人間関係、仕事内容が合わない…「新卒が職場を1年以内に辞める理由」って何?【社会人のホンネ】

「新卒で入った会社、1年も経たずに辞めちゃった…」そんな声、まわりでも聞いたことありませんか?  今の時代“早期離職”はめずらしいことではないけれど、実際に辞めた人の本当の理由って何?

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そこで今回は、女性の転職に特化した転職サイト『女の転職type』が働く女性357名を対象に実施したアンケートをもとに、「新卒が1年以内で職場を辞める理由」について探っていきます。

職場の新卒社員が、入社後1年以内に辞めたことはある?

まず「職場の新卒社員が入社後1年以内に辞めたことはあるか?」という質問では、「たまにある」(37.6%)「よくある」(30.5%)を合わせた68.1%もの人が『ある』と回答。決して珍しいことではないようですね。

新卒社員が1年以内で辞めた理由は?

前の質問で「ある」と答えた人に、その新卒社員が辞めた理由を聞いた結果がこちら(複数回答)。1位「仕事内容が合わなかった」(51.7%)2位「人間関係がうまくいかなかった」(39.2%)がとくに多い一方で、「残業や休日など待遇面に不満」(17.5%)「給料に不満」(16.3%)は比較的少数派。“待遇面”よりも、“毎日の仕事そのもの”に対する不満が早期離職につながっているようです。

また「わからない」(40.0%)との回答も多く、辞めた理由を明かさずに辞めるケースも少なくありません。

早期退職する新卒社員について、どう思った?

新卒社員が入社後1年以内に退職したことについてどう思ったかを聞いたところ、最も多かったのは「やむを得ない事情があれば仕方ない」(62.9%)、次いで「転職は当たり前なので、特に問題ない」(47.1%)という結果に。今の時代、早期離職に対して理解を示す人が多いことがわかります。

一方で、「採用コストを考えると、企業としては残念」「もう少し頑張ればいい経験になったのでは」「せっかく入社したのにもったいない」といった、惜しい気持ちや応援のような声も聞かれました。

「社会人としての責任感が不足している」といった厳しい意見はごく少数で、昔のような“すぐ辞めるのはよくない”という考え方は少なくなってきているようです。

新卒で入社した職場で、自分はどのくらい働いた?

次に「自分自身が新卒で入社した職場で、どのくらいの期間働いたか」を聞いてみたところ、世代ごとの違いが見えてきました。

CanCam読者世代に多い20代は、「1年未満」で辞めた人の割合が30代・40代よりも少なめ。「1年〜3年未満」や「3年〜5年未満」で働いた人が多く、このあたりがボリュームゾーンとなっているようです。

「新卒で入社した職場を辞めた理由」ランキング

1位:体調不良や家庭の事情(23.5%)

メンタルや体の不調、家族の看病や引っ越しなど、自分ではどうにもできない事情での退職が1位に。周囲には言いづらく、「甘えと思われたくない」と悩みながら決断した人も多いはず。無理せず一度立ち止まることも大切な選択肢。

2位:仕事内容が合わなかった(18.5%)

入社前のイメージと実際のギャップに悩む人は少なくありません。「得意だと思ったけど向いてなかった」「思っていたより単調だった」など、やってみて気づくことも。「合わないから次へいこう」と、第二新卒の枠で転職するために1年以内で辞める人も増えています。

同率2位:残業や休日など待遇面に不満があった(18.5%)

「残業が多すぎて心も体もヘトヘト」「休日出勤が続いてプライベートが消えた」など、働き方への不満もここでランクイン。とくに初めての社会人生活では、理想とのギャップに驚くことも多く「このままで大丈夫かな」と不安になりやすいもの。

4位:人間関係がうまくいかなかった(17.9%)

職場の先輩や上司との相性、同期との関係など、対人ストレスは精神的にも大きな負担に。「毎朝会社に行くのが憂うつだった」「相談相手がいなかった」など、孤立を感じてしまい辞める決断をした人も少なくありません。

5位:給料に不満があった(17.2%)

「仕事量のわりに給料が少ない」「生活がギリギリ」といった理由から転職を考える人も。とくに一人暮らしや奨学金の返済がある人にとっては切実な問題。最初は我慢しても、将来が見えなくなると不安が募っていくケースもあります。

