ヤクザの二代目を演じた中村獅童さんは佐藤さんの推薦で決まったそう。中村さんは佐藤さんとの出会いについて「新人賞をもらった時(会場)にご一緒させていただき、『君は映画が好きなのか』って話しかけていただいた笑顔が忘れられない。映画は初めてなので嬉しかった」と振り返ると、佐藤さんは「伝承伝統芸能をやっている雰囲気が微塵も感じられなく、芝居が面白かった。舞台役者ですが映像に顔を出していただきたい俳優」と絶賛しました。
本作が、完治と敦子の出会いが運命を変えることから「運命を変えた出会い」を尋ねられ、本田さんは本作に出会えたことをあげ、中村さんは思春期の頃に「お父さんが歌舞伎役者じゃないから、主役をやるのは難しい」と会社の人に言われたことから「自分で自分らしい生き方を追及しなければ」と思ったことを告白すると、その後もポイントで必ず出会いがあり「ひとつひとつの出会いを大切にしていきたい」と語りました。佐藤さんは役者になった最初の頃に会った若山富三郎さんをあげ、厳しい若山さんから「“(役の)気持ちができるまで便所に入ってこい”と言われ、1時間以上“どうやったら気持ちってできるんだろう”」と考えていたエピソードを話しました。
食事のシーンが印象的な本作に登場する、北海道料理の「ザンギ」は佐藤さんの手作り。
料理をする佐藤さんに本田さんは驚いたそうです。
佐藤さんは「なんで手元から顔のパーンがなかったんだろう」と笑いながら監督にダメ出しをすると「原作を読み、重要なシーンだと思った。1日前に肉の下処理をして冷蔵庫で寝かせて、撮影前に揚げました。隠し味のウスターソースは微妙に万能薬」と笑顔を見せました。普段から奥様が遅くなると連絡がある時は、自分で有り合わせで作ったり、スーパーで買い物をして作るそうで「イメージ的に、麻布のレストランでワインを飲んでいるように思われますが、ほとんどないです」と笑わせました。
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