美的編集長に聞いた2015年の人気企画は「美容の基本」と「色っぽメイク」

WI 昔は「いい」と言われていたけど、「実はそうじゃなかった」ということもありますよね。美容初心者ではない人たちとはいえ、そういうことをすべて一気に見直せることって、逆に斬新に映ったかもしれませんね。

兵庫 美容に敏感な人たちなので、流行はわかってる。でも、いま自分がやっていることが正しいのか、このままで大丈夫なのか、そう思う心に響いたのかもしれませんね。美容に限らず、美的読者は、世の中の物の安心安全、真偽にアンテナを張っているということがわかったので、スキンケアやメイクの基本を顧みることで、立ち読みで終わらない、“持って帰って読みたい雑誌”ができたと思ってます。それに、さまざまな人の細かい悩みがある中、「雑誌で、パーソナルな部分にまで応えてあげられる」というのをテーマにし、基本に戻って、ベーシックな情報を載せるということは、『美的』を作っているスタッフにとってもあらためて勉強になりましたね。

 

WI 自分の美容法が正しいのかという不安が安心に変わる後押しをしてくれるのって、「これはいいですよ」ということをやっているより、「これはダメ」と言われていることをやっていない、だから安心……ということもありませんか?

兵庫 実は、「自分がやっていることが正しいのかを知りたい」というの以外に、「何が間違っているかも知りたい」という意識も高いです。SNSを使っていろんな情報の発信者が増えているので、情報を得ることに関しては苦労はしていないけど、その中からどれが正しいのか、どれを選択すればいいのかを迷う。『美的』では、その迷っているところをセグメントしてあげて、「これがおすすめですよ」という提案をしています。美的が認定している美容のプロ100人が“間違っていることも教える”という特集もしました。また、「やってはいけない」などダメ出しする企画は、読者にとって自分事にしやすいようなので、手を替え品を替え特集しています。

 

WI やっておいたほうがいいことは際限なく出てくると思うのですが、「これだけはやっちゃダメ」というもののほうがそれほど多くないし、得る情報としては少なくて済むうえに、ダメなことのほうが記憶に残りやすいですよね。

兵庫 そう思います。12月号では、30代の“エイジング”にフォーカスを当てて、より美しい40代50代になるためにやっておくこと・やってはいけないことで、加速している老化への不安に答えるということに特化した企画も特集しました。年代をズバッと書いた見出しを使うのも『美的』としては新しいのですが、このタイトルで買いたくなったという声もいただきました。

美的,2015年12月号,絵美里

 

美容に関心のある人たちだからこそ、「いまさら聞けない“美容の基本”」が逆に、彼女たちの心に響いたのかもしれません。そしていままでは、美容のプロが発信する「いいモノ」を中心に記事を作っていたけれど、プロが「絶対にやらないこと」を提示することで、より美容の深いところを知れる機会になったはず。次回、読者にも大人気の“中村アン”について、また2016年の美容業界の予測をしていただきました。(さとうのりこ)

 

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