6位:結婚・ライフイベント(11.3%)

結婚やパートナーの転勤、妊娠・出産など、人生の節目で働き方を見直す人もちらほら。とくに女性はキャリアとライフイベントのバランスに悩むことも多く、「続けたいけど…今は一度手放す選択をした」という人もいるはず。

7位:会社の将来が不安(9.9%)

「業績が下がっていた」「上層部の入れ替わりが激しかった」など、会社の先行きに不安を感じての退職。せっかく新卒で入った会社だからこそ、「このままここにいて大丈夫?」と未来を見据えた行動に移した人も多いようです。

8位:ステップアップ・キャリアアップ(7.9%)

「もっと専門的なことを学びたい」「別の業界に挑戦したくなった」など、前向きな理由での退職も。新卒1年目で方向転換するのは勇気がいりますが、自分のやりたいことが明確になったタイミングでの決断ともいえます。

9位:会社の都合(6.6%)

配属先の閉鎖や、契約内容の変更など、個人の意思とは関係なく辞めざるを得なかったケースもあるようです。続ける予定だったのに想定外のことが起きてしまい、悔しさや不安の残る経験だった人もいますよね。

新卒で入社した職場で、もう少し働けばよかったと思う?

新卒で入社した職場を辞めた人に、「新卒で入社した職場でもう少し働けばよかった」と思うかを聞いたところ…約6割が「そう思わない」「どちらかといえばそう思わない」いずれかを回答。辞めたことで視野が広がったり、自分に合う道を見つけられたというポジティブな経験につながった人が多いと考えられます。

一方で、約3割の人は「そう思う」「どちらかといえばそう思う」と、どこか後悔の気持ちを抱えているようです。もう少し頑張っていたら何かが変わったかも…という“たられば”は、多くの人が一度は感じることではないでしょうか。

新卒社員の早期離職を減らすには、どうすればいいと思う?

1位:入社前研修、職場見学

「入社したらどんな環境なんだろう?」という不安を払拭するためにも、入社前にリアルな雰囲気を知れる機会は重要。実際のオフィスや働く人の姿を見ておくことでミスマッチの防止につながります。「こんなはずじゃなかった」を減らす第一歩の策ですね。

2位:相談しやすい職場環境

悩みや不安を一人で抱え込みやすい新卒時代だからこそ、「相談できる人がいる」という安心感は大きな支えに人間関係が原因で辞める新卒が多いからこそ、圧を感じさせないフラットな声かけや、ちょっとした雑談もOKな話しかけやすい雰囲気づくりが、早期離職を防ぐカギになりそう。

3位:ライフワークバランスの支援

休日が少なすぎたり残業が続いたりすると「このままずっと働くなんてムリ…」という不安に直結。有給休暇の取りやすさ、リモート勤務やフレックスタイム制の導入、残業削減の取り組みのほか、オンもオフも大切にできるような働き方を会社がサポートすることで、長く働き続けたいと思えるきっかけに。

4位:個別面談やメンター制度

仕事の悩みからキャリアの不安まで、定期的な面談や先輩のサポートがあると、ひとりで抱え込まずにすみます。自分の成長を見守ってくれる存在がいることで、安心してチャレンジできる環境が整うはず。面談の仕方も、上司の一方通行にならず部下が本音を話せるような工夫が必要ですね。

5位:充実した研修とOJTの実施

「教えてもらえる環境かどうか」は、新卒にとってかなり重要なポイント。しっかりとした研修や実務に寄り添ったOJTがあると、「自分もここでやっていけそう」と前向きになれます。

そのほか、6位「能力やスキルに見合った給料」7位「適切な評価とフィードバック」8位「明確なキャリアパスの提示」が挙げられました。働く側が“納得感”を持てるような仕組みづくりが、長く続けてもらうためには欠かせないようです。


もし今の職場にモヤモヤを感じているなら、まずは「自分は何に不満を感じているのか」「どうなったらラクになるのか」を整理してみると◎。部署移動や業務調整など社内でできる解決策が見つかることもあります。それでも難しければ、転職もひとつの選択肢。焦らずに情報収集をして、次の職場では納得のいく働き方やキャリアを実現できるといいですよね!(Mai)

情報提供元/女の転職type