もともと占いオタクだったスピリッツ編集の瀬尾さんが、マンガの案として占いを寺山先生に提案し、占いの本を見つけるために専門書店を探していたところ、雑誌で見かけた「占い師がいる書店」に興味を持ち、2人で訪れたのだそうです。
田波 占いから見せないと話にならないですから、まず普通に占ったんです。
「田波さんの占いが当たる当たる!なんでわかるんですか!?と寺山先生が驚いて、そこからトントントンッと出来上がりました」(スピリッツ編集・瀬尾さん)。占いをしたことをきっかけに、マンガ監修のお仕事をされるようになった田波さん。「本当にご縁ですね」。
◆占いと本からインスピレーションが生まれた
田波 占いを受けられた後に、寺山先生がご本を求められていたので、書店的におすすめのタロット本について語り続けました(笑)
WI 寺山先生におすすめした本を教えていただけないでしょうか?
田波 こちらです。初心者に優しい本や、タロットカード1枚1枚に解説がついているような結構立派な本をおすすめしました。
ザ・タロット(説話社)藤森緑
タロット占術 中級から奥義まで(魔女の家BOOKS)
運命の書〜古版マルセイユ・タロット(コーベ・ブックス刊))
田波 先生がファンタジーを作りたいとおっしゃっていたので、タロットを作った人たちの悲惨な歴史が載っている本などもどうですか?という感じでお渡ししたんです。そのときに占いを受けたことと、渡された本、そのあとに寺山先生自身が占いを勉強されて、感じたものが外に出てきたストーリーが『サングリアル』ですね。
◆「ネームから一緒に入って考えています」
WI 具体的には、漫画のどのような箇所を監修されているのでしょうか。
田波 連載開始前に、タロットカード自体を寺山先生と一緒に一枚一枚全部考えたのが一番最初の監修としての仕事でした。カードひとつひとつに意味があるので、要素的にはちゃんと使用できるように作っているんです。寺山先生がお描きになったときに、自由なエネルギーにもまかせつつも、犬は絶対に入れてください、必ず岩に座らせてくださいとか、月は必ず塔が入っていますとか。3稿も4稿も重ねました。
WI この綺麗な絵柄、全部オリジナルなのですね! 最初の監修はこのタロットカードだったと思うのですが、毎月の原稿では具体的にどういうところを監修されているのでしょうか。
田波 カードが話の軸として思想の中心になっている部分があるので、ネーム(漫画のラフ)段階からご一緒させていただいています。基本は先生のアイディアで、カードをこの場面で使いたいというアイディアを、このカードに入れ替えてくださいと伝えたり、この流れだとカードはこちらをどうですかみたいに提案して、話の流れの中で説得力が出てくるようにしています。
WI ストーリー作りから本当にがっつり関わっていらっしゃるのですね。
田波 自分ひとりでものをつくっていたら、タロット解説書みたいなものしか出来ないですけど、寺山先生のイマジネーションと合わせて占いに興味のない人にまで見てもらえるのはありがたいことです。
豊富な知識と経験をもとに、監修を行っている田波さん。次回は、『サングリアル』に込められている「占いの思想」についてお聞きします。
(取材・文/たきたて玄米)
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