腸の中には数百種以上、100兆個もの細菌がいるといわれています。人体を構成する細胞が約37兆個というので、腸内にはそれよりもはるかに多い細菌が生きているということ!
さらに最新の研究では、これらの腸内細菌がいろいろな病気に関わっていることが続々判明しています。大腸炎や大腸がんなどの腸の病気にとどまらず、糖尿病や肥満、動脈硬化、肝臓がん、アレルギー、自閉症、さらには老化……と、腸内細菌の関与は全身や脳に及ぶのです。
たとえば、ストレスでおなかが痛くなったりするのは、腸内細菌と脳が密接に関係しているから。
脳や気分にも影響するって、かなり驚きですよね!?
腸内環境研究の若きホープ、慶応義塾大学先端生命科学研究所特任准教授の福田真嗣先生によると、
「腸内細菌が腸内で作る物質が健康に寄与したり、病気を引き起こしたりします。これは逆にいうと、腸内細菌叢を制御することで病気の予防や治療も可能だということ。そこで重要になるのが、腸内細菌叢の塊ともいえる便なのです」
便! つまりうんち!
もはや汚いものではなく、私たちの救世主になりかねない無限の可能性を秘めた茶色い宝石、ということなのです!