海外旅行でトラブルを避けたい…!「出国前に準備すべきこと」はコレ

いよいよ年末年始が近づいてきましたね。今年は最大で9連休になることもあり、海外旅行を予定している方もいるはず! でも、知らない国で過ごすのはワクワクする反面、トラブルに遭ってしまうことも少なくないのが事実。

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そこで今回は、第一三共ヘルスケア株式会社が全国の20代~60代の男女400人を対象に行った調査をもとに、海外旅行中にどんな「トラブル」が起こりやすいのかを探っていきます。また、医師が解説する「海外旅行中の体調管理のポイント」も合わせてご紹介します。

年末年始に人気の海外旅行先ランキング

年末年始に海外旅行の予定がある方に行き先を聞いてみたところ、最も多かったのは「韓国(14.0%)」、続いて「台湾(12.3%)」「ハワイ(10.3%)」がランクイン! フライト時間も短く行きやすい近場の韓国と台湾、そして円安と物価高でありながらもハワイは旅行先として根強い人気を誇っているようです。

また、比較的近い距離にある「タイ(7.5%)」「シンガポール(5.8%)」といった東南アジア圏や、たくさんの憧れの名所を満喫できる「アメリカ(5.3%)」も挙げられました。

海外旅行中に起こりやすい「トラブル」ランキング

海外旅行中に何らかのトラブルを経験したことがある人は、全体の7割以上。実際にどんなトラブルが多いのか、回答をもとにランキング形式で見ていきましょう。

【1位】言葉の壁(コミュニケーションが取れない):35.0%

最も多かったのは、言葉が通じない・読めないこと。たとえば「メニューや看板などの文字が全く読めず苦労した」「目的地への行き方を尋ねたけど、伝わらないor聞き取れなくて困った」など。「レストランで注文したものと違う料理が出てきた」「ホテルの予約トラブルがあったときに、スタッフと会話ができず時間がかかった」なんて歯がゆい体験をした人も多いはず…!

対策としては、出発前までに簡単な単語やフレーズを覚えたり、当日は翻訳アプリを活用すると、かなり意思疎通できるようになりますね。上手くコミュニケーションが取れたら旅がより楽しく感じられることも♡

【2位】腹痛・頭痛・下痢など軽度な体調不良:33.0%

「食事を楽しみにしていたけど、現地の食べ物が合わずお腹を下してしまった」なんて苦い経験がある人は多いのではないでしょうか? また、気候や環境がガラッと変ることで体調を崩しやすくなるもの。「熱を出してホテルで寝込むことに…」となればツライ!

普段あまり体調を崩さない人でも、海外旅行時に常備薬は必須といえるでしょう。食あたりを避けるために、海外では生ものを食べないようにしたり、水道水を飲まないことも大切。体調不良で病院にかかった場合に治療費や入院費などの補償が受けられるよう、海外旅行保険に加入しておくと安心です。

【3位】交通機関のトラブル:28.0%

「電車やバスの大幅な遅延によって計画通りに観光できない」「飛行機がストライキで遅れて、てんやわんやに…」というトラブルはかなり多い! 電車やバスが予定時間ほぼぴったりに発着する日本のすばらしさを実感するものです。

交通機関がストップしてしまったら、予定変更してその場所で楽しめることを探したり、移動手段を変えたりといった対策も念頭に置いておくとよさそう。旅先のタクシー事情は事前によく調べておくと◎。焦らず対応できる柔軟さとメンタルも必要になるはず!

そして、4位以降はこのようなトラブルがランクインしました。

【4位】ホテルでのトラブル(ホテル側の予約不備、不当請求、設備の不具合など):23.3%
【5位】ぼったくり(不当請求):23.0%
【6位】盗難・スリ:12.8%
【7位】ロストバゲージ:12.5%
【8位】医療機関での治療を必要とする重度な体調不良・ケガ:8.0%

海外旅行中に起こりやすい体調不良は…「下痢・食あたり」「腹痛」

先ほどのトラブルランキングでは、2位「腹痛・頭痛・下痢など軽度な体調不良」8位「医療機関での治療を必要とする重度な体調不良・ケガ」がランクインしていましたが、海外旅行中の体調不良・ケガの経験者は実際に6割以上もいるようです。

起こりやすい症状は「下痢・食あたり(26.8%)」「腹痛(26.0%)」で、お腹の調子が悪くなる人が多い結果に! 食事や水が合わない、衛生環境が悪い、慣れない土地で過ごす不安やストレスなどが原因として考えられそう。

体調不良に備えて「海外旅行にコレ持って行ってよかった!」と思うアイテムは?

