極上の蜜を、たっぷり、とろり。究極のかき氷、「ひみつ堂」へ【たかのさんぽ第2回】

ほんもの遊び人・高野さんが教える、東京おさんぽデートのすすめ【たかのさんぽ・谷根千編・第2回】


東京・築地生まれ・銀座界隈育ち。東京の、そして日本中の「究極にいいもの」を知り尽くした「ほんとうの遊び人」、高野さんに「極上の遊び、極上のデート」を教えていただく連載、「たかのさんぽ」。

CanCam it girlの尾身綾子さんとともに行く「谷根千」エリア特集Part2です。

今回は、一年中、その季節に合わせた極上の蜜とともに、究極のかき氷を味わえる、「ひみつ堂」に行ってみましょう。

 

■【第2回】極上の蜜を、たっぷり、とろり。究極のかき氷、「ひみつ堂」へ


言わずと知れた、かき氷の超有名店、ひみつ堂。

もちろん、かき氷好きにはたまらないお店です。けれど、「正直、かき氷ってみんな好きで、よく食べに行っている人がいるけれど、私にはよくわからないなぁ」という人にこそ、行ってみて欲しいお店です。高野さんにおすすめポイントを聞いてみましょう。

高野「世の中には、「きっとこれはこんなもんだろうな」って想像して、実際のところどうなのかを知らないでいるものがたくさんあることでしょう。けれど、私は、いちばんの不幸は、「経験していないこと」だと思っています。
実際、行ってみればいい。食べてみればいい。そこで初めて、好きか嫌いかがわかります。

この『ひみつ堂』はとにかく並びます。平日でさえ、開店30分前に行っても一周めでは入れないこともある。整理券が配布されることもありますが、休日には本当に数時間並ぶということもあります。
けれど、「ディズニーで5時間並ぶか、ひみつ堂で5時間並ぶか」と、個人的にはディズニーランドと並べたくなるくらい、食のエンターテインメントがつまった空間です。一年中、かき氷をその季節に合わせた極上の蜜で食べられる、数少ない店のひとつです」

 

日本でいちばん愛されているエンターテインメントのディズニーランドと並ぶかき氷! それはいったいどのようなものなのでしょうか。楽しみ!

 

場所は、東京メトロの千駄木駅と、JR日暮里駅のだいたい中間くらい。千駄木駅から向かうときは、谷中銀座を抜けていき、日暮里駅から歩くときは、谷中の象徴「ゆうやけだんだん」の階段を経由していきます。もちろん、高野さんは目的地に向かう道中もぬかりありません。

高野「千駄木駅からひみつ堂への道中には、屋根の上の白い猫が目印の、お酒が飲める酒屋「越後屋本店」、それにおつまみや食べ歩きにぴったりの絶品メンチカツやハムカツ、コロッケを売っている「肉のサトー」「肉のすずき」があります。越後屋本店はおつまみの持ち込みができるので、ハムカツをいただきながらビールを飲むのは格別。ひみつ堂に行く前に、ちょっと小腹満たしに買っていって食べるのもいいですよ」

 

聞いているだけでビールが飲みたくなっちゃう……。

 

さて、それではいざひみつ堂に向かいましょう。

 

行った日は平日の水曜日。この日の開店は10時で、9時半前に着いたものの、女性を中心にものすごい列ができあがっていました。

 

気温30度を超える晴れの日に並び続け、10時20分に店内へ。休日の場合、「この時間に来てください」という整理券が配布されると、その数時間の待ち時間で他のお店を見て回ることもできるので、一度来てみることをおすすめします。

 

さて、暑い中並んで、いざ涼しい店内へ……と思いきや、残念ながら、ここは店内の温度が30度に設定されています(笑)。好きなかき氷を注文し、待っている間は正直、ちょっと暑い。外よりは気持ち涼しいかもしれないけれど、汗をかきます。そんなときは店内にうちわがあるので、あおぎましょう。

 

 

 

カウンター席とテーブル席がありますが、カウンター席だと、目の前で手動式の氷削機で、天然氷がうすく削られていき、そこにたっぷり氷蜜をかけるのを見ることができます。

 

 

 

高野「普通のかき氷屋さんは、たいていキッチンでかき氷が作られてきて、食べる側はその完成型を見るだけ……ということが多いでしょう。けれどひみつ堂は違う。目の前でふわふわの氷が削られ、たっぷりの蜜がかけられていく工程を、目の前で見ることができる。特に、蜜をかけるところは他より一段高くなっていて、まるでお立ち台のよう。店主が歌舞伎役者出身なこともあってか、とにかく「見せる」ことを重視しています。そうそう、ここでは“シロップ”とは呼ばず、“蜜”と呼びます」

 

使われているのは日光の天然氷蔵元・三ツ星氷室さんの天然氷。

果物や野菜の旬を追い、季節ごとにかき氷はどんどん変わっていきます。毎日メニューは変わるので、今日食べたものが来週あるとは限りません。そうやってすぐに消えていく感じも、まるでかき氷のよう。