中島裕翔主演ドラマ「HOPE」と原作「ミセン」、共通点と相違点から見る見所3つ

【1】主人公を演じる俳優2人は“アイドルグループの一員”。ただしキャラクターのバックボーンは違う!

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(『ミセン』の主人公チャン・グレ役のイム・シワンさん)

『ミセン』で主人公チャン・グレを演じるイム・シワンさんと、『HOPE』で主人公の一之瀬を演じる中島裕翔さん。二人はともにグループの一員で、アイドル活動をしていて、演技の分野でも活躍しているという意味では共通しています。ただ、二人の演じるキャラクターは、少し違っています。

例えば、グレは囲碁の世界で将来を有望されていたとはっきり描かれているため、自分に自信があり、何かトラブルがあったときは、そのときの経験を活用して解決させたり、這い上がろうとする気の強さや勝負に対する大胆さを感じさせます。インターンになったときから、社員になりたいという意思もあります。それは、後がない、ここでなんとかふんばりたいと考えているからに見えました。

対して一之瀬は、プロ棋士になれなかったのは、バイトとの掛け持ちが原因で、棋士としてどこまで有望視されていたかどうかはあいまいです。ただ、とてもポジティブで、何かトラブルがあると、そのポジティブさで良い方向に考えて乗り切るタイプ。中島裕翔さん自身もインタビューで、一之瀬を明るいキャラクターにしたいとしていると語っています。劇中、一之瀬は上司の織田課長(遠藤憲一さん)から、「夢を言い訳にするな」と言われます。この織田課長の一言によって、「戦う気なんてなかった」という一之瀬がインターンの試験に対しての、モチベーションを高めるのです。

 

【2】主任と課長の年齢が大きく違うのは、日本の俳優では主人公と比べて若く見えてしまうため?

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(左から、主人公のチャン・グレ、営業3課課長のオ・サンシク、営業3課代理のキム・ドンシク。『ミセン』より)

韓国も日本もインターンの年齢は20代ですが、主任、課長を演じる俳優の年齢は大きく違います。韓国版の主任は30代、課長は40代ですが、日本の場合は、主任が40代(安芸/山内圭哉さん)、課長は50代(織田/遠藤憲一さん)。これは日本と韓国の実際の商社が、役職につく年齢が違うというよりは、課長や主任のキャラクターを演じられる俳優が、ちょっと年上だったということかもしれません。

韓国版のオ課長を演じたイ・ソンミンは1968年生まれの48歳。日本で同年代の俳優というと、福山雅治さん(1969年)佐々木倉之助さん(1968年)など。ほかにもこの年代の俳優さんは存在しますが、オ課長の貫禄を演じられる俳優は、日本ではもっと年上だということがわかります。同様に、30代の主任も、35歳の俳優では、ちょっと若く見えてしまうということでのキャスティングなのでしょう。

 

【3】人間関係の中で、“はっきりした表現を好む韓国”と“あいまいな表現を好む日本”のドラマの違いが!

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原作にかなり忠実に作られた『HOPE』。インターン同期内でのライバル関係、インターン最終日のプレゼン、課長が過去にあった出来事などは、日韓でかなり同じエピソードが描かれています。ただ、ちょっと違うのは、その感情の表し方。

日本では、一之瀬が高卒でコネでインターンになったことに、同期はザワつきはしますが、そこまであからさまに一之瀬に感情はぶつけません。ところが韓国ではグレが高卒なのを知っていながら「ハーバード卒か?」とイヤミを言う同期がいるし、先に食べ終わってグレをひとりにして、そこでもまだ彼のうわさは続きます。

またインターンの最後のプレゼンで組むことになったふたりのケンカの理由も違います。グレとソンニュルの場合は、プレゼンのやり方から始まり、現場仕事とデスク仕事の違いや、グレの上司であるオ課長のことを巡って口論になりますが、一之瀬と人見(桐山照史さん)の場合は、人見が一之瀬にスーツをプレゼントしたことからケンカに発展します。そこには、母親の買ってくれたスーツへの一之瀬の思いが強く関係しています。そして、ケンカをするにしても、実際に殴りかかる韓国版と、殴りかかりはしない日本版。はっきりした表現を好む韓国と、比較的あいまいな表現を好む日本のドラマの違いが、随所に感じられます。

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ストーリーはほぼ韓国の原作に忠実につくられている『HOPE~期待ゼロの新入社員~』ですが、こうしたちょっといた違いを見ると、韓国と日本の文化の違いが見えてきて、よりドラマを見る楽しみも増えそうです。次回は、『ミセン』と『HOPE』の注目俳優についてお送りします。(西森路代)

★中島裕翔主演ドラマ「HOPE」と原作「ミセン」、注目の日韓俳優4人をピックアップ

韓国ドラマ『ミセン-未生-』
http://www.cinemart.co.jp/misen

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