6月21日にニューアルバム「Here I Stand」をリリースしたJAY’EDさん。LDH JAPANに移籍後、初の作品となる本作への思いを伺ってきました。
CanCam編集部(以下、編集部) とても豪華なアルバムだと思うのですが、制作秘話を教えてください。
JAY’ED 今回、EXILE ATSUSHIさんがサウンドプロデュースとして入ってくれているのですが、実は元々はこのアルバムを自分自身で作っていく予定だったんです。ある日、ミーティングでATSUSHIさんにアドバイスをいただけますかと話したところ、「もっとこういう曲が入っていた方がいいんじゃないか」とか「仲間たちにも入ってもらおう」とか色々意見を出してくれました。そんな風に相談しているうちにミーティング終わる頃、ATSUSHIさんが「よかったらサウンドプロデュースに参加してもいいかなって」って言ってくれたんです。
そんなわけで、一度作っていたアルバムの構想を一旦置いて新しくスタートすることになったんです。そこからはハイペースなスケジュールで進行していきました(笑)。今振り返れば、本当に大変でしたけど充実していましたね。アルバムが完成して、自分の中で本当にやっとスタートラインに立てたという思いです。
編集部 一番好きな曲はなんでしょうか。
JAY’ED 「Here I Stand」ですね。
編集部 そうおっしゃると思いましたが、あえて違う曲を選ぶとしたら…。
JAY’ED なんか、すみません(笑)! 個人的には「All I Did Is Grind 」ですね。ヒップホップ的なノリの曲なんですが、自分自身も模索して、譜割感を現行のヒップホップっぽさを意識して作ってみたんです。そのあと、DOBERMAN INFINITY との「Takers」に挑んだんですが、「All I Did Is Grind」を作ったことが自信になり、ラップっぽい譜割が完成しました。そんな僕にとってきっかけをもらった大事な1曲です。
編集部 ちなみにCanCam読者世代の女性に聞いて欲しい曲は。
JAY’ED 三代目 J Soul Brothersの今市くんが参加している「P.B.E 」です。「P.B.E」は「pretty brown eyes」の略で、きれいな瞳をしている女性のことを歌っている曲なんです。そういう意味でも女性の方にぜひ聞いて欲しい曲です。
編集部 詩や曲をつくったりする中で大事にしていることってありますか。
JAY’ED 詩に関しては自分自身が歌って無理のない世界観にしています。30半ばの男性が歌う内容ですね。子どもじゃない大人の男が歌うもの。これからもっとそういう意識づけをしていかなくてはいけないと思っているんです。今回久しぶりのアルバムなので、以前とどんな風に変えていくかっていうのを考えたいなというのもありますね。
曲作りに関してはわりとオープンなのかな。わりと海外のサウンドを意識しています。バラードのときはそうでもないんですが、音楽の世界はこれからもっとグローバルになると思いますし、日本の中でのサウンドもここ何年かですごく変わってると思うんです。そんな変わってきたサウンドが主流になってきているので、そういった流れも理解しようと思っています。
■JAY’ED、「今まではまわりに弱さを見せられなかった」
編集部 今回のアルバムのタイトル「Here I Stand」に対する思いは。
JAY’ED 「Here I Stand」僕はここに立っているという意味なんですが、僕が今日ここに立って歌を届けられるのはたくさんの仲間の支えがあるから。今回のアルバムに参加してくれているアーティスト、プロデューサーとして参加してくれているATSUSHIさん、関わってくれているスタッフのみなさん、こういった人たちがいなかったらこのアルバムは実現しませんでした。トラックメーカーの人たちも昔から知っている人がたくさん集まってくれたんです。
誰にでもそういう時期があるとは思うんですが、自分は3年間音楽と向き合えなくなっていた時期があり、そのとき自信をなくしていました。勝負するのも怖くて…。そんな中で、身近にいる仲間たちの気遣いや心配してくれていること、ATSUSHIさんから声をかけてもらったこと、いろんな前に進むきっかけがありました。
自分だけが夢で壁にぶち当たっているわけじゃなく、人間誰もがぶち当たる中で、自分は逃げてしまっていたんだなと思ったんです。もう一度勝負するなら、今まではまわりに弱さを見せられなかったけど、これからは自分の弱さを見せながらどんな無様な姿になっても、しっかりぶつかっていく必死さで音楽と向き合わないといい音楽を作れないなと。そういう意味でこの「Here I Stand」という強いタイトルにしました。
編集部 リスタートという意味が強い作品になるんでしょうか。
JAY’ED はい、いままでリリースしたアルバムの中でも確実に自分としては思い入れ深いアルバムになったと思います。個人としての第2のスタートとしての作品ですね。
■実はインドア!? JAY’EDが夏にしたいことは
編集部 アルバムリリースが夏ですが、ジェイドさんが夏にしたいことは?
