今年もいよいよ冬本番! 寒さが厳しくなるこの季節、「手足が冷えて寝つきにくい」「寒さで夜中に目が覚めてしまう」など、睡眠の悩みを抱える方も増えてくるはず。では、冬でも快適な眠りを手に入れるにはどうすればいいのでしょう?
今回は、パナソニック エアーマイスターであり快眠改善インストラクターの福田風子さんに、エアコン暖房の上手な使い方や睡眠時にやってはいけないことなど「冬の快眠のコツ」を教えていただきました。
教えてくれたのは…
パナソニック エアーマイスター兼快眠改善インストラクター 福田風子さん
【パナソニック株式会社 空質空調社 日本マーケティングセンター 空気事業マーケティング統括部】
自宅に異なる4機種のエアコンを設置し、機能の違いや風の違いを感じ分ける。スマホを使って家中のエアコンを遠隔操作したり、時にはカビの発生したエアコンを自ら入手・分解して調べるなど担当の枠を超えてちょっとしたエアコンマニア。
冬の睡眠に関する調査
まず、パナソニックが全国のエアコンを所有している20~60代の男女514人を対象に「冬の睡眠」に関するアンケートを実施。
Q.冬の睡眠時に、なかなか寝つけないことはある?
今冬の睡眠時になかなか寝つけないことがあるか質問すると、「頻繁にある」「たまにある」を合わせた79%がなかなか寝つけない経験をしている結果に…!
Q.寝つけない理由は?
寝つけない理由を聞いてみると、最多の「わからない」(38%)に続いて「寒さ」(32%)がランクイン。冬の夜って本当に冷え込みますよね。布団に入っても手足が冷たくてなかなか寝つけなかったり、真夜中に寒さで目が覚めてしまったり…そんなふうに、冬は快適な睡眠をとるのが難しい季節。
では、どうすればぐっすり眠れるようになるのでしょうか? パナソニック エアーマイスター兼快眠改善インストラクターの福田さんに「冬の快眠のコツ」を解説していただきます。
快眠のコツ①「エアコン暖房」を上手に使って睡眠環境を整えて
■寝室は「室温15〜20℃、湿度50〜60%」をキープ
寒い時期でも快適に眠るには、寝室を暖かくキープして睡眠環境を整えることが大切。エアコン暖房を使って室温15~20℃、湿度50~60%を保てるようにコントロールしましょう。
室温を暖かくキープする理由は2つ。1つめは、冷たい部屋の空気を吸い込むと肺が冷えて、睡眠の質を低下させてしまうから。そして2つめは、布団の中の温度と室温に大きな差があると体に負担がかかってしまうからです。
冬場でも布団の中は32~34℃と暖かいため、たとえば室温が10℃以下の場合、布団の中との温度差は20℃以上。トイレなどで夜中に目が覚めて布団から出ると、一気に体が冷えて危険!
就寝時の室温を15〜20℃に保つには、設定温度18℃程度を目安にエアコンの活用を始めて、室温計を見ながら快適な設定温度を探してみましょう。暖房を使用すると部屋が乾燥しやすいので、湿度の調節も忘れずに。50~60%を目安に加湿器などを使ってコントロールしましょう。また、温度が高いほど乾燥が進むため、乾燥が気になる場合は設定温度を下げてバランスを取ってみてください。
■就寝20~30分前に、布団をめくって寝具を暖めておく
寝室をエアコンで暖めているときは、寝床に入る20~30分前に布団をめくって寝具も暖めることがポイント。冷たい寝具で体が冷えることもなくなり、寝つきがよくなります。
■風量&風向きは…
睡眠時にエアコンの音が気になる場合は「静音モード」や「弱風モード」を使いましょう。風向きは下へ向けるのが基本ですが、体に風が当たると不快に感じるなら水平もしくは上向きでもOK。また深夜から明け方の冷え込む時間帯は、エアコンが室温を上げようとして運転音が大きくなる可能性もあるので、設定温度は控えめに。
■睡眠時はつけっぱなし?気になる暖房の電気代はいくら?
