シリーズ累計800万部を突破した大ヒット作『明日、私は誰かのカノジョ』で知られる漫画家・をのひなお先生が、最新作『パーフェクト グリッター』をサイコミにて連載中。そして、4月30日には待望の単行本第1巻が小学館から発売されます!
生きづらさを感じる現代の女性たちを描いたオムニバス『明日カノ』から一変、『パーフェクト グリッター』は、2人の女子の出会いから始まるサスペンスストーリー。今回は単行本の発売を記念して、ドラマ版『明日カノ』で“ゆあてゃ”役を演じた齊藤なぎささんとのスペシャル対談が実現しました♡
ドラマ出演前から『明日カノ』のファンだったという齊藤さんは、『パーフェクト グリッター』の連載も読み進めているそう。この対談では、をの先生へのリスペクトを込めながら、最新作の魅力をたっぷり語ってくれました。リアルで等身大な人物描写、作品に込められた同性同士の“憧れ”という繊細なテーマについても意見を交わします。
「明日カノのドラマがあったから今の自分がある」(齊藤なぎさ)
齊藤なぎさ をの先生に感謝したいのが、最近私を知ってくださったという方で、(「ドラマ「明日、私は誰かのカノジョ」の)ゆあちゃんがきっかけだと言ってくださる方が、もう7、8割とかで。
をのひなお え、そんなにですか?
齊藤 そうなんですよ。「ゆあで知りました」とか「『明日カノ』観てました」って言ってもらえることがすごく多くて。をの先生の描く作品に、実写化で携わらせていただけたからこそ今の自分があると思っているので、本当に感謝です。
──そんな「明日カノ」を経て、をのさんの最新作として発表されているのが「パーフェクト グリッター」です。まず齊藤さんに作品に対する率直なご感想を伺いたいのですが……。
齊藤 もう、ずっと気になってて! 続きが! どうしたらいいんですか?(笑)
──めちゃくちゃわかります。(取材時点ではサイコミで第17話まで公開されていた)この最後のおじさんはなんなんだ?と……。続きが早く読みたくて仕方ないです。
齊藤 SNSで連載予告としてモモとイチカの絵が公開されたときからすごく楽しみにしてたんですけど……本当にヤバいです! 私、イチカのことがすごく好きなんです。イチカみたいな子が現実にいたら、絶対好きになっちゃう。
をの そう言ってもらいたくて描いたキャラなのでうれしいです。
齊藤 お話で言うと、まだ全貌が明らかになってないので、「どういうこと?」だらけで。モモみたいにイチカに“育てられた”女の子が何人かいるみたいだし、その理由って何? って思いますし。イチカは今どこにいるの? モモちゃんはこれからどうなっちゃうの? って気になることばかり。あとは最近出てきた男の子がいるじゃないですか。
をの あの怪しい……。
齊藤 そう! タイキくん。あの人は何!? っていう。あとはヤナちゃんも気になる。
──タイキはヤナが紹介してくれた、イチカの情報を持っているかもしれない男で、ヤナはそれこそ、モモより前にイチカに“育てられた”女ですね。
齊藤 でも、ヤナちゃんはいい子なのかなって。あんま悪い子ではなさそうだなって思っているんですけど……。あと私、(サイコミの連載ページの)コメント欄を見るのもめっちゃ好きなんですよ。
をの ありがとうございます、そこまで楽しんでいただいている!(笑)
齊藤 あそこで考察している人がいるから、コメント欄を読んでからもう 1 回読み直すと「あ、これはこういうことなんだ!」って、発見があって楽しいんです。あとは本当に1人ひとりのキャラクターが丁寧に描かれているので、「女の子ってこういうところあるよね」って刺さるところが多くて。
──「明日カノ」のときからそうですが、今回もキャラクターの言動や描写がすごくリアルですよね。ヤナの先輩のSNSのフォロワーが増え始めて、ヤナが複雑な気持ちになっていくところとか。
齊藤 そう! めっちゃ思いました。ヤナちゃんが劣等感を抱く感じもそうですし、あの先輩がリアルだなって。
──SNSで「まだ言えないけど、みんながびっくりするような人と仕事してる」みたいな匂わせるようなことを書いてマウントを取ってるところも、なんだかよく見る光景だなと思いました。
齊藤 そんな先輩も、それに影響を受けたヤナちゃんも、承認欲求がどんどん増してくるところが心に来ますよね。しかもイチカはそんなヤナちゃんを救って、依存させたわけじゃないですか。だけどヤナちゃんはどうしてイチカと離れたんだろうとか、そもそもイチカの“あの動画”はフェイク動画なのか? とか、気になるところばっかりです。
──「明日カノ」では、ゆあや萌がメインとなるエピソードは新宿の歌舞伎町が舞台になっていました。「パーフェクト グリッター」では渋谷を中心に描かれていますが、をのさんは渋谷にも取材に行かれるんですか?
