Q.骨董はなにを基準に選べばいいのでしょうか?
A.「かわいい!」と心が動いたものを選びましょう。
なにより大切なのは「心の琴線に触れた、どうしてもこれが欲しい、と思えるものを選ぶこと」。「古いものだから、高価なものだからすごい」ではありません。例えば、同じ絵付けのように見える蕎麦猪口でも、わずかな色味やたたずまいの違いを見い出し、自分だけの「かわいい」ものを選びましょう。
「番茶にもコーヒーにも使える小ぶりの碗」など、具体的に欲しいものがある場合は、その姿かたちや使っている様子を頭の中でイメージしておくと、それに出くわしたときに目がきちんと反応します。
Q.「骨董」と「古美術」は、違うものですか?
A.すでに価値が決まっているものが古美術、自分の価値観で選ぶのが骨董です。
茶道具や仏教美術品、鑑賞陶器などの「古美術品」には、長い歴史のなかで定められてきた価値基準や評価があり、楽しむ際の約束ごとがあります。一方で、それらの約束ごとを取り払ったところにも楽しみ方がある……というのが骨董。柔らかい頭と心で、「いいもの」を見つけ出していきましょう。
Q.「現代のもの」と「骨董」の違いはなんですか?
A.骨董は「飽きない時間」を買うものです。
骨董を選ぶときに想像しておきたいのは、「買ったあとも飽きずに好きでいられるかどうか」。長い年月にわたり、人々に愛され残ってきた骨董には、しみじみと味わい深い「飽きさせない」力を持つものが多いです。骨董が現代の器にくらべて2倍高価だったとしても、2倍以上の時間、飽きずに楽しめるのが骨董です。その「飽きない時間」も含めて買うのが、骨董です。
Q.「骨董」は、なにをもたらしてくれますか?
A.想像を超える「うれしさ」です。
「これ、いいなぁ」という素直な感性で選び、手に入れた骨董は、いつまでも愛おしく思えるもの。そんな骨董をいつもの食事やお茶の時間に使ったり、身の回りの小物を入れたりして、「さりげなく」使う……。それだけで、毎日の生活に想像を超える「うれしさ」をもたらしてくれます。
柔らかい心と素直な感性で、たくさんのもののなかから、自分にぴったりの逸品を見つけることが、骨董の醍醐味です。これまでになかった生活の中の「うれしさ」をもたらしてくれる「骨董」、ぜひトライしてみてくださいね。(後藤香織)
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