脂肪分が多く含まれ、オイリー肌の原因になるだけでなく長期的に見れば高血圧、高コレステロール血症などの生活習慣病の原因にもなりえます。

【伝説7】日焼けをし過ぎると「シミ」の原因になる

一般回答は「そう思う」が83.3％、「そう思わない」が16.7％でした！　ほとんどの方が「そう思う」と回答したこの伝説。冬でも紫外線は地上に降り注いでいます。結果はどうなのでしょう。

正解は……○

紫外線は体にとって有害なため、防御反応のひとつとして皮膚はメラニン色素を作り出し、メラニンに紫外線を吸収させます。これが「日焼け」です。皮膚の新陳代謝（ターンオーバー）が活発に行われているうちは問題ないのですが、加齢とともに新陳代謝の速度は遅くなり、日焼けによって生じたメラニン色素が体外に排出されず残ってしまい、これが「シミ」になります。シミ予防で最も大事なのが「日焼けを避ける」ことは言うまでもありませんね。