「おあいそ」の正しい意味を知らないと恥ずかしい!
持ち帰り鮨店『京樽』調べによると、20代・30代女性の3人に1人が「寿司デートが好き」と回答。さらに、20~50代女性のすべての世代で、半数以上が「寿司デートでは注文をリードしてくれたら嬉しい」と答えています。
男性のみなさん、カウンターでいただくような寿司屋で、スマートに振る舞えているでしょうか。まさか、「大将、おあいそ!」なんて言ってませんよね?
そこで、銀座で修業し、寿司職人になって約39年という、東京・神保町の『ひげ勘』の大将に教えてもらった、気になっていたけどいまさら聞けない「寿司屋のルール4つ」をまとめてみました。
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Q.食べるときは、「手」と「箸」のどちらを使うのが正しい?
A.どちらでも。衛生面を考えると「箸」がおすすめ
大将いわく「どちらでもいいですよ」とのこと。ただし、お寿司を食べる前、おしぼりで手を拭いてもそれでは落ちない菌や汚れもあります。かと言って、食べる前に石けんなどで手を洗うと、手に残った石けんのニオイのせいで、せっかくのお寿司も台なしに……。結果、「箸」を使ったほうがベターということでした。
Q.寿司ネタは、頼む順番があるの?
A.「酢」を使ったものから味の濃い順に。
せっかくカウンターの寿司屋に行くなら、ベストな順番を知っておくのも大人の食べ方。おまかせで握ってもらう場合はいいのですが、自分で頼む場合は、まず“こはだ”など、「酢」を使ったネタからいただくと、胃の働きもよくなり、食べたいものを最後まで美味しくいただけるのだそう。そして、白身→赤身→鉄火巻きやタレや玉子などの甘いもの……と順番に食べていくのがおすすめだそう。
Q.食事中の「箸」の置き場所にルールはあるの?
A.YES。ケース下の「台」に置くのはマナー違反!
カウンターでいただく寿司屋なら、たいてい箸置きがあるので、それを使うのがいちばん。ない場合なら、しょう油皿の縁に“箸先だけ”を置くのが正しい使い方。寿司がのっている木の皿やしょう油皿に完全にのせるのは、実はマナー違反。
もうひとつ、ネタが入ったケース下の「台」(握られた寿司が置かれる、目の前の一段高くなっている台)は、寿司職人にとって“皿”のようなもの。「たまに、眼鏡や財布を置いたり、箸を立て掛けたりする人もいますが、ここは握った寿司を置く場所なので、物は置かないようにしてくださいね」と大将が教えてくれました。
Q.寿司屋で「あがり」「おあいそ」「むらさき」を使わないと初心者丸出し?
A.NO。実はこれらは“店側”が使う隠語です。
寿司屋に行くと、お茶=「あがり」、しょう油=「むらさき」、会計=「おあいそ」……といったワードが飛び交っていますが、これらは本来、“店側が使う言葉”なので、客が使うものではありません。もともと「お客さんにわからないよう、カウンター内では“隠語”を使う」のが、寿司屋のルール。たとえば、1は「ピン」、2は「リャン」など、数字もすべて隠語に。
寿司を食べてお酒を飲んで、「そろそろ勘定かな」というお客さんに出す“お茶”は、終わりの意味で「あがり(上がり)」と呼んでいます。「むらさき」は、しょう油の色から、「おあいそ」は、“お金をいただくときはニコニコしなさい(お愛想)”という意味。
「でもいまはポピュラーになっているので、使っても大丈夫ですよ」と大将は言っていましたが、もともとの意味を知ると使うことが恥ずかしくなるかも?
【まとめ】
他にも、「お寿司はできるだけ“ひと口”で食べること」。2口以上で食べようとすると、シャリが崩れたりして見た目にもキレイではありません。ひと口で口に入らないようであれば、「シャリをもう少し減らしてください」など要望を言えばOK。
できていなくても食べることには困りませんが、知っていて損はない寿司屋のルール。これでいつ寿司デートの機会になっても大丈夫ですね。(さとう のりこ)