「4つ以上当てはまった」という人に読んでほしい小説があります。それは『フィッターXの異常な愛情』。
実は先に挙げたチェックリストすべてに当てはまっている女性が主人公のお話なのです。これだけで親近感がハンパないですよね。
そんな「枯れ女子」でもある主人公・國枝颯子(くにえださつこ)が、あることをきっかけにどんどん変化していく物語なのですが、そのきっかけとは……なんと「ランジェリー」。
でもなぜランジェリー? 著者である蛭田亜紗子先生に直撃してきました。
Woman Insight編集部(以下、WI) なぜランジェリーショップを舞台にした物語を描こうと思ったのでしょうか?
蛭田亜紗子先生(以下、蛭田) 何かお仕事ラブコメを書きたいと思っていたときに、編集の方から男性のネイリストがいるというお話を聞き、男性が女性に接客する世界というものに興味を持ったんです。いろいろな職業を考えたのですが、最終的には今回の“男性のランジェリーフィッター”という職業に辿りつきました。何よりも意外だし、そこにドラマが生まれるはずだという直感があって。
WI 先生ご自身は、ランジェリーに対してこだわりがあったんですか?
蛭田 いえ、どちらかといえば無頓着ですね。そういう意味では、主人公の颯子に近いと言えるかもしれません。この作品を書くにあたって、某デパートのランジェリーショップでフィッターさんに何度か接客していただいたんですが、服の上からの目視のみで寸法がわかったり、服のデザインによってブラジャーのタイプを変えたり、着用方法が人によってこだわりがあったりと、THEプロフェッショナルというワザを目の当たりにし、感激しました。
WI 作品を読むと、自分のダメっぷりにいやというほど気づかされて、ランジェリーショップに今すぐ駆け込みたくなりました。
蛭田 私自身は颯子はじめ、そういう女性を否定していないんです。いくら女性として枯れ気味であろうが、変わる必要はないと思っていますし、作中人物たちも実は根本は変わっていないんですよね。ただこの作品を通じて、どんな小さなことでも発見があればいいなという気持ちはありますね。作中人物たちも、みなランジェリーを通じて自分自身の抱えている何かに気づき、自分をより愛することができるようになっていきます。そんな小さなきっかけを探すべく、楽しんで読んでみてほしいですね。
WI この物語、なんといっても男性フィッター・伊佐治がステキすぎるんですが、誰かモデルはいるんですか?
蛭田 職業の性質上、性を感じさせない、生々しさを排除したキャラクターづくりをしました。特にモデルは存在しません。でも読んだ方の感想を聞くと、福士蒼太クン、松田翔太さんなど、それぞれ頭に浮かぶイメージがあるようで、そんなみなさんの想像を聞くのは楽しいですね。
そんな萌え男子・伊佐治以外にも魅力的な人物がたくさん登場するこの作品、枯れ気味女子の心にグイグイ突き刺さるエピソードが満載ですので、ぜひ読んでみてくださいね。(吉田奈美)
『フィッターXの異常な愛情』蛭田亜紗子・著 ¥1,500+税/小学館 4月1日発売
広告代理店に勤める32歳の國枝颯子は、うっかりノーブラで出勤したある日、慌てて駆け込んだランジェリーショップで男性のフィッター・伊佐治耀に出会い……。颯子を始め、女装癖のあるクライアント、女性らしさを否定して生きてきた後輩、旬を過ぎた女優、セックスレスに悩む同期など、伊佐治のランジェリーの魔法で変化する愛すべき人々を描いたラブコメディー。
蛭田亜紗子(ひるたあさこ)
profile/1979年北海道出身。2008年、新潮社第7回R-18文学賞大賞を受賞。2010年、『自縄自縛の私』を敢行しデビュー。同作は2013年に竹中直人監督で映画化し、話題となる。著書に『人肌ショコラリキュール』(講談社)、『愛を振り込む』(幻冬舎)など。
★作品のさらなる詳細はコチラ→ 小学館公式サイト
【あわせて読みたい】
※【祝!直木賞】西加奈子に聞く、5%の喜びが支えた「サラバ!」誕生秘話
※【松本モテ道】セクシー?清楚?男子が好きな「女子の下着」は○色の○○!
※女子の「勝負下着ランキング」なんと1位は○○色の○○系だった!