「夜間に暖房をつけっぱなしにすると、電気代はどのくらいかかるの?」と気になる方も多いはず。そこでパナソニックは、20時以降に暖房をつけているエアコンの1時間当たりの消費電力(暖房時)を外気温別に算出。そのデータから、8時間使用した場合の電気代を計算すると…
・外気温-10℃~0℃未満:約90円(1時間当たり約363Wh)
・外気温0℃〜10℃未満:約62円(1時間当たり約250Wh)
・外気温10℃〜20℃未満:約21円(1時間当たり約83Wh)※電気代は、パナソニックPXシリーズの機器ログデータより算出した参考値。電力料金目安単価 31円/kWhにて計算。お客様と電力会社との契約内容や、ご利用の環境(室内外の温度、湿度、お部屋の気密・断熱性など)、使用状況(設定温度、運転モード、風量など)により電気代は変動するため、これはあくまで目安です。
暖房を一晩(8時間)つけっぱなしで使用した場合の電気代は約21〜90円。たとえば東京は1〜2月の夜間の気温が3℃台〜7℃台(気象庁の平年値)のため、約62円が目安。
夜間も室温が下がり過ぎないようにエアコンはつけっぱなしがおすすめですが、電気代が気になる方は、寝室を暖めてから就寝前にオフにし、起床時間の1時間前くらいにオンになるようにタイマーを設定しておくと、部屋が暖まって朝も布団から出やすくなりますよ。
快眠のコツ②睡眠前・睡眠時のNG行為に要注意!
ここまで睡眠時のエアコン暖房の使い方をご紹介してきましたが、冬の快眠のためにできることは他にもあります。そこで以下に「睡眠前・睡眠時になるべく避けたほうがいいこと」をまとめました。
■過剰な厚着はNG
寒いからといって着込みすぎると、寝返りがしづらくなり、睡眠の質が下がりやすいです。ナイトウェアは体を締め付けず、吸水性や吸湿性に優れたやわらかい素材を選ぶと◎。
よくやりがちな「靴下を履いたまま寝る」のは、なるべく避けてみて。熱がこもって体温調節がしにくくなったり、蒸れによる肌トラブルや冷えの原因になることがあります。でも、通気性に優れた素材で足首の締め付けがないもの、あたたまったらすぐに布団の中で脱げるようなものであれば、そこまで悪影響はありません。どうしても足が冷たい場合は試してみてください。
また電気毛布を使うときは、寝る前に布団を暖めるだけにして、寝る間は切るか温度を下げて。
■寝る直前の食事・飲食はNG
寝る直前の食事は胃腸に負担がかかるうえ、体温が上がって寝つきにくくなることも。飲酒は睡眠の質を下げ、寝ている間に目が覚めやすくなるので注意!
■寝る直前の入浴はNG
寝る90分前にぬるめの湯船にゆっくり浸かるのがおすすめ。お湯の温度が高すぎても、体温上昇によって寝つきが悪くなりやすいので注意! 湯船に入って一度体温を上げると、就寝時に深部体温が下がってくることで自然に眠気が訪れます。シャワーだけになってしまうときは足湯も効果的。
どうしても入浴が寝る直前になってしまう場合は、体温が上がりすぎないよう短時間で済ませるのがポイント。
■寝る前のスマホ使用はNG
明るい光は眠りを妨げます。寝る前は、薄暗い部屋でリラックスして過ごしましょう。
■寝る前に水分を取るのがおすすめ
「夜中にトイレのために起きたくない」「睡眠中にあまり汗をかきたくない」などの理由から、寝る前に水分摂取を控える方もいますよね。でも、水分不足やのどの乾燥を防ぐためにも寝る前はコップ1杯ほどの水分摂取を心がけて。
これからさらに寒さが厳しくなる季節。元気に冬を楽しむために、今のうちから体調を整えておきたいもの。エアコン暖房の使い方や生活習慣を見直して、快適な睡眠ライフを送りましょう!(Mai)