『熱量の交換』が大事だと気づく。新番組『真空レンズ』宜しくお願いします!【ヤーレンズ出井連載vol.30】

『M-1グランプリ2023』に続き、『M-1グランプリ2024』も決勝に進出し、一躍売れっ子芸人となったヤーレンズ!
そんなヤーレンズのツッコミ担当、出井隼之介のCanCamでしか読めない!?美容情報なども盛り込んだ、エッセイ連載『ヤーレンズ出井のなんとかご機嫌に生きよう』。日々過ごす中で思ったことや、おもしろかったことを独自の目線で綴ってくれます。

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第30回目は…

ありがたいことに、地上波レギュラー番組『真空レンズ』が始まった。

企業の魅力をお届けするタイプのバラエティで、真空ジェシカとヤーレンズが企業紹介系の番組をやるなんて夢にも思わなかった。そんなことより、これが初のレギュラー番組。嬉しさのあまり、仕事が決まった瞬間に茂澄を焼肉に連れて行ってしまった。わはは。

番組はまだ始まったばかりで、探り探りの部分も多い。毎回、前回の収録の反省を踏まえてテコ入れが入るという、いわば“テコ入れバラエティ”。だが、やっていてとても楽しいので今後とも期待してもらえるとありがたい。

先日番組スタッフさんとの懇親会のような飲み会があった。アルコールの力も手伝って、ディレクターとの議論がどんどんヒートアップして、結局、店を変えて朝の3時、4時くらいまで侃侃諤諤の大議論をしてしまった。申し訳なさはあるが、あれはあれで良い時間だった。気がする。


最近の私

こうしてここ数年プロフェッショナルな人たちと仕事をするようになってつくづく思うのは『熱量の交換』は早めに済ませておくべき、ということ。
この仕事にどれだけの熱量で挑んでいるのか。どんな方向に持っていきたいのか。その確認をしておかないと、微妙なズレがあとで響いてくる。

ここで『確認』ではなく『交換』という言葉を使ったのは、完全に最近よくボクシングを観ているからで、『パンチの交換』から来ている。フィニッシュではない、けん制的なパンチが交錯する感じを『交換』と表現するのだが、それが格好いいので、つい使ってしまった。面目ない。

中谷潤人 vs. 西田凌佑、ブライアン・ノーマン vs. 佐々木尽を観て熱くなっているせいかもしれない。年末までにあと2試合、来年には対中谷戦も控えている井上尚弥。モンスター過ぎる。少しは休んでほしい。


最近の私

…完全に話が逸れたが、何かが始まるときは、始まったなりの何かをやって 『熱量の交換』を済ませるべきだと最近強く思う。

オールナイトニッポンが始まった頃、俺たちが自己紹介もしなければメールも読まなかったので、スタッフから「…やる気ないのか?」と思われていた時期があった。実際には、やる気がありすぎて空回りしていたのだが。

だからこそ、交換が要る。具体的には——決起会、これだ。

最近始まった仕事は、だいたい決起会をしている。全国ツアーも『珍道中』も、始まる前にやった。すると、だいたい調子がいい。
「嘘から出た実」ではないが、最初は自分を“無類の決起会好き”ってことにしてとにかく開催していたのだが、だんだん本当に好きになってきた。コロナでいったん滅びたかと思われた“飲み会文化”も、意外と残っていて、やっぱり意味があるんだと思う。

もちろん強制ではないし、費用は全額こっち持ち。ここは徹底する。
ただ、これは完全に個人的な感覚だが、それを形式ばった”式典”にすると一気に冷める。入学式とか結婚式みたいなのは違う。あくまで自主的にやらないと気持ちが乗らない。