をの 作中にクラブが出てくるので、クラブに行ってみたり、クラブの前にいる若者をずっと見ていたり。街も歩きました。
──同じ若者が集まる街であっても、新宿と渋谷ではまったく雰囲気が違いますよね。
をの 作中に出していないから行ってないこともあり、最近の新宿・歌舞伎町事情はわからないんですけど、渋谷にいる人とは全然人種が違いますよね。
齊藤 違いますよね。私、渋谷大好きなんですよ。
をの 私も渋谷好きです(笑)。
齊藤 渋谷ってなんでもあるから、友達と遊ぶ!ってなったら、まず渋谷に集合しようっていうくらい大好きなんです。でも新宿とは確かに違いを感じます。
をの 渋谷は若い子と言っても学生さんが多かったりで、新宿とはまた全然別の街ですよね。
お互いのMBTIは…まさかの正反対!?
──せっかくの対談という機会なので、お互いに質問などあれば……。
齊藤 (前のめりに)あ、あります! ごめんなさい、私がMBTIオタクなのもあり、をの先生のMBTIを聞きたくて……。当ててもいいですか? (悩みながら)討論者ですか……? ENTP。
をの あ、でも惜しい。
齊藤 ENTJ……?(指揮官)
をの INTP(論理学者)です。
齊藤 ああーー! 「I」なんだ。
をの 「I」ですね。齊藤さんは「E」ですよね? たぶん。
齊藤 私、「E」です。ESFJ(領事官型)なので、私と真逆ですね。
をの (一文字目の)「E」が外交的で、「I」が内向的なんですよね。だから最初に「E」って言ってくださったのが意外すぎて。初めて言われたかもしれないです。
齊藤 本当ですか! でも「〜NTP」だとは思いました。
をの すごい! なんでわかるんだろう。
──NTPだと思った理由は?
齊藤 分析が好きとか、考察が大好きみたいな感じかなと思ったので。NTPは感情よりも論理的に物事を考えるタイプなんです。
をの ああ、当たってるかも。確かにそうかもしれない。
齊藤 うれしい! ニアピンだった。やったあ!
「天は齊藤なぎさにいろいろ与えている(をの先生)」齊藤なぎさがハマっている料理は?
──をのさんからは何かありますか?
をの さっきの話に戻っちゃうんですけど、齊藤さんって渋谷とかいるんですか?
齊藤 めっちゃいますよ! 私、どこにでもいますよね?
マネージャー (大きく頷く)
をの そのまんまで!? えっ、だ、大丈夫なんですか?
齊藤 意外と。あ、でもけっこう声はかけられます。
をの マスクとかは……?
齊藤 しないんですよ。
をの しないんですか!? 大丈夫!? 気になっちゃう。
齊藤 普通に電車とかも乗りますし。
をの 電車乗る!?
──全部に驚いてる(笑)。
齊藤 電車でたまに 3度見ぐらいされることもあります(笑)。
をの 齊藤さんって雲の上の存在だから……。インスタも見させていただいてて。料理するって言ってましたよね?
齊藤 そうなんです!
をの 齊藤なぎささんって料理するんだ!? ってびっくりしました。
齊藤 うれしいー! 最近気づいたんですけど、自分で作るのが一番美味しいなって思って。
をの 上手なんですね。
齊藤 出前大好きマンだったんですけど、お金もそうですし、健康にもよくないなと思い始めて。ちょっと1回作ってみようと思って作ったら、めっちゃ美味しくて。そこから作るようになったんです。
をの 料理のセンスまであるんですか? 「作ろっかな」って思って作って、ちゃんと美味しいってすごい。
齊藤 最近グラタン作るのにめっちゃハマってるんですよー!
をの えっ、グラタンって作るの大変じゃないですか!? 天は二物どころかいろいろ与えてるんだな……。
齊藤なぎささんも夢中になる、をのひなお最新作『パーフェクト グリッター』。心揺さぶる新しい物語のはじまりを、ぜひ単行本第1巻で体感してみてくださいね♡

発売日:2025.04.30
<あらすじ>
モモには友達がいなかった
郊外の実家に住み日々SNSに写真をあげては
少ない“いいね”を糧に漫然と生きる毎日。
ある時、彼女は憧れのインフルエンサー・
イチカから一通のDMをもらう。
【momoちゃん夜会えたりする?】
果たしてそれは天国への誘いなのか、
それとも地獄への片道切符なのか。
モモとイチカ、二人の数奇な運命が交差し始める――
2019年にサイコミで連載を開始した「明日、私は誰かのカノジョ」でマンガ家デビュー。同作は2022年に実写ドラマ化され、2023年に第68回小学館漫画賞の少女向け部門を受賞した。2024年11月からはサイコミで「パーフェクト グリッター」を連載している。
X:@wnhno
2017年、指原莉乃プロデュースのアイドルグループ・=LOVEのメンバーとしてデビュー。2022年4月、MBS/TBS“ドラマイズム”枠「明日、私は誰かのカノジョ」に優愛役で出演し、女優としても注目を集めた。2023年1月にグループを卒業後、映画「恋を知らない僕たちは」でヒロインを務め、テレビ朝日「私たちが恋する理由」、映画「あたしの!」にも出演するなど、女優として活躍の場を広げる。実写版「【推しの子】」では星野ルビー役を務めた。2025年4月からはドラマ「パラレル夫婦 死んだ“僕と妻”の真実」に出演中。
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