JAY’ED 結構インドアなんですよ(笑)。でもひとつだけやりたいなと思っているのがサファリパークに行ってみたいなと。
編集部 動物が好きなんですか?
JAY’ED いや、サファリパークに行ってみたいなと思っているだけなんです(笑)
編集部 それは実現しそうですか?
JAY’ED いや、たぶん実現しないかもしれません(笑)。でも、夏の海に2年に1回くらいは行ってるんですよ。今年は行く夏になりそうです。
編集部 では、アルバムリリースをきっかけに今年やりたいことは?
JAY’ED 実際今回制作してて一番最初に感じたのは「これがあくまでもスタートライン」だということ。LDHに入って、エンターテインメントを重視する場所ということを、みなさんと話したりライブを見て感じました。それで、自分自身もライブの”見せ方”に力を入れていくのがいいのかと。ちなみにまったく踊る予定はないんですけど(笑)。そういうマインドをもって、お客さんに届けるということをしたいなと思っています。
編集部 JAY’EDさん、踊れるんですか?
JAY’ED いや、踊れないです(笑)。「The Paradise 」のミュージックビデオでは一応踊っているんです。ダンス歴がゼロで心が折れそうでしたが「俺はダンスが上手い」と言い聞かせながらやって、いい形にはなったかと思います。でも案の定、結構カットされてるところが多いんですよ(笑)。これをきっかけに基礎をつけておこうと思っています。
編集部 たくさんのアーティストの方とのコラボをされていますが、印象的だったこと、心に残っていることはありますか。
JAY’ED みなさん共通して言えるのは、忙しいスケジュールの中スケジュールを割いてくださり、すごく真剣に向き合ってくれたこと。本当に限られた時間の中で、すごくこだわりをもって「この歌詞もう一度やり直そう」などということが多々ありました。間に合うのかな…なんてハラハラしながらも簡単に「これでいいよ」と流さず、向き合ってくださることがうれしかったですね。みなさんのそういう姿勢に、ギリギリな中でも自分をより頑張ろうと感じました。
編集部 アルバム発売後のファンの方の反応は?
JAY’ED 聞いてくださった方は満足してくれているのかなと思っています。昔から聞いてくれている人が「待った甲斐があった」と言ってくれたり、昔の曲も入れてるんですけど当時の思い出とかぶせてくれたり…。本当にうれしいですよね。
もちろん今回初めてという方もたくさんいて、コラボさせていただいたアーティストのファンの方達が聞いてくださり、「今回初めて知ったけど素敵なアルバムをありがとうございます」と言ってもらえたり、うれしい声をいただきました。きっかけをATSUSHIさんをはじめ、アーティストのみなさんからたくさんいただいていると思うので、そのきっかけの中で「ちょっと聞いてみよう」「ライブに行ってみよう」と思っていただける、人を魅了できるようなアーティストになりたいと思います。そして、そういった人たちをアルバムを出すごとに増やせていけたら幸せです。
編集部 読者にメッセージをひと言お願いします!
JAY’ED 今回のアルバム「Here I Stand」はいろんなシチュエーションで聞けるものになっています。懐かしい曲だったりカバーだったり、バラエティーに富んでいるので、1曲目から最後の曲まで通して聴いていただけたらと思います!
ひとつひとつの質問に丁寧に答えてくださったJAY’EDさん。インドア派という意外(?)な一面ものぞかせ、ゆっくりと穏やかにアルバムや音楽に対する思いをたくさん話してくれたのが印象的でした! (岡野亜紀子)
2017年6月21日リリース
初回限定盤(CD+DVD) ¥3,800
通常盤(CD) ¥3,000