そんな決起会の甲斐もあってか、全国ツアーは順調に進んでいる。
先日は富山オーバードホールでの富山公演が無事終了。ご来場いただいた皆さんには感謝しかない。


富山でのライブの様子

北陸での開催といえば、金沢や新潟が多いのに、なぜ富山なのかというと、僕の両親が富山出身で、僕自身の本籍地も富山だから。

開催地に入れたはいいものの、本当に人が集まるのか?という不安もあった。でも結果的にはかなりの倍率になってしまって、申し訳なさもありつつ、ありがたかった。

僕は子どもの頃、夏休みのほとんどを富山で過ごしていたこともあって、思い入れが強い土地。そこで公演ができてよかったし、何より見に来ていた両親がすごく嬉しそうだったのが最高だった。


富山での私

嬉しいことは続くもので、その翌週にも富山で仕事があった。太閤山ランドでのマラソンイベント。小さい頃に行ったことがある場所だったので感慨深い。
その前日の『オールナイトニッポン0』も富山からの生放送に。普段ニッポン放送のビルに閉じ込められているスタッフが一番喜んでいた気がする。あれも良かった。

僕はわりと自分に軸があるタイプの人間だと思っているのだが、最近は周りの誰かの喜びを自分の喜びのように感じることが増えてきた。
これが変化なのか、もともとあったものが表に出てきたのかは分からないが、「自分もそんなに捨てたもんじゃないな」と思う。

空き時間にはコーヒーを飲みに行ったり、博物館的なところを回ったりするのが楽しみなのだが、富山の風土や歴史については大体知っているので、今回は工芸や美術の方面へ。
高岡市の『能作』と、富山市の『富山ガラス美術館』に行ってきた。

能作は錫(すず)を使った工芸品を主に手がけていて、手でぐにゃっと曲げられるお皿や箸置きなどがある。同じく高岡出身の藤子・F・不二雄先生とのコラボ作品も多く、暗記パン型の錫製トースト皿に心奪われ即購入。


アンキパントースト皿

ガラス美術館では、富山でガラス工芸がどう発展してきたのか、その歴史や、オリジナルの色をどう開発したかという経緯に触れられて、とても興味深かった。
美術のことはよく分からないけれど、「これいいな」と思った作家の作品集を買って帰った。いい時間。



NI BODY MIST

開発者の方のインスタを見かけて購入。ニオイケアと保湿のオールインワンスプレー。80mlは携帯用としてもありがたいサイズ。


アスタリフト ドリンク ピュアコラーゲン10000

写真のフィルムの50%はコラーゲンらしいのだが、そのコラーゲンの研究を90年以上続けてきた富士フイルムの出している高品質コラーゲンドリンク。こういう謂れがあると楽しい。

★ヤーレンズ・出井隼之介の連載は隔週土曜夜配信予定です!お楽しみに★

ヤーレンズ・出井隼之介(でい じゅんのすけ)プロフィール
1987年3月2日生まれ、神奈川県出身。楢原真樹(写真左)と結成したお笑いコンビ『ヤーレンズ』のツッコミ担当。『M-1グランプリ2023』で初の決勝進出を果たすも優勝を惜しくも逃すが、一気に話題に。好きなことは、コーヒーを飲むこと(カフェ巡り)、サザンオールスターズを聴くこと、美容&メイクなど多趣味で、インスタグラムではコーヒーについても発信している。

・ニッポン放送『オールナイトニッポン0』毎月最終土曜日担当 27:00-28:50 O.A.
・TBSラジオ『パンサー向井の#ふらっと』隔週木曜日レギュラー 8:30〜11:00 O.A.
・ラジオアプリGERA『ラジオの虎』毎週木曜日20時配信
・ABCラジオ「ツギハギ月曜日〜ヤーレンズのダダダ団〜」毎週月曜レギュラー 21:15〜23:30 O.A.

★公式YouTube 『ヤーレンズオフィシャルチャンネル』
★個人公式インスタグラム @dei_junnosuke
★公式X @Yarlens_Dei

文/出井隼之介 (ヤーレンズ) イラスト/羽鳥好美 構成/田中絵理子