海外旅行時の体調不良に備えて、実際に持って行ってよかった健康・衛生管理アイテムを聞いてみると…「除菌シート・スプレー(32.5%)」「解熱鎮痛剤(31.3%)」「マスク(28.0%)」が上位にランクイン。日本と比較すると衛生環境がよくない国が多いことはもちろん、コロナ禍を経てよりいっそう衛生管理に関する意識が高まっていることが背景にありそうですね。


【内科医が解説】海外旅行時の体調管理方法

ここで内科医の丹羽崇先生より、「海外旅行時の体調管理方法」について解説していただきます。


医師 丹羽崇先生(Medifellow CEO)
2005年愛知医科大学医学部卒業。2017年より神奈川県立循環器呼吸器病センター呼吸器内科および倉敷中央病院呼吸器内科にて臨床研究管理者・呼吸器インターベンション指導医を兼務。2019年にオンライン医療相談事業を運営する株式会社Medifellowを設立。総合内科専門医・指導医、呼吸器専門医・指導医、気管支鏡専門医・指導医などの資格を有するほか、国内外学会での活動実績や受賞歴を複数有する。現在も診療ガイドライン作成委員や厚生労働省難病指定疾患研究班委員を務め、胸部血管内治療や気管支鏡診断・治療の発展に努めている。

◆出国前に『外務省HP』を見ておくと◎

基本的に旅行先で注意するべきことに関しては、外務省のホームページが有用です。出国する前に渡航予定国の情報を見ておくことで体調管理に役立ちますので、ぜひ参照してください。

◆外務省のサービス『たびレジ』の登録もおすすめ

渡航者を対象に外務省が提供しているサービス『たびレジ』に登録すると、安全情報をメールで受け取れるほか、緊急時の連絡、安否確認、支援などが受けられるようになります。新型ウイルスのパンデミックが旅行中に起きてしまったとき、旅先で特有の病気が流行ってしまった際にも、心強い情報ツールになります。

◆環境の違いをよく調べて準備して

慣れない環境が体調不良につながることも。国による空調設定温度の違いや水の性質(硬度や清潔度)の違いなどを想定して、脱ぎ着できる服を持参したり、水や氷に注意するなど現地で対策できることを準備して、体調不良を未然に防ぎましょう。

◆体調不良になってしまったら…

何らかの体調不良が起きたとき、「いつもと違う」を大事にしてください。たとえば、普段生活をしている中での比較的軽度な体調不良(風邪や腹痛など)に比べて「強い症状が出たり症状がなかなかおさまならいとき」は、病院受診を検討すべきサイン。それほどでもない症状であれば、旅行中の体調不良に備えて、飲み慣れた薬を持参することで十分対処できるでしょう。

◆持参するといい市販薬・衛生用品

『解熱鎮痛薬』『総合感冒薬』『抗アレルギー薬』『胃薬』『吐き気止め薬』の5つを持参すれば基本的に大丈夫。できれば市販薬は飲み慣れたものを持っていくようにしてください。海外の薬は用法や用量が日本とは異なる場合があるので、市販薬を国内で事前に購入し持参することも重要な対処法となります。

『虫よけスプレー』や『虫刺され用の薬』も持参することがおすすめ。特に東南アジアや中南米に渡航すると蚊避けは必須です。マラリアやジカ熱など蚊を媒介した感染症のリスクから防ぐためにも、事前に虫よけスプレーで対処しましょう。

何問正解できる?海外旅行時の「正しい薬の持ち込み方」○×クイズ

市販薬は箱ごと持っていくことをおすすめします。ケースに入れ替えての持参や箱から出しての持ち運びは、薬の名前や正しい使用方法がわからなくなってしまう場合があるためです。海外では、粉薬は違法薬物の疑いを掛けられるので極力避けた方がいいでしょう。薬は預け手荷物に入れても、手荷物として機内に持ち込んでも構いません。そして中には、持ち込み可能な薬の数に上限を設けている国もあるのでご注意ください」(内科医・丹羽崇先生)


トラブルや体調不良に遭ってしまったときこそ冷静な判断が大切。また、「これから慣れない土地に行くんだ」ということをしっかり意識して、事前に本やネットなどで旅先のことをよく調べておくと安心材料になりますね。本記事をひとつの参考に、海外旅行を満喫する準備をしていきましょう!(Mai)

情報提供元/第一三共ヘルスケア株式会社