Woman Insight編集部（以下、WI） ご出産おめでとうございます!! 本、楽しく読ませていただきました。妊娠発覚から出産までの日記を読んでいたら、自分も妊婦気分になって……つわりを擬似体験したり、出産すら体験したような気持ちになりました。読み終わった時は、全身疲れたけど産んでハッピー!!みたいな爽快感があったくらいです（笑）。それにしても、蝶々さんがママになった、というのは驚きだったのですが。
蝶々さん（以下、蝶々） ですよね～。自分で言うのもなんですが、結婚して、出産して……みたいな流れからは大幅に外れていたし（笑）。41歳で妊娠する直前まで、物書きや講演会などの活動しながらも、プライベートは本当に、自由気ままに、世界中を旅してましたから。
WI そんな蝶々さんがママになったきっかけは何だったんでしょう？
蝶々 本には詳しく書いていますが、妊娠する数年前から「予感」はあったんです。かなりはっきりと。とっても不思議ですけれど、赤ちゃんからこの頃に産んでね、とリクエストが届くようなかんじになって。周りには何年後に子どもができるから、って言ってました。2013年秋のイベントが終わったあと、子どもができるから休む、って宣言をスタッフにしたのだけど、みんな、何言ってるんだ？みたいなかんじでキョトンとしてました。
WI そのとき既に、パートナーと出会っていたのですか？
蝶々 知り合ってはいましたが、その方がそうとは思っていませんでした（笑）。でも、無意識に ”妊活” していたような日々で。身体を温めるようなことをいろいろしたり、もうこんなに自由な旅も最後かなと思いながら旅したり……。旅先で不思議なことが起こったり……。で、その後、妊娠したという。もちろん、ある瞬間から彼と真剣に向き合うようになり、熱烈に恋愛したというのがあったからですけど。
WI 読んでいて、そのあたりの不思議で、ミラクルだけどナチュラルな流れが蝶々さんらしかったです。
蝶々 私の場合はかなり変わっているかもしれないけれど、妊娠みたいな大きな変化が来るときって、誰にでも何かしら予感や、兆しがあるんじゃないかしら。
WI というと？
蝶々 不思議なんだけど、わりと多いんですよ。大企業に勤めていたのに、なぜか会社を辞めたり、急に鎌倉に引っ越したりしてライフスタイルを変えたり。本人たちも、思い切った決断をしていると思うし、自分でもなぜこんなことやっているのかわからない……って言っていたのに、出会って、妊娠して、みたいな……。それって無意識に環境を整えているんだと思うの。この先子どもがいつ来てもいいようにと。だから、仕事を変えるとか、引っ越ししたくなるとかそういうのもサインかもしれない。でも自分はまだまだ全然……っていう場合は、まだ今の場所でやらなきゃいけないことがあるのかも。
WI サイン、見逃さないようにしなくては（笑）。 それにしても本ではつわりの日々が続いて辛そうでしたが……。
蝶々 本当に、長かったし、大変でした。年だから？とか、 今までいっぱいお酒飲んできたから？とか思ったけど、調べてみると、つわりにはいろんな学説があるみたいで。“異物である新しい命を母体が受け容れるための、体内のお掃除チューニング” っていう説がいちばん、しっくりきましたね。
WI つわりの描写はリアルで。蝶々さんは大変だったんでしょうけれど……すみません、思わず笑ってしまいました（笑）。
蝶々 よりによって、これまで全く食べたくなかったものばかりをめちゃめちゃ食べたくなって。「何やってんだろ？」って自己嫌悪するくらい食べてましたから。それまで『ひらきかた』『ひかりかた』とか言って、こういうものをこんな風に食べるといいですよ、なんて書いていたのに。試されてる気がしたし、きれいごとだけでは母親にはなれないんだと思い知りましたね。産まれてみてわかったのは、子どもはバクレツハイパーだってこと。私がハイパーでも、子どもの方が 2、3 段階ハイパー。私の方がローモデルだから、そりゃ、つわりでチューニングするには、あれくらいなるなぁ～って納得しました（苦笑）。
WI そんなハイパーな蝶々さんでも、出産は痛かったんですか？
蝶々 痛いです（笑）！ 先生や助産師さんによれば、安産、と言われる経過だったようですが……。私は、けっこう変わっているから、もしかしたら自分は全然痛くないんじゃないか、くらいに本気で思っていたんですよ。
WI 私から見ても、痛くなさそうな気がします（笑）。
蝶々 そうなの！ だから私も、産院で「私、多分痛くないと思うんだよねー。鼻呼吸で ”ふふ〜ん” とかやって、ちょっと宇宙に意識飛ばせば大丈夫なんじゃないかな？」って婦長さんとか先生にまで言っていたくらい。でも「ふ〜ん」みたいな表情されてクイックレスポンスがなくて。母にも「私、多分 安産だと思うんだよねぇ。お母さんは痛かったんだよね？」って言うと母も同じような表情で（笑）。この子に本当のことを言いたいけど脅かすのはいけないかしら、みたいな、痛ましそうな、ちょっと憐れみの顔で。何なの!? レッツ賛同！ ん？ 誰もしてこないって（笑）。でもその場になったら「わかった！ こんなに痛いんだ！ 確かに、これはただごとじゃない！」って。痛さの衝撃がすごすぎて、もうできるかわかんないって焦りました。
